2012年10月01日
2012年9月の読書
もういやだ! 読みたいったら読みたいんだ!
と本の虫が駄々をこねたので、我慢せずに睡眠時間を削って読みました。
生活リズムが崩れかけた今、それでもまだ虫さんが収まらない…。
暑さも退き、「読書したくなる秋」ですね。
積読70冊、読みたい本242冊。

2012年9月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3558ページ
ナイス数:101ナイス
高慢と偏見とゾンビ(二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)の感想
物語の流れの8割を原作どおり残しつつゾンビを投入した怪作。オースティン小説の最大の魅力であった人物観察眼が色褪せ、誤解だらけのアジア趣味と下ネタも相まってグロテスクな笑いが意図されている。シャーロットのくだりとウィカムの顛末は思わず吹き出したが、やはり原作の世界が懐かしい。原作を読んだことがなく、読むつもりの方には絶対にお勧めしない。
読了日:9月30日 著者:ジェイン・オースティン,セス・グレアム=スミス
つながらない生活 ― 「ネット世間」との距離のとり方の感想
デジタル製品による便利さに振り回されることで失うのは生活や精神活動の奥深さである。脱け出す方法は自分で見つけるしかない。以上。同じことをぐるぐる述べているので、早々に飽きてしまった。
読了日:9月23日 著者:ウィリアム・パワーズ
マンガでわかるエネルギーのしくみの感想
化石燃料による発電、自然エネルギーによる発電の概略から、自然エネルギー社会への移行について。基本見開き2ページのワントピック形式、マンガは全体の1/5程度。一般向けにしては専門用語の紹介、軽い解説も盛り込まれている。
読了日:9月21日 著者:飯田哲也
目くらましの道 下 (創元推理文庫)の感想
端々にスウェーデンの美しい風景が織り込まれる。その中に立ってみたいと思わせる。スウェーデンは大きい。自然が美しい。世界でも最も安全。それでも完全じゃない。グロテスクな事件は止まることなく、悲惨な全容をあらわにした。ヴァランダーは感じ、行動し、苦悩する刑事だ。シリーズは最初から読まないと。
読了日:9月20日 著者:ヘニング・マンケル
45分でわかる! どうする、日本の電気とエネルギー?の感想
わかりやすく、プロパガンダ的偏りがない。私たち日本人は経済産業省の原子力発電推進姿勢のもと、原子力やその他の発電エネルギーについて無知なままきてしまった。日本はエネルギー政策においてもガラパゴス的閉鎖国であることがわかる。火力発電から一挙に原子力発電へ舵を切ったことで、その他の再生可能エネルギーによる発電の開発に大差の遅れをとっている。概略を理解するためのガイド。
読了日:9月20日 著者:小林 義行
目くらましの道 上 (創元推理文庫)の感想
このミスで知った作家。スウェーデンの作家は2人目なので、名前の語感には慣れた。この作家でも思うのは、女性が意識されていること。優秀な女性プロフェッショナル人物が多い。そして少なくとも著者とおおかたの主要人物に認められ尊重されている。それでもやはり社会の歪みは存在していて、物語の骨になっている。
読了日:9月18日 著者:ヘニング・マンケル
アライバルの感想
妻と娘を置いて見知らぬ国へ旅立つ。そこは風変わりな国で、文章がなくとも、世界中の誰にとっても異国。言葉もわからないらしく、男は途方にくれながら生きる道をみつけていく。絵のタッチが表情豊かで、時間の経過もよく表現されていてとてもいい。立ち読みで最後まで読んでしまったけれど、もう一度ゆっくり読み返したい。
読了日:9月17日 著者:ショーン・タン
生きのびるからだの感想
折り合いをつける。自分と。からだと。他人と。年齢と。からだの重心移動と合わせるようにゆっくり1歩ずつ進む山登りが、そのまま人生のようだ。「なによりも正直なのは無言で生きのびるからだなのだ」。自然に生きることの、最もシンプルな哲学が心地よく、「からだのままに」と対にして大切にしたいエッセイ。ひとり自分と向き合いながら静かに読むのがお勧めです。
読了日:9月17日 著者:南木 佳士
証言 細野豪志 「原発危機500日」の真実に鳥越俊太郎が迫るの感想
3.11後の福島原発事故対応経緯、そして今ある原発の、今後の管理体制づくり、福島の復興についてのインタビューである。正直、細野さんの話される原発管理体制が妥当なものであるか判断できない。しかし推進し続けた経済産業省ではなく、環境を守る側の環境省の、権限を持った外部組織にと推し進めた意味はわかるように思う。第3部、今後の日本の原子力との向き合い方の辺りは為になった。3.11以来原子力のことを調べ考えてこられた政治家の視点は信頼してよいのではないか。ずいぶんとお顔が変わられた。よい本でした。読んでよかった。
読了日:9月14日 著者:細野 豪志,鳥越 俊太郎
ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)の感想
今回求める命題は「完全な人類の姿」。真白い表紙が世界の統制(淡)/非統制(濃)の色彩を際立たせて良い。ありえなくもないと思わせる世界の姿が本来抱えている違和感、嫌悪感を増幅する。他律される極端な健康社会。本当の未来がどのようなものであっても、技術やことばを駆使して、常識や規範の名目で、自分たちで自分たちを縛りあげる未来ではあるような気がして息苦しくなる。そしてそこにある人物の思考は、間違いなく現在でもある。人物たちは結論に至る。完全な人類になるためにいちばん邪魔なものは。このアンチテーゼは、考える端緒。
読了日:9月8日 著者:伊藤 計劃
第四の消費 つながりを生み出す社会へ (朝日新書)の感想
読みにくい。だろうだろうのオンパレードなのである。だろうの上にだろうが積まれている。ふと、半分を過ぎたあたりで気づいた。学術書を読むようにひとつひとつの記述の蓋然性を疑ってはいけないのだ。なぜならこれはビジネス書で、仮説を立てて時代の求める流行を推測し、先取りして利に繋げる商売本なのだ。その意味ではこれは良書である。その道の人たちには刺激的な文章であろう。私には時代の流れの解説書であり、なるほど、に留めておく。こういう見方をすれば個は統合された個人でなくなるのは当然である。
読了日:9月5日 著者:三浦 展
植物図鑑の感想
これはもういっそおとぎ話である。蓋をしてある乙女心をこれほどくすぐるとは見事。いや、恋は女を育てるね。こんな男落ちてないかしら。と思うまでもなく、落ちているはずがない!!と断言できる。今晩の夕飯、ピーマンの胡麻和えは決定。
読了日:9月2日 著者:有川 浩
と本の虫が駄々をこねたので、我慢せずに睡眠時間を削って読みました。
生活リズムが崩れかけた今、それでもまだ虫さんが収まらない…。
暑さも退き、「読書したくなる秋」ですね。
積読70冊、読みたい本242冊。

2012年9月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:3558ページ
ナイス数:101ナイス

物語の流れの8割を原作どおり残しつつゾンビを投入した怪作。オースティン小説の最大の魅力であった人物観察眼が色褪せ、誤解だらけのアジア趣味と下ネタも相まってグロテスクな笑いが意図されている。シャーロットのくだりとウィカムの顛末は思わず吹き出したが、やはり原作の世界が懐かしい。原作を読んだことがなく、読むつもりの方には絶対にお勧めしない。
読了日:9月30日 著者:ジェイン・オースティン,セス・グレアム=スミス

デジタル製品による便利さに振り回されることで失うのは生活や精神活動の奥深さである。脱け出す方法は自分で見つけるしかない。以上。同じことをぐるぐる述べているので、早々に飽きてしまった。
読了日:9月23日 著者:ウィリアム・パワーズ

化石燃料による発電、自然エネルギーによる発電の概略から、自然エネルギー社会への移行について。基本見開き2ページのワントピック形式、マンガは全体の1/5程度。一般向けにしては専門用語の紹介、軽い解説も盛り込まれている。
読了日:9月21日 著者:飯田哲也

端々にスウェーデンの美しい風景が織り込まれる。その中に立ってみたいと思わせる。スウェーデンは大きい。自然が美しい。世界でも最も安全。それでも完全じゃない。グロテスクな事件は止まることなく、悲惨な全容をあらわにした。ヴァランダーは感じ、行動し、苦悩する刑事だ。シリーズは最初から読まないと。
読了日:9月20日 著者:ヘニング・マンケル
45分でわかる! どうする、日本の電気とエネルギー?の感想
わかりやすく、プロパガンダ的偏りがない。私たち日本人は経済産業省の原子力発電推進姿勢のもと、原子力やその他の発電エネルギーについて無知なままきてしまった。日本はエネルギー政策においてもガラパゴス的閉鎖国であることがわかる。火力発電から一挙に原子力発電へ舵を切ったことで、その他の再生可能エネルギーによる発電の開発に大差の遅れをとっている。概略を理解するためのガイド。
読了日:9月20日 著者:小林 義行

このミスで知った作家。スウェーデンの作家は2人目なので、名前の語感には慣れた。この作家でも思うのは、女性が意識されていること。優秀な女性プロフェッショナル人物が多い。そして少なくとも著者とおおかたの主要人物に認められ尊重されている。それでもやはり社会の歪みは存在していて、物語の骨になっている。
読了日:9月18日 著者:ヘニング・マンケル

妻と娘を置いて見知らぬ国へ旅立つ。そこは風変わりな国で、文章がなくとも、世界中の誰にとっても異国。言葉もわからないらしく、男は途方にくれながら生きる道をみつけていく。絵のタッチが表情豊かで、時間の経過もよく表現されていてとてもいい。立ち読みで最後まで読んでしまったけれど、もう一度ゆっくり読み返したい。
読了日:9月17日 著者:ショーン・タン

折り合いをつける。自分と。からだと。他人と。年齢と。からだの重心移動と合わせるようにゆっくり1歩ずつ進む山登りが、そのまま人生のようだ。「なによりも正直なのは無言で生きのびるからだなのだ」。自然に生きることの、最もシンプルな哲学が心地よく、「からだのままに」と対にして大切にしたいエッセイ。ひとり自分と向き合いながら静かに読むのがお勧めです。
読了日:9月17日 著者:南木 佳士

3.11後の福島原発事故対応経緯、そして今ある原発の、今後の管理体制づくり、福島の復興についてのインタビューである。正直、細野さんの話される原発管理体制が妥当なものであるか判断できない。しかし推進し続けた経済産業省ではなく、環境を守る側の環境省の、権限を持った外部組織にと推し進めた意味はわかるように思う。第3部、今後の日本の原子力との向き合い方の辺りは為になった。3.11以来原子力のことを調べ考えてこられた政治家の視点は信頼してよいのではないか。ずいぶんとお顔が変わられた。よい本でした。読んでよかった。
読了日:9月14日 著者:細野 豪志,鳥越 俊太郎

今回求める命題は「完全な人類の姿」。真白い表紙が世界の統制(淡)/非統制(濃)の色彩を際立たせて良い。ありえなくもないと思わせる世界の姿が本来抱えている違和感、嫌悪感を増幅する。他律される極端な健康社会。本当の未来がどのようなものであっても、技術やことばを駆使して、常識や規範の名目で、自分たちで自分たちを縛りあげる未来ではあるような気がして息苦しくなる。そしてそこにある人物の思考は、間違いなく現在でもある。人物たちは結論に至る。完全な人類になるためにいちばん邪魔なものは。このアンチテーゼは、考える端緒。
読了日:9月8日 著者:伊藤 計劃

読みにくい。だろうだろうのオンパレードなのである。だろうの上にだろうが積まれている。ふと、半分を過ぎたあたりで気づいた。学術書を読むようにひとつひとつの記述の蓋然性を疑ってはいけないのだ。なぜならこれはビジネス書で、仮説を立てて時代の求める流行を推測し、先取りして利に繋げる商売本なのだ。その意味ではこれは良書である。その道の人たちには刺激的な文章であろう。私には時代の流れの解説書であり、なるほど、に留めておく。こういう見方をすれば個は統合された個人でなくなるのは当然である。
読了日:9月5日 著者:三浦 展

これはもういっそおとぎ話である。蓋をしてある乙女心をこれほどくすぐるとは見事。いや、恋は女を育てるね。こんな男落ちてないかしら。と思うまでもなく、落ちているはずがない!!と断言できる。今晩の夕飯、ピーマンの胡麻和えは決定。
読了日:9月2日 著者:有川 浩
Posted by nekoneko at 22:34│Comments(0)
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