2017年07月01日
2017年6月の記録
Amazonの日替わりセールの、高野率がめっぽう高い。
面白いし、読みやすいのでついつい買ってしまう。
今年読んだ冊数がなんとキングを超えている。
まあ、高野さんにはがっぽり稼いで次の国へ取材に行ってもらわないと。
積読本92冊(うちKindle本19冊)。

6月の読書メーター
読んだ本の数:9
「働き方」の教科書:「無敵の50代」になるための仕事と人生の基本の感想
いつもながらの出口節。何冊も読んでいれば取り立てて目から鱗が落ちるようなこともないのだけれど、仕事がなんだかしっくりこない日のビタミン剤というか、参考になるアイデアにいくつか出会えるのである。時間感覚の緩い人に苛立つなら腕時計を捨てればいい。ダイバーシティのあるほうがかえって楽。モチベーションを維持するには3回褒めて1回叱る…。後半は日本のこれから。「折り返し地点」の50才にはまだ至らないが、私は日本を変えるような偉業は成さないと思う。今ある仕組みの中で、周りをより生き易くする仕事をしたい。
読了日:06月30日 著者:出口治明
異国トーキョー漂流記 (集英社文庫)の感想
今作も高野さん若かりし頃のお話。概ね日本にいるのに、なぜか高野さんの周りは外国人だらけである。語学習得のために自分から探す場合もあり、なまじっか他言語がわかるためについ関わる場合もある。うーん、受容体が普通の日本人とずれてるみたいだ。8つのお話。可笑しいエピソードも多いが、読後に残るのは哀感である。トーキョーって、侘しいんじゃないか。高野さんがお人よしに見えるということは、他の日本人が排他的で視野が狭くて優しくないってことだ。だから彼が頼られるのだろう。思い切り笑いたくて読んだのに、切なくなってしまった。
読了日:06月24日 著者:高野 秀行
予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)の感想
人間の脳は不合理にできている。合理的でないから面白いと客観ぶって言うことはできるが、ここに示される不合理さは勘違いや錯覚とは桁違いに別次元で、書ききれない程多々あるのだ。私たちの脳には確実にバイアスがかかっており、生活のあらゆる場面でその影響を観測することができる。このバイアスは何の為に存在するのだろう。言えるのは、物の所有や経済に価値をおき、社会の仕組みが抽象的になる程、バイアスは強くなるように見えるということだ。自分のバイアスを上手く感知して修正することも、経済で回るこの世界では難しそうだな。再読要。
読了日:06月19日 著者:ダン アリエリー
NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版の感想
漢方薬それぞれの組成や効能を説明する章と、症状から的確な漢方薬を探す章が同じくらい重きを置かれているので、両引きで使える。漢方の説明や病気の捉え方も記されており、漢方の入門書のように読んだ。情報が適量で、一般家庭の常備にちょうど良さそうだ。漢方薬は空腹時に温かくして飲むのが基本。人のイラストにほっこりする。
読了日:06月18日 著者:
旅のラゴス (新潮文庫)の感想
ラゴスは旅をする。格好の良い女たちに別れを告げつつ目的を果たす物語は、面白くも、淡々として感慨を呼ばない。だからこそ思う。もういいんだ、と思えるようになるのは幾つからだろう。いつからか、熱中したことをも些事と思えるようになり、手放せるようになった。そして、若い頃の周りの見えない程の情熱とは違う、中年に差しかかっての使命感はなぜ生まれるのだろう。想定される人生の半分がたを生き、世の中の仕組みがわかり始めた今読むからわかる面白さが、この物語にはある。『旅の目的はなんであってもよかったのかもしれない』。
読了日:06月17日 著者:筒井 康隆
西洋医が教える、本当は速効で治る漢方 (SB新書)の感想
風邪で近所の内科へ行くと、西洋薬と併用で漢方薬を処方された。最近は普通に漢方薬を処方するのかと意外に思ったが、まだまだ主流ではないようだ。炎症を抑えること、体の免疫力を高めること、体内水分を調整すること。漢方薬の効く仕組は解明されていないが、効能ははっきりしつつある。由来の長さと、素材の自然っぽさ、ドラッグストアでも市販される手軽さで、俄然興味が湧いた。もっと知って、進んで利用することにする。漢方薬を飲むタイミングは起床直後、午後3時、就寝前が無理がない。それから、五苓散は我が家に常備しよう。
読了日:06月13日 著者:井齋 偉矢
劇場の感想
ああ、「火花」と同じだ、と思えてほっとした。又吉という人が愚直なまでに表れていることにだ。読者は若者であれ中高年であれ、それらの表出のどこかしらに身につまされる思いをすることだろう。私は芸人でも舞台人でもないけれど、自分が上手く振舞えずしくじったときの、いたたまれなさ。受け入れられていないと感じたときの、いたたまれなさ。私の人生のそこここにあるいたたまれなさを追体験してひりひりした。又吉が無防備だからこそ、こちらも無防備に心を明け渡すのだろう。思いが溢れるときにだけ聞ける彼の饒舌さが読ませる。愛おしい。
読了日:06月08日 著者:又吉 直樹
申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。の感想
コンサルは胡散臭い、だけで終わらない本。コンサルや流行りの理論を自力で判断する役に立つ。結果的に、経営理論や方法論の丸ごと自社投入には百害あって一利もない。システムが人間の判断力を失わせるように設計され、また経営者や社員が自分で判断することをやめてしまうからだ。少なくとも私の会社の規模には必要ない。結局は人間的で風通しの良い社内環境を整えることに尽きると理解した。社員研修も本人に意欲がなければ意味がない。それより『社員の向上に資することは何でもビジネスの向上につながる』という考え方でできることを探そう。
読了日:06月07日 著者:カレン・フェラン
怪しいシンドバッド (集英社文庫)の感想
風邪で寝込んだ日に布団の中で。高野さんの若い頃の旅のエピソードを集めたもので、著書の中でも、よりヤバい話がてんこ盛りである。ご自身は若気の至りと言い、社会的意味がほとんどないと断じる。政治的にも倫理的にも、純朴な子供には読ませられないと思いつつ、夜更けに黙々と読んでいると、「世界の本当」ってなんだろう。と呆然としてしまう。こういう無謀な旅の積み重ねによる世界観が高野さんの素地となり、現在の名作を生んでいるのだから、やっぱりこの本も凄いのだ。
読了日:06月05日 著者:高野 秀行
注:
はKindleで読んだ本。
面白いし、読みやすいのでついつい買ってしまう。
今年読んだ冊数がなんとキングを超えている。
まあ、高野さんにはがっぽり稼いで次の国へ取材に行ってもらわないと。
積読本92冊(うちKindle本19冊)。

6月の読書メーター
読んだ本の数:9

いつもながらの出口節。何冊も読んでいれば取り立てて目から鱗が落ちるようなこともないのだけれど、仕事がなんだかしっくりこない日のビタミン剤というか、参考になるアイデアにいくつか出会えるのである。時間感覚の緩い人に苛立つなら腕時計を捨てればいい。ダイバーシティのあるほうがかえって楽。モチベーションを維持するには3回褒めて1回叱る…。後半は日本のこれから。「折り返し地点」の50才にはまだ至らないが、私は日本を変えるような偉業は成さないと思う。今ある仕組みの中で、周りをより生き易くする仕事をしたい。
読了日:06月30日 著者:出口治明


今作も高野さん若かりし頃のお話。概ね日本にいるのに、なぜか高野さんの周りは外国人だらけである。語学習得のために自分から探す場合もあり、なまじっか他言語がわかるためについ関わる場合もある。うーん、受容体が普通の日本人とずれてるみたいだ。8つのお話。可笑しいエピソードも多いが、読後に残るのは哀感である。トーキョーって、侘しいんじゃないか。高野さんがお人よしに見えるということは、他の日本人が排他的で視野が狭くて優しくないってことだ。だから彼が頼られるのだろう。思い切り笑いたくて読んだのに、切なくなってしまった。
読了日:06月24日 著者:高野 秀行


人間の脳は不合理にできている。合理的でないから面白いと客観ぶって言うことはできるが、ここに示される不合理さは勘違いや錯覚とは桁違いに別次元で、書ききれない程多々あるのだ。私たちの脳には確実にバイアスがかかっており、生活のあらゆる場面でその影響を観測することができる。このバイアスは何の為に存在するのだろう。言えるのは、物の所有や経済に価値をおき、社会の仕組みが抽象的になる程、バイアスは強くなるように見えるということだ。自分のバイアスを上手く感知して修正することも、経済で回るこの世界では難しそうだな。再読要。
読了日:06月19日 著者:ダン アリエリー


漢方薬それぞれの組成や効能を説明する章と、症状から的確な漢方薬を探す章が同じくらい重きを置かれているので、両引きで使える。漢方の説明や病気の捉え方も記されており、漢方の入門書のように読んだ。情報が適量で、一般家庭の常備にちょうど良さそうだ。漢方薬は空腹時に温かくして飲むのが基本。人のイラストにほっこりする。
読了日:06月18日 著者:

ラゴスは旅をする。格好の良い女たちに別れを告げつつ目的を果たす物語は、面白くも、淡々として感慨を呼ばない。だからこそ思う。もういいんだ、と思えるようになるのは幾つからだろう。いつからか、熱中したことをも些事と思えるようになり、手放せるようになった。そして、若い頃の周りの見えない程の情熱とは違う、中年に差しかかっての使命感はなぜ生まれるのだろう。想定される人生の半分がたを生き、世の中の仕組みがわかり始めた今読むからわかる面白さが、この物語にはある。『旅の目的はなんであってもよかったのかもしれない』。
読了日:06月17日 著者:筒井 康隆

風邪で近所の内科へ行くと、西洋薬と併用で漢方薬を処方された。最近は普通に漢方薬を処方するのかと意外に思ったが、まだまだ主流ではないようだ。炎症を抑えること、体の免疫力を高めること、体内水分を調整すること。漢方薬の効く仕組は解明されていないが、効能ははっきりしつつある。由来の長さと、素材の自然っぽさ、ドラッグストアでも市販される手軽さで、俄然興味が湧いた。もっと知って、進んで利用することにする。漢方薬を飲むタイミングは起床直後、午後3時、就寝前が無理がない。それから、五苓散は我が家に常備しよう。
読了日:06月13日 著者:井齋 偉矢


ああ、「火花」と同じだ、と思えてほっとした。又吉という人が愚直なまでに表れていることにだ。読者は若者であれ中高年であれ、それらの表出のどこかしらに身につまされる思いをすることだろう。私は芸人でも舞台人でもないけれど、自分が上手く振舞えずしくじったときの、いたたまれなさ。受け入れられていないと感じたときの、いたたまれなさ。私の人生のそこここにあるいたたまれなさを追体験してひりひりした。又吉が無防備だからこそ、こちらも無防備に心を明け渡すのだろう。思いが溢れるときにだけ聞ける彼の饒舌さが読ませる。愛おしい。
読了日:06月08日 著者:又吉 直樹

コンサルは胡散臭い、だけで終わらない本。コンサルや流行りの理論を自力で判断する役に立つ。結果的に、経営理論や方法論の丸ごと自社投入には百害あって一利もない。システムが人間の判断力を失わせるように設計され、また経営者や社員が自分で判断することをやめてしまうからだ。少なくとも私の会社の規模には必要ない。結局は人間的で風通しの良い社内環境を整えることに尽きると理解した。社員研修も本人に意欲がなければ意味がない。それより『社員の向上に資することは何でもビジネスの向上につながる』という考え方でできることを探そう。
読了日:06月07日 著者:カレン・フェラン


風邪で寝込んだ日に布団の中で。高野さんの若い頃の旅のエピソードを集めたもので、著書の中でも、よりヤバい話がてんこ盛りである。ご自身は若気の至りと言い、社会的意味がほとんどないと断じる。政治的にも倫理的にも、純朴な子供には読ませられないと思いつつ、夜更けに黙々と読んでいると、「世界の本当」ってなんだろう。と呆然としてしまう。こういう無謀な旅の積み重ねによる世界観が高野さんの素地となり、現在の名作を生んでいるのだから、やっぱりこの本も凄いのだ。
読了日:06月05日 著者:高野 秀行

注:

Posted by nekoneko at 13:26│Comments(0)
│読書