2013年12月01日
2013年11月の読書
少々息切れ気味の月初から意欲回復。
なんのために本を読むのか?
なにか実用の役に立つことなんて、ほんの一握りであって、自己満足がほとんど。
小説なんてあーおもしろかった、で忘れてしまうものも多い。
でも、読んですぐ忘れたとしても、読むその行為が私のメンタル安定に欠かせない。
だから、この金銭と時間の消費は、浪費でなく私の人生の必要経費。
大目に見てね。
積読本123冊。気になっている本366冊。

2013年11月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
図南の翼 十二国記 (新潮文庫 お 37-59 十二国記)の感想
人を理解し、理解されることを思う。珠晶は頑丘を理解したい。しかし頑丘は珠晶が頑丘と同じ身分ではないから、理解できないと言い放つ。それは同じ体験をしていないという意味で真実でありつつ、頑丘の珠晶を丸ごと拒絶する行為である。一方、珠晶はなんとか頑丘を理解しようとするが、珠晶のものの見方が頑丘のそれと一致し得ない以上、独りよがりの思い込みに過ぎない。珠晶と頑丘を結果近づけたものは何だったのだろう。人と人とに相互理解というものが成立するとすれば、いったい何が必要なのだろう。痛快な物語。利広LOVE。
読了日:11月29日 著者:小野不由美
磯野家の相続の感想
FPで覚えたことのおさらいと、小ネタ補足に。このシリーズはこれ以上無理と思われる。
読了日:11月27日 著者:長谷川裕雅
文人悪食 (新潮文庫)の感想
文人というと霞を喰って身を削りながら文章をつむぐ想像をする。ところが本人の日記や知人、近親者の記録から意外な食癖、性癖が露見する。意地汚い、えげつない、その落差は激しい。食べることは生きること。小説や詩句が生を描くものならば、この本は文人の作品、ひいては生を理解するうえで極めて有効な鍵を呈する。とはいえ、一時に読んでしまって誰が誰だかわからなくなったので、作品を読むときに傍らに置くのがよさそう。澁澤と三島、三島と太宰、太宰と中原、中原と大岡など、その関係性がドラマのようで面白い。同時代に傍観したかった。
読了日:11月24日 著者:嵐山光三郎
猫の森の物語 猫も人も「ご機嫌元氣」に!の感想
行間ぎっちり詰まってはいないけれど、猫哲学に満ちて私を刺激してくれる。南里さんのビジネスは、人と猫の関係をより心地よくしたい思いに一貫されている。長期旅行があっても、問題行動に悩んでも、年をとっても、できるかぎり一緒に生きていく。それは猫と暮らす者にとって理想の生き方だ。そういう安心を提供できるなにかを私もしたいと強く思う。猫の生きる意志、逝く意志を尊重するあり方。人と猫が同じものを食べる幸せ。人が自分の考えを縛らずにいられれば、解決する事々。人と猫の両方にとってストレスフリーなあり方を考えていきたい。
読了日:11月23日 著者:南里秀子
永遠の0 (講談社文庫)の感想
読みやすいからこそ百田さんの込めた思いが顕わに伝わる。戦場の記述は長く感じる。しかしそれは既に記号化したセンソウの本当を私達に示したい百田さんの願いであり、全ての日本人が共有するべき歴史の裏打ちだ。そして私達の祖父は戦場を生き抜いた最後の世代。亡くなったり呆けたり、話を聞くなら今がラストチャンスというメッセージ。直系の肉親が語る戦争以上に戦争を感じる手段はない。どこかの誰かからではなく、戦争のこと、今の日本と自分がここにある故を知る義務があると言われたようだった。物語の構成も抜かりない。面白かった。
読了日:11月23日 著者:百田尚樹
得するDropbox活用術 Lite版の感想
普通に使えていれば8割がた読む必要はなく、特別なことをしようとしてなければ残りの2割も読む必要はない。他ユーザーとの共有の部分がよくわかっていなかったので、それがわかったのみでよしとする。安かったからね。
読了日:11月19日 著者:大河原浩一
ツナグ (新潮文庫)の感想
yomyom連載でところどころ読んでいたので、再読に近い感覚。使者の伏線も拾いながら読めた。どの話も、重い。なぜなら死は取返しのつかないものであり、歪みは後悔や痛みとしてそのまま抱えて生きなければならないのが常。それを修正できる機会を一夜だけ得られるとすれば、それは自然、重すぎる歪みを抱えた人を呼ぶだろうからだ。その一夜の奇跡に、人は心を解く。解けないものを残すところも、読後すっきりで終わらせない著者の技どころ。
読了日:11月14日 著者:辻村深月
神宮館九星本暦〈平成26年版〉の感想
自分で買うのは初めて。初めてだから、通して読んでみた。年の、月の、日々の運勢だけでなく、二十四節気や年中行事、縁起ごとの説明などぎっしり詰まっていた。こういったことは、不思議なものだけれど、荒唐無稽とは思えない。その通りに行動するわけではないけれど、どこか拠りどころにして生活している。来年の、指針に。
読了日:11月14日 著者:井上象英,神宮館編集部
教科書に載ってないUSA語録の感想
確かにペイリンネタ多いわ。ていうか共和党に突っ込みどころ多すぎやろ。やのに支持強いんはなんでなん? 町山エッセイではずいぶんアメリカという国の勉強をさせてもらっている。日々のワールドニュースの見方も変わる。グウィネスの見方も変わる。そして締めはやっぱりあの人…。いちばん印象的だったのはブラッドベリの追悼エッセイ。茶化しの多い中でピュアさが光っていた。リスペクト、なんやなぁ。『Live forever!』
読了日:11月10日 著者:町山智浩
これが日本でいちばんわかりやすくて会社を強くする就業規則です!―全条文解説付きだから誰でもスグつくれる!の感想
義務と任意が明確にされていてわかりやすい。なにより、中小会社を無用な従業員の主張やトラブルから守ることが眼目におかれていることと、会社と従業員がお互いに義務を守ってこその権利であって、権利ばかり振りかざすことが許されないと、従業員が読んでわかるような例文で示しているのがよい。
読了日:11月6日 著者:真部賀津郎
果心居士の幻術 (新潮文庫)の感想
「壬生狂言の夜」がおもしろい。私にとって新撰組ものは、個々人の際立ちよりも、その互いが絡む思惑の交錯がおもしろい。隊内の統率しきれない人間模様、幕府や藩、近所の商人遊女に至るまでが入り混じって歴史を編み上げ、腕っぷしが強い人間が生き残るとは全く限らない。司馬遼太郎が小説にすると人間くささがまた風味になるのだ。全体の印象としては、生臭い。
読了日:11月5日 著者:司馬遼太郎
注:
はKindleで読んだ本。
なんのために本を読むのか?
なにか実用の役に立つことなんて、ほんの一握りであって、自己満足がほとんど。
小説なんてあーおもしろかった、で忘れてしまうものも多い。
でも、読んですぐ忘れたとしても、読むその行為が私のメンタル安定に欠かせない。
だから、この金銭と時間の消費は、浪費でなく私の人生の必要経費。
大目に見てね。
積読本123冊。気になっている本366冊。

2013年11月の読書メーター
読んだ本の数:11冊

人を理解し、理解されることを思う。珠晶は頑丘を理解したい。しかし頑丘は珠晶が頑丘と同じ身分ではないから、理解できないと言い放つ。それは同じ体験をしていないという意味で真実でありつつ、頑丘の珠晶を丸ごと拒絶する行為である。一方、珠晶はなんとか頑丘を理解しようとするが、珠晶のものの見方が頑丘のそれと一致し得ない以上、独りよがりの思い込みに過ぎない。珠晶と頑丘を結果近づけたものは何だったのだろう。人と人とに相互理解というものが成立するとすれば、いったい何が必要なのだろう。痛快な物語。利広LOVE。
読了日:11月29日 著者:小野不由美

FPで覚えたことのおさらいと、小ネタ補足に。このシリーズはこれ以上無理と思われる。
読了日:11月27日 著者:長谷川裕雅


文人というと霞を喰って身を削りながら文章をつむぐ想像をする。ところが本人の日記や知人、近親者の記録から意外な食癖、性癖が露見する。意地汚い、えげつない、その落差は激しい。食べることは生きること。小説や詩句が生を描くものならば、この本は文人の作品、ひいては生を理解するうえで極めて有効な鍵を呈する。とはいえ、一時に読んでしまって誰が誰だかわからなくなったので、作品を読むときに傍らに置くのがよさそう。澁澤と三島、三島と太宰、太宰と中原、中原と大岡など、その関係性がドラマのようで面白い。同時代に傍観したかった。
読了日:11月24日 著者:嵐山光三郎

行間ぎっちり詰まってはいないけれど、猫哲学に満ちて私を刺激してくれる。南里さんのビジネスは、人と猫の関係をより心地よくしたい思いに一貫されている。長期旅行があっても、問題行動に悩んでも、年をとっても、できるかぎり一緒に生きていく。それは猫と暮らす者にとって理想の生き方だ。そういう安心を提供できるなにかを私もしたいと強く思う。猫の生きる意志、逝く意志を尊重するあり方。人と猫が同じものを食べる幸せ。人が自分の考えを縛らずにいられれば、解決する事々。人と猫の両方にとってストレスフリーなあり方を考えていきたい。
読了日:11月23日 著者:南里秀子

読みやすいからこそ百田さんの込めた思いが顕わに伝わる。戦場の記述は長く感じる。しかしそれは既に記号化したセンソウの本当を私達に示したい百田さんの願いであり、全ての日本人が共有するべき歴史の裏打ちだ。そして私達の祖父は戦場を生き抜いた最後の世代。亡くなったり呆けたり、話を聞くなら今がラストチャンスというメッセージ。直系の肉親が語る戦争以上に戦争を感じる手段はない。どこかの誰かからではなく、戦争のこと、今の日本と自分がここにある故を知る義務があると言われたようだった。物語の構成も抜かりない。面白かった。
読了日:11月23日 著者:百田尚樹

普通に使えていれば8割がた読む必要はなく、特別なことをしようとしてなければ残りの2割も読む必要はない。他ユーザーとの共有の部分がよくわかっていなかったので、それがわかったのみでよしとする。安かったからね。
読了日:11月19日 著者:大河原浩一


yomyom連載でところどころ読んでいたので、再読に近い感覚。使者の伏線も拾いながら読めた。どの話も、重い。なぜなら死は取返しのつかないものであり、歪みは後悔や痛みとしてそのまま抱えて生きなければならないのが常。それを修正できる機会を一夜だけ得られるとすれば、それは自然、重すぎる歪みを抱えた人を呼ぶだろうからだ。その一夜の奇跡に、人は心を解く。解けないものを残すところも、読後すっきりで終わらせない著者の技どころ。
読了日:11月14日 著者:辻村深月

自分で買うのは初めて。初めてだから、通して読んでみた。年の、月の、日々の運勢だけでなく、二十四節気や年中行事、縁起ごとの説明などぎっしり詰まっていた。こういったことは、不思議なものだけれど、荒唐無稽とは思えない。その通りに行動するわけではないけれど、どこか拠りどころにして生活している。来年の、指針に。
読了日:11月14日 著者:井上象英,神宮館編集部

確かにペイリンネタ多いわ。ていうか共和党に突っ込みどころ多すぎやろ。やのに支持強いんはなんでなん? 町山エッセイではずいぶんアメリカという国の勉強をさせてもらっている。日々のワールドニュースの見方も変わる。グウィネスの見方も変わる。そして締めはやっぱりあの人…。いちばん印象的だったのはブラッドベリの追悼エッセイ。茶化しの多い中でピュアさが光っていた。リスペクト、なんやなぁ。『Live forever!』
読了日:11月10日 著者:町山智浩


義務と任意が明確にされていてわかりやすい。なにより、中小会社を無用な従業員の主張やトラブルから守ることが眼目におかれていることと、会社と従業員がお互いに義務を守ってこその権利であって、権利ばかり振りかざすことが許されないと、従業員が読んでわかるような例文で示しているのがよい。
読了日:11月6日 著者:真部賀津郎

「壬生狂言の夜」がおもしろい。私にとって新撰組ものは、個々人の際立ちよりも、その互いが絡む思惑の交錯がおもしろい。隊内の統率しきれない人間模様、幕府や藩、近所の商人遊女に至るまでが入り混じって歴史を編み上げ、腕っぷしが強い人間が生き残るとは全く限らない。司馬遼太郎が小説にすると人間くささがまた風味になるのだ。全体の印象としては、生臭い。
読了日:11月5日 著者:司馬遼太郎
注:

Posted by nekoneko at 13:21│Comments(0)
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