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2024年08月01日

2024年7月の記録

本を読むときの安楽な姿勢と明かりが、家の中にうまく保てていない。
だから、寝転がって読めるKindle本ばかり消化しているのだな。
愛用の安楽椅子は猫に取られてしまったので、困った。
腹ばいになって読むのは好きだが腰が辛いし…。

<今月のデータ>
購入8冊、購入費用7,440円。
読了9冊。
積読本324冊(うちKindle本152冊)。


ブック

あそび遍路: おとなの夏休み (講談社文庫 く 64-1)あそび遍路: おとなの夏休み (講談社文庫 く 64-1)感想
こんなお遍路のスタイルがあっていいんだ。遍路装束で歩き、美味しいものも食べて、寄り道もする。歩くことが要なのだ。まず外見が遍路になり、次に身体が遍路になり、最後に心が遍路になる。歩くことで体が自然と一体になる。そうすると、身体で感じ、身体で考えるようになるみたいだ。つまり、脳で理屈や都合をこねることを止め、意志的な防御、関門が消える。遍路は自然への回帰。自然は肯定。ああ、私も遍路に出たい。老境に至るまで会社に首根っこを掴まれた私の背にも、遍路の風はいつか吹くだろうか。おっとうちには猫がおった。叶わぬ夢か。
『お接待させていただいて宜しいですか』。お金にせよ食べものにせよ、そのものはささやかながら、真剣な『祈りの眼』で近隣の人々はお接待を申し出る。このお接待という文化は四国くまなくあるわけではない。むしろ、香川に住んでいてもたまにお遍路さんを見かけても、求められれば丁寧に道案内する程度で、著者の体験には驚くしかない。お接待もまた深い行為と知った。香川に入る頃、お遍路さんは涅槃の境地に至るという。寺のある町に引越したのだから、お接待の心には近づきたいものだ。
寄り道した金毘羅さんからの眺めに、著者は『空海の故郷は美しい癒しの平野』と言ってくださった。讃岐の野をそんなにも美しく表現してもらえてうれしい。一方、遍路道沿いにド派手なラブホテルがあることには著者も呆れている。恥を忍んで言えば、この町内には4つもラブホがあるのだ。寺の周囲の住宅は規制するくせに、なぜラブホは規制しないのか。四国八十八カ所を世界遺産にする動きを、私はあっていいと思う。しかし、ならば、遍路道の整備も無論、環境を歩き遍路に優しく、景観を美しく保全する方向に、政経含めて動くよう求める。
読了日:07月25日 著者:熊倉 伸宏 ファイル

往復書簡 限界から始まる往復書簡 限界から始まる感想
女性活躍推進とやらで無理やり担ぎ出されようとしている当事者として、防具あるいは武器がほしかった。『悪しき企業文化の、男女不均衡社会の、男の視線を内在化した、女性活躍のスローガンに踊らされた、窮屈な服と靴を押しつけられた、ある種の価値観に骨の髄まで毒された』社会的な個として、どう立ち回ればよいのか。これはいわゆるガラスの崖だ。わかったのは、「構造」の暴力のもとではいずれにせよ女性が傷を負うしかないこと。「自己決定」は、罠だ。物わかりの良いふりはやめて、わきまえずに、生き延びる術を見極める身構えを保つ。
ふたりの女性が、置かれた環境や芽生えた感情に基づいて自覚的非自覚的に選んできた道。女と男、娘と母、女と女、個人と社会などの関係性を絡めて交わす往復書簡である。こんな個人的なことがらを公開して恐ろしくないのかとこちらが危惧するほど、事細かに自身の内面を吐露する文章が双方に現れる。それは結果的に自分にかけた呪いを解く作業でもあったのだろう。現代を生きる女性として、社会変革と個人の幸福追求のバランスを取ることは難しい。しかし真っ当に生きてきたなら、その時ちゃんと選べるはずだと信じることにする。
『年齢を重ねるにつれて、わたしは精神も身体も、壊れものだと感じるようになりました。(中略)打たれたら傷むし、傷つきます。そして度を越せば、壊れます。壊れものは壊れものとして扱う。自分にも、他人にも、それが必要だとわかるようになるまで時間がかかりました。愚かなことでした。』上野先生の述懐が重い。
読了日:07月17日 著者:上野 千鶴子,鈴木 涼美 ファイル

季刊地域 夏号(58号) 2024年 08 月号 [雑誌]: 現代農業 増刊季刊地域 夏号(58号) 2024年 08 月号 [雑誌]: 現代農業 増刊感想
特集は「動物と一緒に農業」。出てくるのはヤギ、ヒツジ、ウシ、ウマ、ブタ、ニワトリ、ガチョウ、アイガモ、タカ、ネコ、イヌなど。動物と一緒にいたい。という発想と、動物になにかをしてもらおう。という発想があるようだ。それぞれに事情やスタイルが違い、どれも個性的。ただ除草にせよ耕うんにせよ、個人でできることではない。動物を扱う側と、農地を持つ側が話し合い、ある程度まとまった地域で少しずつやりかたを固めてゆく。アーリーマジョリティーとしては近所の動向を見張っておきたい。『地域の資源を循環の仕組みで活用すること』。
『飼料を自給するよさは、輸入飼料の価格に影響されないこと。それは同時に、エサ代を海外にだだ漏れさせないことでもある。「自給するか輸入するかの違いって、労賃をどこへ払うかってことでしょ。集落の中に草刈り・草集めの労賃を払うぶんにはいい。雇用を生んでいるから」』。
読了日:07月15日 著者:

コンビニオーナーぎりぎり日記 (汗と涙のドキュメント日記シリーズ)コンビニオーナーぎりぎり日記 (汗と涙のドキュメント日記シリーズ)感想
もともと酒屋など営んでいた訳ではなく、コンビニ黎明期にオーナーになる道を選んだご夫婦の記録。私はダブルワークでMストップの早朝バイトをしていた頃があって、オーナーの人柄は良くなく、コンビニバイト、特に深夜枠は社会の底辺と結論していた。その記憶から、この著者はコンビニ経営には不似合いなほど良い人だと感じた。だからこそコンビニを憎んで当然だし、本部に無断でこの本を書き、いつ辞めてもいいのだと啖呵を切る著者にやるせない感覚を抱いた。いい人に出会おうと、いいこともあろうと、悪い意味でも『コンビニは社会の縮図』。 
私が勤めていた頃より取扱商品も支払方法も桁違いに増えて、今のスタッフは大変だと思う。キャッシュレスや払込については最近はスキャンしたらレジが教えてくれるとあってほっとした。でも、いくら省力化無人化が進んでも、AIは棚に溜まる虫の掃除やトイレ掃除、入荷し続ける商品の補充はしてくれない。コンビニ大量出店時代、24時間営業時代は間もなく終わると思っている。そうすると食品の期限管理はもっとシビアになり、、、どうするんだろね。
コンビニのなにが嫌といって、弁当や総菜の廃棄だ。販売の機会ロスを嫌って多量に捨てるシステムになっている。そのことを著者もわかっていながら、本部の指示でどうしようもないとあれば、慣れる。ファミマは廃棄を身内で処分してもよいようで、夫婦二人ともコンビニ経営に携わっていれば当然、食事は廃棄で済ませることが多くなる。どころか、ほとんどだという。そしてどうせ捨てるのだからと、廃棄の中からほしいものだけつまみ出して食べさしを捨てるくだりに、もっとも嫌悪感を催した。
読了日:07月14日 著者:仁科 充乃 ファイル

あじさいあじさい感想
紫陽花の季節に…と書いてみたくて。女と男の、経緯のはっきりしない意味深なことばのやりとり。7年前になにがあったのか、ことばよりむしろ素振りのほうが能弁であるようなひととき。湿度高く迷う男女のいる部屋に陽が差して、しかし結論は出ないのだ。ほんの数ページの短編を行きつ戻りつしながら、子供の年頃に目を留める。おそらく関係があるのだろうけれど、ほなどうしたいんな、と私は遺影を問い詰めたい。それにしても庭に植えるものならなんでもよさそうなものなのに、どうして紫陽花でなければならなかったのでしょうね。
読了日:07月11日 著者:佐藤 春夫 ファイル

不確かな医学 (TEDブックス)不確かな医学 (TEDブックス)感想
「病の皇帝「がん」に挑む」の著者、ムカジー氏のTEDトークを基にした一篇。医学は、未だ完成されたものではない。医者は過去の知識に得られた知識を重ねて産みだしたモデルに沿って患者に向き合うことの繰り返しなのだ。検査からして正確で一貫性のある検査は無いという前提のもと、原因特定も投薬も正しくない可能性がある中で、自信ある態度でこれまた言動にムラのある個々の患者に処し続けるのは、思えばとんでもなくメンタルに負荷のかかる職業だ。そういうことを理解したうえで医者にかかるようにしたい…ってだいぶ嫌な患者だな。
『医学の最前線で行なわれてきた数えきれないほどの研究が示しているのは、人間の意思決定、特に不確かさ、不正確さ、情報の不完全さに直面したときの意思決定が、医学の未来にとって決定的な役割を担い続けるということです。近道はありません』。
読了日:07月10日 著者:シッダールタ・ムカジー ファイル

あなたの体は9割が細菌: 微生物の生態系が崩れはじめた (河出文庫 ア 11-1)あなたの体は9割が細菌: 微生物の生態系が崩れはじめた (河出文庫 ア 11-1)感想
人間には腸だけで100兆個の微生物がおり、その他体内体表至る所に共生している。かつて抗生物質の発見によって人間は各種感染症を克服した。しかし引き換えに共生しているマイクロバイオータの均衡を崩し、種々の慢性疾患が生まれたとの主旨だ。抗生物質投与後、すぐさま体内の微生物の組成は多様性を失い、何年も元には戻らない。一方、食事や治療で摂取すればこれまた迅速に組成比バランスが変化することが確認されている。納豆食べたいのも、彼らが欲しがってるんかなあ。よし、なんでも言うこと聴いちゃるぞ。お互いあっての健康だ。
『共生微生物のアンバランスが胃腸疾患、アレルギー、自己免疫疾患、さらには肥満を引き起こしているという科学的証拠が続々と出てきていることを私は知った。体の病気だけではない。不安症、うつ病、強迫性障害、自閉症といった心の病気にも微生物が影響している』。
『女性のほうが免疫系の働きが強いことはみなさんもご存じだろう。ところが、免疫系が関与する慢性病に関しては免疫系の強さが裏目に出る。男性がただの風邪をしょっちゅう引いている一方で、女性は自らの免疫系がもたらす慢性病と闘っている。  自己免疫疾患には幅広い種類があるが、一部を除いてほとんどの病気は男性より女性に多く現れる。アレルギーは、小児期においては女児より男児に多く出るが、思春期以降は女性が多くなる。腸疾患も女性のほうが多い。炎症性腸疾患ではやや多い程度だが、過敏性腸症候群だと二倍の開きが出る』。
姪からなにか感染ったらしく、喉の不調が続いた。咳のひどさにたまりかねて医者へ行くと細菌感染と診断され、抗生物質を処方され、飲む。という一連をほぼ毎年続けている。ということは、侵入した細菌を自力で排除できていないのであり、体内は長期的に常に抗生物質によるマイクロバイオータの乱れ下にあることになる。抗生物質は、重篤な症状を治療するために人間に大事な発明品だ。同時に人間が持っている体内微生物との共生バランスを崩す物質でもある。そのリスクの天秤は、難しい。研究の進展を待つ。次の人間ドックは腸内細菌の検査も受ける。
出産と母体にまつわる研究結果は衝撃的だ。胎内で無菌状態にあった胎児は、産道を通るときに母親の腸内細菌に触れ、受け取るようにできている。そして母乳にも細菌は含まれており、これも乳児の腸内マイクロバイオータ形成の基盤となる。過度な殺菌は乳児に不利益に働く。また母乳に含まれるオリゴ糖は乳児自身の栄養素ではなく、それら腸内細菌の栄養素である可能性があるという。動物の食糞行動についての考察も興味深い。異状行動ではなく、その糞に含まれる微生物を本能的に取り込もうとしている可能性がある。世界はワンダーだらけだ。
読了日:07月09日 著者:アランナ・コリン ファイル

謎解きはビリヤニとともに (ハヤカワ・ミステリ文庫 HMチ 6-1)謎解きはビリヤニとともに (ハヤカワ・ミステリ文庫 HMチ 6-1)感想
イギリスには宗主国だった時代の名残でインド人移民が多い。さらにロンドンのブリック・レーンはベンガル系移民が多いという。正統派ミステリ、過去のコルカタの事件と現在進行形のロンドンの事件が交互に進む構成である。初っ端から酔い潰れている移民の娘アンジョリなど、インドとイギリスの、人間関係のありかたや社会システム、常識の違いをうまく利用しているあたりが野心的だ。だからこそモスクで祈った主人公の最後の決断には引っかかる。愛と思いやり。法より家族。全土に渦巻く贈収賄の論理。果たして何が優先されるべきかわからなくなる。
読了日:07月08日 著者:アジェイ・チョウドゥリー ファイル


注:ファイルは電子書籍で読んだ本。


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