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2017年08月01日

2017年7月の記録

夫が試験勉強を始めたのをいいことに、夜はのんびり本を読んでいる。
冷房の効いた部屋で、おやつと飲みものも完備でまさに天国。
調子に乗るなよ、自分。

積読本89冊(うちKindle本17冊)。

ブック

7月の読書メーター
読んだ本の数:12
幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))感想
何と皮肉な物語か。人類と地球の、ひとつの末期。人類はいつか終わる。だが人類の未来の儚さを、ひとりの人類である私は見たくないらしい。人類そのものが、一見傲慢に見えてその実ちっぽけな存在であることを知ってはいるのに。均質化された人類の、なんとひ弱っちいものだろうとぞっとした。もしもオーバーロードが干渉しなければ、大きな意思に反して人類は魂の滅亡から逃れることができたのではないだろうかと考えずにいられない。今流行りの「多様性」。実際のところ、人類が“散らばって”いることは、リスクの回避行動に違いない。
読了日:07月29日 著者:アーサー・C・クラーク ファイル

月刊 秘伝 2017年 08月号月刊 秘伝 2017年 08月号感想
太極拳の特集。楊家から呉家、武家、孫家、また陳家の系譜概略を把握する。何に重きを置くかで、動きの意味付け、ひいては動き自体が全く異なると解る。楊家と陳家の違いの要諦を知りたい。他の記事も太極拳ではあるのだが、私が解釈しようとしている方向と違うとまた惑うタネなので、ざっとで終了。いちばん私が心躍らせたのは韓氏意拳の教練紹介記事だ。こんな連載が始まっていたとは早く知りたかった。今は太極拳を追求しているけれど、韓氏意拳の思想は私の武術観、身体観の基に欠かせない。いずれ戻る。
読了日:07月23日 著者:

未来国家ブータン (集英社文庫)未来国家ブータン (集英社文庫)感想
噂に名高い“みらぶー”、ようやく。読み終えてブータンという国家のことを思うとき、色々のことがない交ぜになった気持ちになる。古き良き。失うには惜しい。純粋な。穏やかな先進性。手の届かない。自由な不自由。どの要素をとっても、欧米を範とし、経済発展を第一に掲げた日本はもう、そのようには生きていけない。そしてこれからの施策次第で、ブータンから失われるように思われて仕方のないものたち。国民が少なく、また地形の厳しいゆえに、国王の英断が行き届きやすいことはブータンの強みだ。どうか国王、ブータンを守り続けてください。
読了日:07月21日 著者:高野 秀行 ファイル

太陽のパスタ、豆のスープ (集英社文庫)太陽のパスタ、豆のスープ (集英社文庫)感想
あすわはA型だと思う。なぁんにもわかっていない癖にうじうじして人と引き比べて、腹が立つったら。優しく見守れる人たちって、愛だなぁ。作家がひとつの成長物語を書こうとするとき、遥か通り過ぎてしまったあの時期をこんなふうに創作できるのは、これが著者の通った道であり、娘たちも通る道だからだ。思い出せない程の色々を体現して、私も今ここにいる。なにも無駄にはならないという応援歌なんだな。『後から思えばあれが豆だった』は大なり小なり、歳と共に鍋の中の豆くらいいっぱい溜まってくるもので、時間が経ってしみてくるんだね。
読了日:07月18日 著者:宮下 奈都

ダーク・タワー〈5〉カーラの狼〈下〉 (新潮文庫)ダーク・タワー〈5〉カーラの狼〈下〉 (新潮文庫)感想
『アンディだよ。あんまりお気に召さない星占いの結果が出たみたいだ』。この巻の主役はユーモアを快調に炸裂させるエディか、容赦なく大人にさせられていくジェイクか。カーラの地の佳境に、いろんなことが同時進行して俄然スピードアップ、目が廻る。しかし最後の最後にキャラハンを最大の試練が襲い、読む者をも混乱に陥れる。これはどういう意味を持つのだろう? ちょっとキング、反則ちゃう? ハリー・ポッター・モデルもさ…。次巻もキャラハンが同行するようだ。
読了日:07月17日 著者:スティーヴン キング

僕に生きる力をくれた犬: 青年刑務所ドッグ・プログラムの3ヵ月僕に生きる力をくれた犬: 青年刑務所ドッグ・プログラムの3ヵ月感想
オレゴン州の青年刑務所。NPO法人プロジェクト・プーチは20年近くドッグプログラムを続けている。囚人に1頭の保護犬を与え、譲渡できる状態まで訓練させるものだ。庇護。忍耐。責任。犬の純粋な信頼が彼らを成長させていく。だが再犯率ゼロの実績はそれに留まらない。釈放されても元犯罪者のレッテルは残る。犬を扱うスキルと共に得た、犬を家庭に送り出した自信と希望が彼らの助けになるのだ。『自分が変わりたいだけじゃなく、人のために何かしたいと思わせるもの』。読み終えて表紙を眺めると、ジェフとジギーの表情に胸がキュッとする。
読了日:07月15日 著者:NHK BS「プリズン・ドッグ」取材班 ファイル

職場の問題地図 ~「で、どこから変える?」残業だらけ・休めない働き方職場の問題地図 ~「で、どこから変える?」残業だらけ・休めない働き方感想
表紙裏に綴じ込まれた「全体マップ」に惚れる。そうそう、あるある、と肯くことしきり、喫緊の問題として感じている人にはすっと受け入れられるだろう。どちらかといえば経営者よりは新人~中堅従業員、中間管理職向けか。個人の創意工夫に依って解決するものもあれば、全体の仕組みや会社固有の雰囲気に依る問題もあり、それらはマップにあるように複雑に絡み合っている。自分にできることを皆が考え、小さく実行するのだ。私の課題は想像力をフル回転させて、聞けるときに聞く、言えるときに言うこと。くだけた文体やイラストで読みやすい。良い。
読了日:07月14日 著者:沢渡 あまね

夜の写本師 (創元推理文庫)夜の写本師 (創元推理文庫)感想
予想外のボリュームを持ったファンタジー。血なまぐさいこの流転がどこまで遡るのかと、またどうやって止めるのかと、久しぶりに読むことを中断しがたい小説だった。ただ、魔道師が呪文を正確に唱えなければならないのと同様、ファンタジーは言葉や比喩を正しく選ばなければならない。言葉が比喩にも文字どおりにも取れる場合があり、また言葉の不正確さが読む者の想像を阻害するからだ。私はどうしてもそこが気持ち悪いので、面白そうだが、以降シリーズは読まない。
読了日:07月10日 著者:乾石 智子 ファイル

木曜日だった男 一つの悪夢 (光文社古典新訳文庫)木曜日だった男 一つの悪夢 (光文社古典新訳文庫)感想
前知識なく読み始めると、抒情詩的な冒頭や、色彩溢れて幻想的な町の様子に戸惑う。庭先での詩人ふたりのやりとりに読むのをやめようかと迷うもつかの間、そんなものは前置きと言わんばかりの冒険劇に突入する。それは物語としても充分に面白いものだけれども、終盤には欧米の思想基盤を持たない私にも、著者が追い回したものが見えてくるのだ。『お前が最初から僕らの父親であり味方だったのなら、どうして僕らの敵でもあったんだ? 僕らは泣いた。怯えて戦った』。この邦訳タイトルは秀逸。
読了日:07月07日 著者:チェスタトン ファイル

荒天の武学 (集英社新書)荒天の武学 (集英社新書)感想
新しい教室へ移って1年の節目が見え、途方もなく惑って再読。光岡さんの経験と内田先生の知見に基づいた対談には、忘れているものも多い一方で新しい箇所に目が留まることもある、気づきの宝庫だ。武術においては身体で身体を見ないといけない。気持ちを開放して、伸びやかに。自分自身の全体のつながりを、自分の身体の生きようとする働きを、静かな気持ちで、透明な感覚で、自分の内側を観察し、外側を感知する。大丈夫、私の身体は頭がいい。指導されたことを忘れたってOK。言葉は身体に残らないというだけ。だから、身体を否認しないこと。
読了日:07月05日 著者:内田 樹,光岡 英稔

子供の「脳」は肌にある (光文社新書)子供の「脳」は肌にある (光文社新書)感想
心理学寄り、育児・発達面に主眼を置いている。肌は心理的にも内外の境界であり、幼少期のスキンシップは子供の心、ひいては人生通じての健全性を育てる。スキンシップ、つまり他人に触れる行為が生物としての人間の成熟に不可欠である点に疑問の余地はなさそうだ。ならば、触れかたを知っていると同様に放れかたも無意識的に知っていると推測できる。日本人の古来の習慣にはスキンシップがうまく取り入れられていたが、西洋化に伴い捨てた経緯がある。良いものは取り戻したい。スキンシップを肯定する余り、論理の飛躍と取れる部分は残念。
読了日:07月03日 著者:山口 創 ファイル

スタンフォード式 最高の睡眠スタンフォード式 最高の睡眠感想
夫から拝借。夫が惹かれた理由を考えつつ読む。睡眠は寝始めの90分が肝心と著者は説く。その90分の睡眠の質が良ければ睡眠は短くてよく、日中の効率も自ずと上がる。故にその質を如何に上げるかが本書の眼目であり、科学的知見が並ぶ。しかし、一般に流布している認識が裏打ちされているくらいでそう目を見張るものはない。レム睡眠とノンレム睡眠のように行きつ戻りつの論調に眠気を誘われつつ、なにやら具体的な対応策がピンと来ないのは当事者でないせいか。収穫があったか、夫に聞いてみよう。sheep,sheep,sheep...
読了日:07月02日 著者:西野精治


注:ファイルはKindleで読んだ本。

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