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2017年02月01日

2017年1月の記録

年末年始にたくさん読めた反動か、思うほど読む時間が取れずいらいらする。
あれこれ思って集中しないのか、進みも遅い。
でも結果的には11冊も読めているのである。
欲求不満による読書メタボか。

積読本90冊(うちKindle本15冊)。

ブック

2017年1月の読書メーター読んだ本の数:11冊


聖女の遺骨求む ―修道士カドフェルシリーズ(1) (光文社文庫)聖女の遺骨求む ―修道士カドフェルシリーズ(1) (光文社文庫)感想
ベネディクト会修道士である主人公が修道院から出かけた先で事件は起こる。登場人物が多いが、初めに人物をしっかり造形しているので、入りやすい。グレートブリテン島はこの時代、民族はゲルマン系のサクソン人とケルト系のウェールズ人、言語はウェールズ語と英語とはっきり分断されている。この分断が物語に活かされ、時代の雰囲気がよく出てよかった。犯人が捕まって大団円と思いきや、更なる窮地に陥り、世知に長けた主人公が本領を発揮する。宗教とミステリの組合せは、なるほど面白い試みである。続きを読みたくなってしまった。20冊か…。
読了日:1月31日 著者:エリスピーターズ

銀河鉄道の夜銀河鉄道の夜感想
オリラジの中田氏が番組で解説しているのを観て読みたくなった。番組は番組で良くできていたが、実際に読むとだいぶ感触が違って良かった。作家があれこれ辻褄をひねり出す商用の小説とは一線を画す物語。狭量な心根の自分を悔やみ、もっと優しくありたいと願う。宮澤賢治その人の人間らしく生きた証が、こうした心の底から湧き出す物語の中には、星や水晶と共にきらめくのだろうと、柄にもなく繊細な心もちで思った。未完のためところどころ切れているのと、終盤の解釈が難しい。通勤中に見える送電鉄塔が、物語の三角標に重なって見える。
読了日:1月28日 著者:宮沢賢治 ファイル

デザイナーズハンドブック レイアウト編デザイナーズハンドブック レイアウト編感想
ど素人なりに、体裁の良いイベントチラシをつくろうと思い、基本を知る為に。書店で見たレイアウトの本の中では、基本概念を最も整理して説明し、レイアウトにあたってどこに着目すればよいかを端的に著している点が評価できた。前半はレイアウトの用語や定石について。後半は実例を挙げてのケーススタディ。情報を整理して「揃える」ことが大事。予想以上の情報を手に入れた気分。この本を選んでよかった。
読了日:1月27日 著者:佐々木剛士,風日舎

去年の冬、きみと別れ去年の冬、きみと別れ感想
初めて中村文則を読んだとき、持ち味の在り処がわからない作風だと思った。読み終えて、なんの感慨も湧かなかった。今回の小説は、ミステリだ。不思議そうな、のような場面にそぐわない言葉とか、意味深長そうな台詞とか、醸されようとしている場の空気があるはずなのに、私にはやはり、感じ取れないのだった。
読了日:1月23日 著者:中村文則 ファイル

ダーク・タワー〈4〉魔道師と水晶球〈下〉 (新潮文庫)ダーク・タワー〈4〉魔道師と水晶球〈下〉 (新潮文庫)感想
全く忌々しい水晶球! キングがローランドに負わせた<カ>に身震いする。予想しえてなお願わずにいられない希望の、儚かったこと。暗黒の塔こそ自分の<カ>とローランドが洞察しようとも、これら痛みの前には慰めにもならない。そして今また得た『愛することの最後の機会』も、さらに新しい痛みを生むのだろう。ローランドがまだ語らない過去もあり、不穏は去らない。この長い物語の中には、他のキングワールドもリンクするようだ。それだけキングの核に近い物語であることの証拠と言えよう。暗黒の塔の意味もそこらにありそう。フラッグ登場。
読了日:1月19日 著者:スティーヴンキング

「学力」の経済学「学力」の経済学感想
子供の教育が気懸りな親には気になる帯。力を入れるならより幼い時期が良い、具体的な課題の直後に褒美を与えるのが効果的等、自然実験の分析結果など科学的根拠に基づいた知見と一般教育論との比較は興味深い。中盤からの焦点は、日本の教育行政がデータの検証や分析結果の有効利用に否定的なこと、現行の子ども手当も少人数学級も高い効果が見込めないこと、子供の成績や潜在能力を伸ばすには教員の能力水準の底上げが費用対効果を得られる政策であるという論旨に移っていく。どちらかといえば教育行政に携わる人や教員に宛てた本だ。
読了日:1月12日 著者:中室牧子

陸王陸王感想
ビブラムのシューズと足袋製造メーカーをつないた著者の発想が面白い。アスリートの物語と小型企業の物語が並行し、行き詰まり感を打破しつつ軽快に読める。が、途中で私は進めなくなった。流行りのM&A。営業はうちにも来る。経営者にとって大切なのは、社員の生活であり、会社が生き延びることである。それが脅かされるとき、経営者は会社ごと売るべきなのか? 外資系の経営手法は日本の従来手法と異質だ。日本企業の良さを言葉にできないか、悶々と考えた。敵方の心中描写が少なく、悪役が上っ面な印象を受ける。池井戸カタルシスは健在。
読了日:1月9日 著者:池井戸潤

鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン! 2鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン! 2感想
1巻に続き、妹から拝借。仔猫が加わったこともさながら、写真との合わせ技に1巻を上回る勢いを感じる。ただ、写真から伝わるように、ぽんたも仔猫も普通の猫だ。猫はそれぞれ唯一無二の性格を持っている。それでも、たいていのネタは猫のいる家あるあるなのだ。状況が理解できるから、私などは苦しいほど笑うことができるが、夫は共同生活がまだ短いので、私がなぜそれほど笑っているかが理解できないといった顔をして眺めていた。
読了日:1月5日 著者:鴻池剛

池上彰が世界の知性に聞く どうなっている日本経済、世界の危機池上彰が世界の知性に聞く どうなっている日本経済、世界の危機感想
前半は現代世界について専門家に、後半は戦後日本の節目について当事者にインタビューしている。後半は当時の政治家、官僚、大企業の要職にあった人を選出し、二度のオイルショック、プラザ合意、バブル、日米繊維交渉や自動車経済摩擦を聴く。今だから語れることがある。薄らぼんやり度限りない私の現代日本史イメージをはっきりさせ、その時々の日本人が戦って勝ち得てきたものを肝に銘じて生きろと、池上さんは言いたいんでないかなぁ。日本の2012年度長期債務残高は対GDP比で196%、太平洋戦争末期水準と塩川正十郎氏は警告している。
読了日:1月4日 著者:池上彰

アリエリー教授の人生相談室──行動経済学で解決する100の不合理アリエリー教授の人生相談室──行動経済学で解決する100の不合理感想
ウォールストリート・ジャーナルの連載コラム。質疑応答形式で読みやすい。しかし、「予想どおりに不合理」や「ずる」を先に読んだほうが、行動経済学の要点を絞れるので良いようだ。
読了日:1月2日 著者:ダン・アリエリー ファイル

バルセロナのガウディ建築案内 (コロナ・ブックス)バルセロナのガウディ建築案内 (コロナ・ブックス)感想
ガウディ(1852-1926)に縁のある建築物を網羅した写真集。実際に触れないと興味を保てない性質故、帰着してようやく読了。感性と技術を両立しえた建築は、ただ感嘆する他ない芸術だった。無名の人に才能を見いだし、金銭など援助するパトロンは、社会が円熟して財力に余裕のある人々がたくさんいなければ生まれない文化と考えると、この時代のスペインはそれだけ豊かだったということになる。カタルーニャで起きた産業革命は、その契機だったし、各地に残る過去の遺物はある意味で刺激材だったろう。カサ・バトリョとグエル公園が好き。
読了日:1月2日 著者:丹下敏明


注:ファイルはKindleで読んだ本。

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