2013年11月01日
2013年10月の読書
1か月の購入冊数27冊。
仕方ないんですもの、角川の半額セールとKindle1周年セールがあったから。
読む方は欲張っても14冊がいいとこです。
不思議なのは、忙しいときほど読みたいし、実際読む時間をつくれることね。
布団を干しながら、人を待つ間に、車の中で布団の中で、よく読みました。
質は落ちてないので、よしとする。
残り2か月。
今年の話題の本は今年のうちに押さえておきたいところ。
厚い&熱いのが残っています。
積読本125冊。気になっている本355冊。

2013年10月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦の感想
ミドリムシがミドリムシがと連呼する辺り常人には理解しがたく感じるが、思いがけず気づきを与えてくれました。若さゆえ考えが短絡的すぎると感じても、関係ない。大事なのは決断すること。決断は次に進む駆動力になる。理由づけは何であれ、小さな決断を続けるうち、徐々に大きな決断ができるようになる。起業する(志を持つ)ことはこういうことだとわかった。そして逆境でも持ち続けられた思いが、結果として「信念」と呼ばれるのである。漠然と思っているだけでは信念とは呼べない。
読了日:10月28日 著者:出雲充
この世で一番おもしろいミクロ経済学――誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講の感想
未知の経済学を覗いてみた。訳者によると、うまく全体を概略できているとのことだ。ミクロ経済学の命題は『個人にとっての最適化の結果が、集団全体にとってもよい結果になるのはどんな場合か?』。諸理論が繰り広げられるが、人間のすることは一貫し得ないのが常で、だからこそ日夜議論が続いていくのだ。各理論の説明は理解したつもりが数日で抜けてしまうのは必定。ただ、一度理解してみたことは、なんらかの拍子にふと思い出すかもしれないのでそれでよい。ついでにこのままマクロ経済学も物しておくか。
読了日:10月27日 著者:ヨラム・バウマン,グレディ・クライン
ユージニア (角川文庫)の感想
恩田陸作品の幻想的すぎる物語は苦手だけど、これは普通にミステリ。それでも、花や、色や、幻惑の感じがなんとも恩田陸。電話の場面で共時性体験。得体のしれなさはじわじわと恐怖を生む。姿の見えない相手の望むものがわからない。ただ、わからないままなにかが自分から引き出されようとしていることに、抵抗せずにいられない。徐々に苛立ちを見せる相手に恐怖を気取られないよう平静を装うつかのま間の、胸の苦しさ。
読了日:10月27日 著者:恩田陸
おはなし おはなし (朝日文芸文庫)の感想
朝日新聞に連載されたエッセイ集。臨床心理を専門にするまでのエピソードは聞いたことがなかったので、感慨深く読めた。タイトルになっている「おはなし」は、自分の経験や他人の経験を、言語化、あるいは形にならなくとも意識化することによって、自分になんらかの効果を与えるということを指していると解釈した。それによってなにかを決意したり、考えを緩めたりして、人が自分の道を分け進むプロセスなのだと。普段は意識しないことだけれど、おはなしの力は偉大だよ。うんうん。
読了日:10月24日 著者:河合隼雄
プロメテウスの罠 3: 福島原発事故、新たなる真実の感想
ヨウ素剤の配布、除染、がれき処理、核廃棄物の最終処分と処分地選定。行政があてにならないなんて、前提にしたくはないと思いつつ、何度もため息が漏れる。行政にはどれだけ人が入れ替わっても長期にわたって効果的な体制が理想だと思うけれど、微に入り細に入り手順をマニュアル化することでは効率化は得られないようだ。マニュアルではなく、人の判断力。スペシャリストとしての行政人、または民間のスペシャリストに即座に意見・協力を求められるリーダーシップ体制であってほしい。仙台市のがれき処理はとてもうまくいった例として印象的。
読了日:10月22日 著者:朝日新聞特別報道部
独り居の日記の感想
「夢見つつ深く植えよ」に続く。驚いたことにサートンは前作が読者に誤解されたと断じる。『この日記を一年間はどうしても続けなくてはならないと思ったのは「夢見つつ深く植えよ」が偽りの楽園の神話を創り出したと思うから』であり、当著で『神話を静かに破壊してゆく』ことにした。メイソンでの暮らしは孤独、怒り、悲しみとも独りで対峙しなければならない戦いの日々である。それを悠々自適のガーデニングライフとでも賛美されたのだろうか? サートンは人一倍感じやすい人だから、その御し難さも人一倍であったろう。含蓄ある言葉が綴られる。
読了日:10月20日 著者:メイサートン
旅の窓の感想
沢木さんが旅先で撮りためたお気に入りの一枚たち。たまたま出会った一瞬のエピソードを披露している。異国の人たちの日常のことを書いたものが多めなのが、沢木さんらしいと思う。大きな写真で見たい。
読了日:10月17日 著者:沢木耕太郎
パピヨン 死と看取りへの旅 (角川文庫(学芸))の感想
自身の死を受容する。身近な人の死を受容する。どちらにも人は慣れたりしないし、その取り返しのつかなさに迷い、不意に襲う悲しみにひしがれる。『死んでいく人の言葉をよく聞きなさい。死にゆく人に学びなさい。死はたった一回だけのチャンス。死にゆく人はこの世界でなにが一番大切なのか、価値あるものなのか知っている…』。死にゆきつつある祖父。様々な事実が現れつつある。私はまだまだ傲慢で、ありのままではないと感じる。自分を偽っているかぎり平安ではないという。エリザベス・キューブラー=ロスの思想は理解しがたかった。
読了日:10月16日 著者:田口ランディ
ソウルメイトの感想
馳さんが愛犬小説ねぇ、と意外に思い手に取った。しかしまさか、犬と生きるとはなんたるかを馳さんに説かれるとは想像もしなかった。男の人はこのように犬を愛するのだとも。これは犬を飼いたい人の教育図書に指定すべきだ。7つの犬種に、7つの物語。難しい犬種を選んでいるように感じる。そして、それぞれに馳さんの伝えたい思いもばしばし伝わってくる。読み終わってから、犬の十戒を読み返すことをお勧めします。
読了日:10月14日 著者:馳星周
レーン最後の事件 (創元推理文庫 104-4)の感想
これでもかと言わんばかりに込み入った事件。人物は多くないのだが、それぞれ違った思惑で動くので、出来事は把握していてもそれが何の意味を持つのかさっぱりわからないまま読み進めた。発見と推理が進んで事件の概要が整理できた頃合いになって、特大の疑念が湧き始める趣向。全てはドルリー・レーンの葬送だったのだ。推理という舞台の上に朗々と響き渡る声。それを聞くことは二度とないのだとこちらをえぐりつけるような幕切れだった。
読了日:10月13日 著者:エラリー・クイーン
思い出のとき修理します (集英社文庫)の感想
これ、いい。5つの短編でひとつひとつ、誰かの思い残しやわだかまりが解けていく。どこかファンタジーな不思議さが残るようでいて、おとぎ話で終わらせられないリアルさがにじむ。それは著者自身体験したことばが、物語に無理なく馴染んでいるからで、くどくもなく、付け添えでもなく読めるのだと思う。寸止め感(笑)も抜群。
読了日:10月13日 著者:谷瑞恵
ONE PIECE 総集編 THE 20TH LOG (集英社マンガ総集編シリーズ)の感想
強くなりたいと心底思ったときが強くなりどき。いつの間にか場と合わせることに慣れてしまって、そしたらなにかを変えることが怖くなる。それが歳をとるってことなんだけど…まだまだ!
読了日:10月12日 著者:尾田栄一郎
おやじ女子図鑑の感想
おやじ女子の定義はうまく言えないけれど、それってあるあるあるある。私、ど真ん中だわ。こんなにがんばっているのに、なにが間違ってるって言うのかしらね? 『お酒なしでどう恋を始めるというの』に大きく同意。
読了日:10月12日 著者:フカザワナオコ
アントキノイノチ (幻冬舎文庫)の感想
さださんの書く文章は、いつも耳に柔らかい。しかし今回は生きることを主題にするために、遺品整理代行という特殊な職業を題材とした。異様な情景や思い詰まった若者の感情の描写が多いはずなのだが、さださんが書くと主人公たちの苦しささえもどこか鋭くなりきれない印象を受けた。ただ、杏平の父親や年配の上司、同僚に語らせている言葉は、そのまま現代の若者を見守るさださんの思いだと温かく感じ取ることができる。そこに収まってよかった、と思える結末だった。
読了日:10月8日 著者:さだまさし
注:
はKindleで読んだ本。
仕方ないんですもの、角川の半額セールとKindle1周年セールがあったから。
読む方は欲張っても14冊がいいとこです。
不思議なのは、忙しいときほど読みたいし、実際読む時間をつくれることね。
布団を干しながら、人を待つ間に、車の中で布団の中で、よく読みました。
質は落ちてないので、よしとする。
残り2か月。
今年の話題の本は今年のうちに押さえておきたいところ。
厚い&熱いのが残っています。
積読本125冊。気になっている本355冊。

2013年10月の読書メーター
読んだ本の数:14冊

ミドリムシがミドリムシがと連呼する辺り常人には理解しがたく感じるが、思いがけず気づきを与えてくれました。若さゆえ考えが短絡的すぎると感じても、関係ない。大事なのは決断すること。決断は次に進む駆動力になる。理由づけは何であれ、小さな決断を続けるうち、徐々に大きな決断ができるようになる。起業する(志を持つ)ことはこういうことだとわかった。そして逆境でも持ち続けられた思いが、結果として「信念」と呼ばれるのである。漠然と思っているだけでは信念とは呼べない。
読了日:10月28日 著者:出雲充


未知の経済学を覗いてみた。訳者によると、うまく全体を概略できているとのことだ。ミクロ経済学の命題は『個人にとっての最適化の結果が、集団全体にとってもよい結果になるのはどんな場合か?』。諸理論が繰り広げられるが、人間のすることは一貫し得ないのが常で、だからこそ日夜議論が続いていくのだ。各理論の説明は理解したつもりが数日で抜けてしまうのは必定。ただ、一度理解してみたことは、なんらかの拍子にふと思い出すかもしれないのでそれでよい。ついでにこのままマクロ経済学も物しておくか。
読了日:10月27日 著者:ヨラム・バウマン,グレディ・クライン

恩田陸作品の幻想的すぎる物語は苦手だけど、これは普通にミステリ。それでも、花や、色や、幻惑の感じがなんとも恩田陸。電話の場面で共時性体験。得体のしれなさはじわじわと恐怖を生む。姿の見えない相手の望むものがわからない。ただ、わからないままなにかが自分から引き出されようとしていることに、抵抗せずにいられない。徐々に苛立ちを見せる相手に恐怖を気取られないよう平静を装うつかのま間の、胸の苦しさ。
読了日:10月27日 著者:恩田陸

朝日新聞に連載されたエッセイ集。臨床心理を専門にするまでのエピソードは聞いたことがなかったので、感慨深く読めた。タイトルになっている「おはなし」は、自分の経験や他人の経験を、言語化、あるいは形にならなくとも意識化することによって、自分になんらかの効果を与えるということを指していると解釈した。それによってなにかを決意したり、考えを緩めたりして、人が自分の道を分け進むプロセスなのだと。普段は意識しないことだけれど、おはなしの力は偉大だよ。うんうん。
読了日:10月24日 著者:河合隼雄


ヨウ素剤の配布、除染、がれき処理、核廃棄物の最終処分と処分地選定。行政があてにならないなんて、前提にしたくはないと思いつつ、何度もため息が漏れる。行政にはどれだけ人が入れ替わっても長期にわたって効果的な体制が理想だと思うけれど、微に入り細に入り手順をマニュアル化することでは効率化は得られないようだ。マニュアルではなく、人の判断力。スペシャリストとしての行政人、または民間のスペシャリストに即座に意見・協力を求められるリーダーシップ体制であってほしい。仙台市のがれき処理はとてもうまくいった例として印象的。
読了日:10月22日 著者:朝日新聞特別報道部


「夢見つつ深く植えよ」に続く。驚いたことにサートンは前作が読者に誤解されたと断じる。『この日記を一年間はどうしても続けなくてはならないと思ったのは「夢見つつ深く植えよ」が偽りの楽園の神話を創り出したと思うから』であり、当著で『神話を静かに破壊してゆく』ことにした。メイソンでの暮らしは孤独、怒り、悲しみとも独りで対峙しなければならない戦いの日々である。それを悠々自適のガーデニングライフとでも賛美されたのだろうか? サートンは人一倍感じやすい人だから、その御し難さも人一倍であったろう。含蓄ある言葉が綴られる。
読了日:10月20日 著者:メイサートン

沢木さんが旅先で撮りためたお気に入りの一枚たち。たまたま出会った一瞬のエピソードを披露している。異国の人たちの日常のことを書いたものが多めなのが、沢木さんらしいと思う。大きな写真で見たい。
読了日:10月17日 著者:沢木耕太郎

自身の死を受容する。身近な人の死を受容する。どちらにも人は慣れたりしないし、その取り返しのつかなさに迷い、不意に襲う悲しみにひしがれる。『死んでいく人の言葉をよく聞きなさい。死にゆく人に学びなさい。死はたった一回だけのチャンス。死にゆく人はこの世界でなにが一番大切なのか、価値あるものなのか知っている…』。死にゆきつつある祖父。様々な事実が現れつつある。私はまだまだ傲慢で、ありのままではないと感じる。自分を偽っているかぎり平安ではないという。エリザベス・キューブラー=ロスの思想は理解しがたかった。
読了日:10月16日 著者:田口ランディ

馳さんが愛犬小説ねぇ、と意外に思い手に取った。しかしまさか、犬と生きるとはなんたるかを馳さんに説かれるとは想像もしなかった。男の人はこのように犬を愛するのだとも。これは犬を飼いたい人の教育図書に指定すべきだ。7つの犬種に、7つの物語。難しい犬種を選んでいるように感じる。そして、それぞれに馳さんの伝えたい思いもばしばし伝わってくる。読み終わってから、犬の十戒を読み返すことをお勧めします。
読了日:10月14日 著者:馳星周

これでもかと言わんばかりに込み入った事件。人物は多くないのだが、それぞれ違った思惑で動くので、出来事は把握していてもそれが何の意味を持つのかさっぱりわからないまま読み進めた。発見と推理が進んで事件の概要が整理できた頃合いになって、特大の疑念が湧き始める趣向。全てはドルリー・レーンの葬送だったのだ。推理という舞台の上に朗々と響き渡る声。それを聞くことは二度とないのだとこちらをえぐりつけるような幕切れだった。
読了日:10月13日 著者:エラリー・クイーン

これ、いい。5つの短編でひとつひとつ、誰かの思い残しやわだかまりが解けていく。どこかファンタジーな不思議さが残るようでいて、おとぎ話で終わらせられないリアルさがにじむ。それは著者自身体験したことばが、物語に無理なく馴染んでいるからで、くどくもなく、付け添えでもなく読めるのだと思う。寸止め感(笑)も抜群。
読了日:10月13日 著者:谷瑞恵

強くなりたいと心底思ったときが強くなりどき。いつの間にか場と合わせることに慣れてしまって、そしたらなにかを変えることが怖くなる。それが歳をとるってことなんだけど…まだまだ!
読了日:10月12日 著者:尾田栄一郎

おやじ女子の定義はうまく言えないけれど、それってあるあるあるある。私、ど真ん中だわ。こんなにがんばっているのに、なにが間違ってるって言うのかしらね? 『お酒なしでどう恋を始めるというの』に大きく同意。
読了日:10月12日 著者:フカザワナオコ

さださんの書く文章は、いつも耳に柔らかい。しかし今回は生きることを主題にするために、遺品整理代行という特殊な職業を題材とした。異様な情景や思い詰まった若者の感情の描写が多いはずなのだが、さださんが書くと主人公たちの苦しささえもどこか鋭くなりきれない印象を受けた。ただ、杏平の父親や年配の上司、同僚に語らせている言葉は、そのまま現代の若者を見守るさださんの思いだと温かく感じ取ることができる。そこに収まってよかった、と思える結末だった。
読了日:10月8日 著者:さだまさし

注:

Posted by nekoneko at 19:05│Comments(0)
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