2017年11月22日
犬・猫の引取り及び処分数の分析(香川県・平成28年度)
環境省では統計資料として、全国自治体の年間データを公表しています。
先日、平成28年度分が公表になりましたので、去年度に引きつづき分析しました。
以下、使用したデータは全て平成21~28年分として環境省が公表したものです。
香川県合計として、香川県と高松市の合計数を使用しました。
全国平均として、公表されている全国自治体合計を47で割った数値を使用しました。
年推移(香川県)
犬と猫の合計での、平成21年度からの推移です。

譲渡が増えています。
これは生活衛生課職員、譲渡ボランティアの皆さんの努力によるものです。
保護された犬猫を貰い受けて家族の一員にする。
その選択をされる家族が増えている証拠とも受け止め、素直に嬉しく思います。
ただ、譲渡ボランティアさんの手元に留まっている保護犬猫の数は考慮すべきです。
収容数が初めて4,000頭を切りました。
収容数、殺処分数が減っていると言ってよいですね。
このグラフには出ていませんが、特に猫が減っています。
よく誤解されますが、狂犬病予防法で捕獲義務のある野良犬と違い、
野良猫には収容義務がありません。
野良猫の持込みを、行政で引取拒否しているのかと推測しています。
しかしまだまだ収容も殺処分も多いです。
返還・譲渡・殺処分の比較(平成28年度)
引き取られた犬・猫がその後どこへ行ったかのグラフです。

合計

殺処分率は全国での49.2%に対して香川県75.4%。
香川県も減りましたが、全国平均も前年に比べ減っています。
特に犬での格差が顕著で、引取り数が全国平均の3倍あります。
譲渡は全国と見劣りしないくらい推進できていることを考えると、
とにかく収容数が多い、だから殺処分が多いと言えます。
引取りの比較(平成28年度)
保健所に引取られた犬・猫の数及び、所有者の有無、成犬猫/幼齢でグラフにしました。
「幼齢」とは離乳前の犬・猫を指します。


香川県では所有者不明の犬や猫の引取りがほとんどです。
これは、野良の犬猫あるいは迷子の犬猫を指します。
全体的に去年より減りました。
ただ、犬・所有者不明・幼齢の個体が減っていません。
野良犬の捕獲または持込みと推測されます。

香川県を含め、四国は気候が良い。
そのことが、捨てられた、または迷子の犬や猫が生き延びる要因となっています。
さらに、可哀想というだけで無責任に餌をやる人間がいるために、野良の仔がふえる。
だから香川県の動物愛護は遅れているのだ、と言われます。
正直に言って、自然要因のせいにして努力を放棄しているようで、
その説明が好きではありませんでした。
でも、今年の結果も「野良犬」というキーワードを連想させる内容でした。
飼い主からの引取りが少なく、
所有者不明の、特に幼齢の犬の収容が多い。
譲渡はそれなりに進んでいる。
先日テレビの地方ニュースで、栗林公園の野良犬問題について報道されました。
野良犬が増えていること、餌をやる人がいること、餌をやる行為が無責任であること。
それをたくさんの人が知ってくれたら、意識は変わっていきます。
ボランティアによる譲渡会が、香川県から外部委託に出されました。
イベントのノウハウのある団体が譲渡会を大々的にアピールしてくれたら、
保護犬猫のことを知る人も増えて、譲渡ももっと進むはずです。
引き受けられた団体さんには、もっともっと頑張っていただけることを期待します。
ペットを捨てないこと、野良への無責任な餌やりをしないこと。
飼い主のいない動物を増やすだけの人は、動物好きとは呼べません。
餌をやるなら、責任をもって連れて帰って飼う。
できないなら餌はやらない。
これは根気よく広げていかなくてはいけない「常識」です。
そして同様に、責任を持てないなら、増やさないこと。
不妊手術は可哀想。産ませてやりたい。
その気持ちはわかります。
でも、産まれた仔すべてに責任を持てますか?
もし新しく犬や猫を飼いたいなら保健所から譲り受ける方法があります。
このことは、もっと知ってもらえるよう広報していかなければなりません。
犬や猫を飼うには、環境が整っていなければなりません。
ひょっとしたら、寿命は20年にもなるかもしれません。
ペットの居場所、面倒を見る人、毎年のワクチン、病気や怪我の治療費…。
ひとつでも無理だと思ったら、飼わないことも優しさです。
香川県と高松市共同設立の動物愛護センターは設計図が固まりました。
工事施工業者決定、契約の段階に入っています。
動物愛護センターが開所すれば注目を集めるでしょう。
そこへ向けてますます香川県の動物愛護が進むことを心から願っています。

データの取扱いについて誤りがあればご指摘ください。
正確な数値が必要な方はコメントにてお知らせください。
先日、平成28年度分が公表になりましたので、去年度に引きつづき分析しました。
以下、使用したデータは全て平成21~28年分として環境省が公表したものです。
香川県合計として、香川県と高松市の合計数を使用しました。
全国平均として、公表されている全国自治体合計を47で割った数値を使用しました。

犬と猫の合計での、平成21年度からの推移です。

譲渡が増えています。
これは生活衛生課職員、譲渡ボランティアの皆さんの努力によるものです。
保護された犬猫を貰い受けて家族の一員にする。
その選択をされる家族が増えている証拠とも受け止め、素直に嬉しく思います。
ただ、譲渡ボランティアさんの手元に留まっている保護犬猫の数は考慮すべきです。
収容数が初めて4,000頭を切りました。
収容数、殺処分数が減っていると言ってよいですね。
このグラフには出ていませんが、特に猫が減っています。
よく誤解されますが、狂犬病予防法で捕獲義務のある野良犬と違い、
野良猫には収容義務がありません。
野良猫の持込みを、行政で引取拒否しているのかと推測しています。
しかしまだまだ収容も殺処分も多いです。

引き取られた犬・猫がその後どこへ行ったかのグラフです。

合計


殺処分率は全国での49.2%に対して香川県75.4%。
香川県も減りましたが、全国平均も前年に比べ減っています。
特に犬での格差が顕著で、引取り数が全国平均の3倍あります。
譲渡は全国と見劣りしないくらい推進できていることを考えると、
とにかく収容数が多い、だから殺処分が多いと言えます。

保健所に引取られた犬・猫の数及び、所有者の有無、成犬猫/幼齢でグラフにしました。
「幼齢」とは離乳前の犬・猫を指します。


香川県では所有者不明の犬や猫の引取りがほとんどです。
これは、野良の犬猫あるいは迷子の犬猫を指します。
全体的に去年より減りました。
ただ、犬・所有者不明・幼齢の個体が減っていません。
野良犬の捕獲または持込みと推測されます。

香川県を含め、四国は気候が良い。
そのことが、捨てられた、または迷子の犬や猫が生き延びる要因となっています。
さらに、可哀想というだけで無責任に餌をやる人間がいるために、野良の仔がふえる。
だから香川県の動物愛護は遅れているのだ、と言われます。
正直に言って、自然要因のせいにして努力を放棄しているようで、
その説明が好きではありませんでした。
でも、今年の結果も「野良犬」というキーワードを連想させる内容でした。



先日テレビの地方ニュースで、栗林公園の野良犬問題について報道されました。
野良犬が増えていること、餌をやる人がいること、餌をやる行為が無責任であること。
それをたくさんの人が知ってくれたら、意識は変わっていきます。
ボランティアによる譲渡会が、香川県から外部委託に出されました。
イベントのノウハウのある団体が譲渡会を大々的にアピールしてくれたら、
保護犬猫のことを知る人も増えて、譲渡ももっと進むはずです。
引き受けられた団体さんには、もっともっと頑張っていただけることを期待します。
ペットを捨てないこと、野良への無責任な餌やりをしないこと。
飼い主のいない動物を増やすだけの人は、動物好きとは呼べません。
餌をやるなら、責任をもって連れて帰って飼う。
できないなら餌はやらない。
これは根気よく広げていかなくてはいけない「常識」です。
そして同様に、責任を持てないなら、増やさないこと。
不妊手術は可哀想。産ませてやりたい。
その気持ちはわかります。
でも、産まれた仔すべてに責任を持てますか?
もし新しく犬や猫を飼いたいなら保健所から譲り受ける方法があります。
このことは、もっと知ってもらえるよう広報していかなければなりません。
犬や猫を飼うには、環境が整っていなければなりません。
ひょっとしたら、寿命は20年にもなるかもしれません。
ペットの居場所、面倒を見る人、毎年のワクチン、病気や怪我の治療費…。
ひとつでも無理だと思ったら、飼わないことも優しさです。
香川県と高松市共同設立の動物愛護センターは設計図が固まりました。
工事施工業者決定、契約の段階に入っています。
動物愛護センターが開所すれば注目を集めるでしょう。
そこへ向けてますます香川県の動物愛護が進むことを心から願っています。

データの取扱いについて誤りがあればご指摘ください。
正確な数値が必要な方はコメントにてお知らせください。
Posted by nekoneko at 15:13│Comments(3)
│猫!&猫カツ!
この記事へのコメント
waKwaKsun大平です。
お世話になっています。
28年度の啓発で掲示物にする数字が知りたいです。
27年度の数字(高松市を除く)を現在は掲示しているので、同様に高松市を除く数字を教えて頂けると助かります。
環境省の表で自分で犬猫別に収容・返還・譲渡・殺処分を計算したのですが
犬はとくに殺処分数が収容数を大幅上回ってしまいます。
その理由と、数字とがあっているのか
教えていただけるでしょうか?
お手数かけます。
犬 猫
収容数2040(幼齢535) 880(279)
返還数60(0) 0
譲渡数445(34) 265(200)
殺処分数2050(477) 879(191)
お世話になっています。
28年度の啓発で掲示物にする数字が知りたいです。
27年度の数字(高松市を除く)を現在は掲示しているので、同様に高松市を除く数字を教えて頂けると助かります。
環境省の表で自分で犬猫別に収容・返還・譲渡・殺処分を計算したのですが
犬はとくに殺処分数が収容数を大幅上回ってしまいます。
その理由と、数字とがあっているのか
教えていただけるでしょうか?
お手数かけます。
犬 猫
収容数2040(幼齢535) 880(279)
返還数60(0) 0
譲渡数445(34) 265(200)
殺処分数2050(477) 879(191)
Posted by 大平香之 at 2017年12月07日 00:55
ブリッジハート石丸です。
いつも犬猫たちに飼い主を見つけていただいて感謝しています。
環境省の表に分かりづらい箇所があるのです。
引取数は成犬猫と幼犬猫に分かれてカウントされていますが、
返還・譲渡・処分はそれぞれの数に幼犬猫を含んでカウントしているのです。
ですから、返還・譲渡・殺処分の部分を重複して計算されていると思います。
犬 猫
収容数2040(幼齢535) 880(279)
返還数60(0) 0
譲渡数411(34) 200(65)
殺処分数1573(477) 688(191) になります。
これでトータルは、収容数2920、返還数60、譲渡数611、殺処分数2261になります。(元々のデータに、誤差が12頭ぶんあります)
よろしくお願いします。
いつも犬猫たちに飼い主を見つけていただいて感謝しています。
環境省の表に分かりづらい箇所があるのです。
引取数は成犬猫と幼犬猫に分かれてカウントされていますが、
返還・譲渡・処分はそれぞれの数に幼犬猫を含んでカウントしているのです。
ですから、返還・譲渡・殺処分の部分を重複して計算されていると思います。
犬 猫
収容数2040(幼齢535) 880(279)
返還数60(0) 0
譲渡数411(34) 200(65)
殺処分数1573(477) 688(191) になります。
これでトータルは、収容数2920、返還数60、譲渡数611、殺処分数2261になります。(元々のデータに、誤差が12頭ぶんあります)
よろしくお願いします。
Posted by nekoneko
at 2017年12月07日 10:07

詳しく説明いただき ありがとうございます。
確かに…重複している箇所が分かりづらいですね。
なんとか香川県の悲しい現実を知ってもらい 行動をしてもらえるよう
努めていきます。
確かに…重複している箇所が分かりづらいですね。
なんとか香川県の悲しい現実を知ってもらい 行動をしてもらえるよう
努めていきます。
Posted by 大平香之 at 2017年12月08日 08:14