2013年08月01日
2013年7月の読書
危惧していた事態に。
7月購入した本10冊のうち、9冊がKindle本。1冊がAmazon購入。
期間限定のセールやポイント還元に引っかかって買ってしまったのだ。
買うまいと本屋へ行くのを我慢しているのがなんにもならない…。
まして、そういう買い方をした本の大半は、読みたい本ではあるけれど、
魂が希求する本である可能性が高くないところが問題なのです。
ほんとは宮脇書店総本店で万札はたいてジャケ買いしたい。
積読本112冊。気になる本358冊。
いい加減おそろしい。

2013年7月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
猫の教科書 第2版の感想
前半は純血種猫の品種説明、後半は猫の生態や手入れの方法など、猫と付き合っていくうえで有用で詳細な情報が網羅されている。著者夫妻はキャットショーの国際審査員でもあり、ショーキャットに偏っている面もあるが猫のプロフェッショナルには違いなく、遺伝学や交配・出産のノウハウまでプロの視点で説明した本はそうそうないと思われる。当方、まったくの雑種猫専門であるので、そこまでするのかと感じる部分もありましたが、たいへん勉強になりました。
読了日:7月29日 著者:高野 八重子,高野 賢治
拉致と決断の感想
慎重に抑えた理性的な筆致。最初に帰国した頃のこと、次に北朝鮮という国のこと、それから拉致以降の北朝鮮での日々を、心(と事情)の折り合いを探り探り綴っている。自分たちが帰国を果たし自由を手に入れたことを、未だ北朝鮮に生きる拉致被害者たちが知らないはずがない。一度ならず諦めて生きようと覚悟した心に、それがどれほどの葛藤と絶望を生むことか想像してみろと蓮池さんは訴えている。著作活動の動機は前作と変わらず、拉致問題の進展にある。
読了日:7月22日 著者:蓮池 薫
世界を見に行く。の感想
石川氏の撮った各地の写真と、ちょっとした散文。楽しむには、私が自由でないみたい。ポストカードにもなる仕掛け。
読了日:7月21日 著者:石川 直樹
氷の天使 (創元推理文庫)の感想
のっけから警察関係者と事件関係者が多く、新たに複層的な関係性が生じた日にはもう訳がわからない。意図的に端折るような流れもあり、少し嫌になった。あらかた情報がそろったところからクライマックスへのスピード感はさすが。これからも登場するであろう人物は魅力的である。そしてやはり、老人と女性の描写が魅力的である。正しい流れで読みたい。
読了日:7月21日 著者:キャロル オコンネル
役にたたない日々 (朝日文庫)の感想
佐野洋子は直球。逆算の思考をしない。倫理的にこうあるためには、こう考えないといけない、とは思わず、自分の中に湧いたものをそのまま出すからとかくパワフルで破壊力がある。そのために受ける報いや仕打ちは甘んじて受け、のたうちまわることもある。体調の悪いときに読むと、なにやらわからんがエネルギーが流れこむ、カンフル剤のような効果がある。特に滋味豊かな文章ではないのだけど、元気がなくなったときに読み返したい。癌と死の受け止め方からジャガーのくだりは震える。
読了日:7月20日 著者:佐野 洋子
傷ついた日本人へ (新潮新書)の感想
来日時、各所で行なった講話をまとめたものか。一般人向けの易しいお話もあり、宗教と科学を結びつけた考察についてのお話もあった。なにか誤った行為があった場合に、行為のみを追及して人格を追及しないこと。それでこそ「人を許す」ことができるし、過剰に自責することがない。これが収穫。
読了日:7月13日 著者:ダライ・ラマ14世
サキ短編集 (新潮文庫)の感想
皮肉な、または哀れな人々の顛末。怒ったり、困ったり、途方に暮れたりする人の姿は詳細で、人間を観察することは好きで、物語を描くことも好きだが、こんな連中と実際につきあうなぞまっぴらという類いの作家を想像する。ルバイヤートの酒姫が名前の由来であると聞いて、厭世、あるいは退廃、虚無…うまく言えないけれど納得。そして由来が私と同じであることにぐっと親近感。劇的な結末が印象的で、たとえば狼の遠吠えなどふとなにかの瞬間に、私はこれらの短い物語を思い出すのかもしれない。
読了日:7月11日 著者:サキ
ベルカ、吠えないのか?の感想
1943年、アラスカとカムチャツカ半島の間にある島に残された4頭の日本軍用犬、その子孫へ続く血脈の歴史。1943年から現在へのベクトルと、現在に近い過去から現在へのベクトルの交わる点が鋭角なクライマックスとなる。 著者は語りかける。イヌよ、イヌたちよ、どこにいる? イヌたちは人間につき、離れ、結局人間の都合に翻弄される。それでも血をつないでいく姿は誇り高く、孤高と呼びたいほど人間からは独立したものに描かれている。美しいアイス。私はアイスに会ってみたかった。
読了日:7月7日 著者:古川 日出男
統計学が最強の学問であるの感想
どのような設問を、どのような手法で、誰に対して行い、どのように分析し、結果にどのくらいの信を置き、どのように結論づけ、用いるか、である。心理学統計の素地があるので手法自体はさして新鮮なものではない。しかしその「統計的因果推論の基礎」が世間一般には常識的素養でないこと、また商売や、ビジネスインテリジェンスやテキストマイニングなど現代の潮流とはっきり繋げて考えたことがなかったので、それは面白かった。後半の専門分野ごとの比較は細かいので、私のような一般人は流し読みでよいでしょう。
読了日:7月5日 著者:西内 啓
愚者のエンドロール (角川文庫)の感想
米澤穂信のミステリは毎回「おもしろい」という印象が残る。細部はたいてい忘れてしまうのだけど。今回の命題は「未完のミステリを仕上げよ」。主人公は高校生なので、いろいろぐるぐる考えている。ささいな日常てんこ盛りの青春真っ只中、謎を解きあげる若き探偵を描く。しかし…!、というひねりが、新鮮なおもしろさを感じさせるのかもしれない。インシテミルもそうだけど、集団ゆえの人と人の複合的な相互作用がうまく使われている。中村青…ってほんとに館じゃん!?
読了日:7月2日 著者:米澤 穂信
注:
はKindleで読んだ本。
7月購入した本10冊のうち、9冊がKindle本。1冊がAmazon購入。
期間限定のセールやポイント還元に引っかかって買ってしまったのだ。
買うまいと本屋へ行くのを我慢しているのがなんにもならない…。
まして、そういう買い方をした本の大半は、読みたい本ではあるけれど、
魂が希求する本である可能性が高くないところが問題なのです。
ほんとは宮脇書店総本店で万札はたいてジャケ買いしたい。
積読本112冊。気になる本358冊。
いい加減おそろしい。

2013年7月の読書メーター
読んだ本の数:10冊

前半は純血種猫の品種説明、後半は猫の生態や手入れの方法など、猫と付き合っていくうえで有用で詳細な情報が網羅されている。著者夫妻はキャットショーの国際審査員でもあり、ショーキャットに偏っている面もあるが猫のプロフェッショナルには違いなく、遺伝学や交配・出産のノウハウまでプロの視点で説明した本はそうそうないと思われる。当方、まったくの雑種猫専門であるので、そこまでするのかと感じる部分もありましたが、たいへん勉強になりました。
読了日:7月29日 著者:高野 八重子,高野 賢治

慎重に抑えた理性的な筆致。最初に帰国した頃のこと、次に北朝鮮という国のこと、それから拉致以降の北朝鮮での日々を、心(と事情)の折り合いを探り探り綴っている。自分たちが帰国を果たし自由を手に入れたことを、未だ北朝鮮に生きる拉致被害者たちが知らないはずがない。一度ならず諦めて生きようと覚悟した心に、それがどれほどの葛藤と絶望を生むことか想像してみろと蓮池さんは訴えている。著作活動の動機は前作と変わらず、拉致問題の進展にある。
読了日:7月22日 著者:蓮池 薫

石川氏の撮った各地の写真と、ちょっとした散文。楽しむには、私が自由でないみたい。ポストカードにもなる仕掛け。
読了日:7月21日 著者:石川 直樹

のっけから警察関係者と事件関係者が多く、新たに複層的な関係性が生じた日にはもう訳がわからない。意図的に端折るような流れもあり、少し嫌になった。あらかた情報がそろったところからクライマックスへのスピード感はさすが。これからも登場するであろう人物は魅力的である。そしてやはり、老人と女性の描写が魅力的である。正しい流れで読みたい。
読了日:7月21日 著者:キャロル オコンネル

佐野洋子は直球。逆算の思考をしない。倫理的にこうあるためには、こう考えないといけない、とは思わず、自分の中に湧いたものをそのまま出すからとかくパワフルで破壊力がある。そのために受ける報いや仕打ちは甘んじて受け、のたうちまわることもある。体調の悪いときに読むと、なにやらわからんがエネルギーが流れこむ、カンフル剤のような効果がある。特に滋味豊かな文章ではないのだけど、元気がなくなったときに読み返したい。癌と死の受け止め方からジャガーのくだりは震える。
読了日:7月20日 著者:佐野 洋子


来日時、各所で行なった講話をまとめたものか。一般人向けの易しいお話もあり、宗教と科学を結びつけた考察についてのお話もあった。なにか誤った行為があった場合に、行為のみを追及して人格を追及しないこと。それでこそ「人を許す」ことができるし、過剰に自責することがない。これが収穫。
読了日:7月13日 著者:ダライ・ラマ14世


皮肉な、または哀れな人々の顛末。怒ったり、困ったり、途方に暮れたりする人の姿は詳細で、人間を観察することは好きで、物語を描くことも好きだが、こんな連中と実際につきあうなぞまっぴらという類いの作家を想像する。ルバイヤートの酒姫が名前の由来であると聞いて、厭世、あるいは退廃、虚無…うまく言えないけれど納得。そして由来が私と同じであることにぐっと親近感。劇的な結末が印象的で、たとえば狼の遠吠えなどふとなにかの瞬間に、私はこれらの短い物語を思い出すのかもしれない。
読了日:7月11日 著者:サキ

1943年、アラスカとカムチャツカ半島の間にある島に残された4頭の日本軍用犬、その子孫へ続く血脈の歴史。1943年から現在へのベクトルと、現在に近い過去から現在へのベクトルの交わる点が鋭角なクライマックスとなる。 著者は語りかける。イヌよ、イヌたちよ、どこにいる? イヌたちは人間につき、離れ、結局人間の都合に翻弄される。それでも血をつないでいく姿は誇り高く、孤高と呼びたいほど人間からは独立したものに描かれている。美しいアイス。私はアイスに会ってみたかった。
読了日:7月7日 著者:古川 日出男

どのような設問を、どのような手法で、誰に対して行い、どのように分析し、結果にどのくらいの信を置き、どのように結論づけ、用いるか、である。心理学統計の素地があるので手法自体はさして新鮮なものではない。しかしその「統計的因果推論の基礎」が世間一般には常識的素養でないこと、また商売や、ビジネスインテリジェンスやテキストマイニングなど現代の潮流とはっきり繋げて考えたことがなかったので、それは面白かった。後半の専門分野ごとの比較は細かいので、私のような一般人は流し読みでよいでしょう。
読了日:7月5日 著者:西内 啓

米澤穂信のミステリは毎回「おもしろい」という印象が残る。細部はたいてい忘れてしまうのだけど。今回の命題は「未完のミステリを仕上げよ」。主人公は高校生なので、いろいろぐるぐる考えている。ささいな日常てんこ盛りの青春真っ只中、謎を解きあげる若き探偵を描く。しかし…!、というひねりが、新鮮なおもしろさを感じさせるのかもしれない。インシテミルもそうだけど、集団ゆえの人と人の複合的な相互作用がうまく使われている。中村青…ってほんとに館じゃん!?
読了日:7月2日 著者:米澤 穂信
注:

Posted by nekoneko at 17:26│Comments(0)
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