2015年02月16日
勉強会
~香川の動物愛護のためにできること~ と銘打ち、勉強会が開催されました。
動物愛護センターの基本構想が策定されている中、
私たちにできることはなにか。
行政に要望できることはないか。
その模索のための企画でした。

ドイツにおける動物愛護の歴史
~ドイツと日本はどのように違うか (講師:アルシャー京子 様)
ドイツにおける動物福祉の歴史と法律の成り立ちを基軸にしながらお話しいただきました。
ドイツは憲法で「動物の保護」を国民の義務としました。
明文化された飼養の適正基準があるので、飼い主の責務も行政の対応も明確に感じます。
動物愛護施設として有名なティアハイム(=動物の家)は、会費と遺産などの寄付で成り立っており、行政からの補助はほとんどないそうです。
しかしそれは、ドイツ人はそもそも意識が高いから、ではないのだと感じました。
確かに、子供の頃から動物についての授業がある、動物虐待を容認しないなど、制度も整っています。しかしそれとは別に、愛護団体は日々、人の集まる商店街などで活動を行い、人々を啓発するとともに、民間からの寄付を集めるべく努力を続けている。
当たり前ではない。努力の賜物なのです。
ベルリンの街に野良犬は存在しません。放浪している犬はティアハイムに収容されます。
一方、野良猫は地域猫として保護されています。TNRもあるし、診療ステーション、野良猫ステーションのような取り組みもあるそうです。
日本の動物愛護活動を促進するために
~広島県神石高原町の事例から (講師:大西純子 様)
NGO団体「ピースウィンズ・ジャパン」は緊急・復興・開発支援のための非政府組織です。
そのプロジェクトである「ピースワンコ・ジャパン」の取り組みをお話しいただきました。
犬連れで楽しめる施設の運営。
災害救助犬・セラピー犬の育成。
広島県の犬の殺処分ゼロ1000日計画。
広島と岡山の県境にある、過疎地への支援から始まった活動です。
神石高原町との業務委託契約締結、保護犬から災害救助犬・セラピー犬への育成、全県の犬の保護、返還、譲渡活動。
最初の動物取扱業登録が平成23年ですから、たったの4年で。ホームページを見せていただくと、うわぁ、これ運営て、もう絶対大変やん!!と思いますが、大西さんは終始笑顔でした。朗らかさが大事、なんです。
広島県は香川県とそれほど状況は違いません。収容される犬の8割は野良。それが、困って放棄を考えている飼い主に適正飼養のアドバイスをしたり、町内放送で呼び掛けて返還したり、保護して「ピカピカにして」譲渡する活動の結果、神石高原町には迷い犬や野犬がほとんどいない。そして広島県の殺処分の減少は、データ上に歴然としていました。
その結果だけに目を奪われそうですが、印象的だったのは考え方でした。
非営利組織やボランティアはお金の話をしてはいけないという雰囲気が日本にはある。しかし、非営利とは利益を分配しないことであり、ボランティアではなくプロであるという意識を持たないと誰も話を聞いてくれないよ、ということなのです。
自分はボランティアだと思うことは、一種の甘えなのですね。本来ならしなくていいことなのに、仕事の合間に、無償でやってあげてる。だから、行政なんだからやってくれればいいのに。お金出してよ。と思う気持ちがどこかにある。本気でやれることをやっていなきゃ、行政とイーブンな関係はつくれっこないです。そのための秘密の手法
も、教えていただきました。

お二人の話で特筆すべきことがもうひとつ。
私たちは香川県の殺処分を減らすために、いわゆる蛇口を締める意味で不妊・去勢手術を全ての一般飼い主に勧めます。これはアメリカやイギリスに倣った方策です。しかしドイツの動物福祉の観点では、それは順番が間違っている、ということでした。
そもそも、飼い主が正しい知識を持って、飼い犬を捨てたり逃がしたりしなければ、「間違って」仔犬が産まれることはありえません。それができてないから、必要とされない仔犬が産まれ、捨てられ、保健所に持ち込まれる。それらは全て人間の過失であって、犬には何の過失もない。
一方、日本ではメリットばかり言われますが、不妊・去勢手術が生体に悪影響を及ぼさないという証明はなされていません。つまり、去勢によって雄犬が自信を持てないことで攻撃的になったり、不妊手術によってホルモンが乱れ、病気を引き起こしたり、また尿漏れの原因になる可能性がある。不妊・去勢手術にはデメリットもあると考えられる以上、手術は飼い主が正しい知識を得たうえで判断しなければならないことなのです。
まず、飼い主あるいは飼い主候補が正しい知識を持つよう啓発するのが先決。
犬に、人間のツケをなすりつけるのはフェアではありません。
不妊・去勢手術を勧めた口で動物福祉が大切だと堂々と言っていたのが恥ずかしい。。。
今回は犬がご専門の講師だったので犬のお話が主でしたが、大部分、猫にも通じます。
私にとっては、とっっても貴重な話を聞かせていただきました。
お尻を叩かれたのは、きっと私のほうね
動物愛護センターの基本構想が策定されている中、
私たちにできることはなにか。
行政に要望できることはないか。
その模索のための企画でした。


~ドイツと日本はどのように違うか (講師:アルシャー京子 様)
ドイツにおける動物福祉の歴史と法律の成り立ちを基軸にしながらお話しいただきました。
ドイツは憲法で「動物の保護」を国民の義務としました。
明文化された飼養の適正基準があるので、飼い主の責務も行政の対応も明確に感じます。
動物愛護施設として有名なティアハイム(=動物の家)は、会費と遺産などの寄付で成り立っており、行政からの補助はほとんどないそうです。
しかしそれは、ドイツ人はそもそも意識が高いから、ではないのだと感じました。
確かに、子供の頃から動物についての授業がある、動物虐待を容認しないなど、制度も整っています。しかしそれとは別に、愛護団体は日々、人の集まる商店街などで活動を行い、人々を啓発するとともに、民間からの寄付を集めるべく努力を続けている。
当たり前ではない。努力の賜物なのです。
ベルリンの街に野良犬は存在しません。放浪している犬はティアハイムに収容されます。
一方、野良猫は地域猫として保護されています。TNRもあるし、診療ステーション、野良猫ステーションのような取り組みもあるそうです。

~広島県神石高原町の事例から (講師:大西純子 様)
NGO団体「ピースウィンズ・ジャパン」は緊急・復興・開発支援のための非政府組織です。
そのプロジェクトである「ピースワンコ・ジャパン」の取り組みをお話しいただきました。



広島と岡山の県境にある、過疎地への支援から始まった活動です。
神石高原町との業務委託契約締結、保護犬から災害救助犬・セラピー犬への育成、全県の犬の保護、返還、譲渡活動。
最初の動物取扱業登録が平成23年ですから、たったの4年で。ホームページを見せていただくと、うわぁ、これ運営て、もう絶対大変やん!!と思いますが、大西さんは終始笑顔でした。朗らかさが大事、なんです。
広島県は香川県とそれほど状況は違いません。収容される犬の8割は野良。それが、困って放棄を考えている飼い主に適正飼養のアドバイスをしたり、町内放送で呼び掛けて返還したり、保護して「ピカピカにして」譲渡する活動の結果、神石高原町には迷い犬や野犬がほとんどいない。そして広島県の殺処分の減少は、データ上に歴然としていました。
その結果だけに目を奪われそうですが、印象的だったのは考え方でした。
非営利組織やボランティアはお金の話をしてはいけないという雰囲気が日本にはある。しかし、非営利とは利益を分配しないことであり、ボランティアではなくプロであるという意識を持たないと誰も話を聞いてくれないよ、ということなのです。
自分はボランティアだと思うことは、一種の甘えなのですね。本来ならしなくていいことなのに、仕事の合間に、無償でやってあげてる。だから、行政なんだからやってくれればいいのに。お金出してよ。と思う気持ちがどこかにある。本気でやれることをやっていなきゃ、行政とイーブンな関係はつくれっこないです。そのための秘密の手法



お二人の話で特筆すべきことがもうひとつ。
私たちは香川県の殺処分を減らすために、いわゆる蛇口を締める意味で不妊・去勢手術を全ての一般飼い主に勧めます。これはアメリカやイギリスに倣った方策です。しかしドイツの動物福祉の観点では、それは順番が間違っている、ということでした。
そもそも、飼い主が正しい知識を持って、飼い犬を捨てたり逃がしたりしなければ、「間違って」仔犬が産まれることはありえません。それができてないから、必要とされない仔犬が産まれ、捨てられ、保健所に持ち込まれる。それらは全て人間の過失であって、犬には何の過失もない。
一方、日本ではメリットばかり言われますが、不妊・去勢手術が生体に悪影響を及ぼさないという証明はなされていません。つまり、去勢によって雄犬が自信を持てないことで攻撃的になったり、不妊手術によってホルモンが乱れ、病気を引き起こしたり、また尿漏れの原因になる可能性がある。不妊・去勢手術にはデメリットもあると考えられる以上、手術は飼い主が正しい知識を得たうえで判断しなければならないことなのです。
まず、飼い主あるいは飼い主候補が正しい知識を持つよう啓発するのが先決。
犬に、人間のツケをなすりつけるのはフェアではありません。
不妊・去勢手術を勧めた口で動物福祉が大切だと堂々と言っていたのが恥ずかしい。。。
今回は犬がご専門の講師だったので犬のお話が主でしたが、大部分、猫にも通じます。
私にとっては、とっっても貴重な話を聞かせていただきました。
お尻を叩かれたのは、きっと私のほうね

Posted by nekoneko at 19:53│Comments(0)
│猫!&猫カツ!