2013年10月01日
2013年9月の読書
今日は朝からとんでもないものを見てしまいました。
角川グループのKindle本すべて半額セールです。
Wishlistに入れていた本+α、締めて11冊、計3,065円お買い上げ。
いつ終了するかわからないと注意書きする辺り、これはもうテロですよ。
(今日一日だと、その後判明。)
積読本122冊。気になっている本397冊。

2013年9月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
垂直の記憶 (ヤマケイ文庫)の感想
あの山に登りたい。限界に挑戦したい。美しい景色を見た。遭難した。どれも想像できるようで、決定的に想像を超えている。先日、野口健と平野啓一郎の対談番組を観た。体験したことと想像したことの歴然とした差が対話から感じ取れた。言葉にすると似た言葉になってしまったとしても、そこには絶対的な差がある。体験し得ない以上、結局は想像するしかないのだけれど、それを忘れてはいけない。さらには凍傷で指を失った今も、著者は一般人には手の出せない山や大岩壁を登り続けているという。同じく指を失った夫人も共に。感嘆の、ため息。
読了日:9月29日 著者:山野井泰史
第四解剖室 (新潮文庫)の感想
キング作品には短編も多い。時折、まとまった量が分冊で刊行される。しかしこの本の序でキングが語った短編小説への思いは初めて聞いたのではないかな。いつもどおりばらばらなテイストの作品を、くじ引きで決めた順に並べているので、どの短編が好みかは実に人それぞれ。私はジャック・ハミルトンの死。ならず者のひとり語りの形でありつつ、ひとかけらの真実がしんみりさせる。それから、エルーリアの修道女。孤高のローランド! ダークタワーシリーズが私を呼んでいる。
読了日:9月23日 著者:スティーヴンキング
ロジカルな田んぼ (日経プレミアシリーズ)の感想
私にとって稲作は風物詩である。私が見る稲田は時期こそずれ、同じ工程を経ているように見える。それは戦後、化学肥料や農薬が普及し、ほとんど画一化されているからだ。しかし地域が違えば気候も土質も変わる。古い感覚と新しい道具が混在して、不合理な、無駄の多い状況になっているという。人は土を育て、稲は自分の力で強く育つ。その道筋を示してくれる本。いつか稲作の重要性がはね上がる時代が来るように感じ、手に取った。
読了日:9月22日 著者:松下明弘
猫好きに捧げるショート・ストーリーズの感想
猫がただの愛玩物でないと熟知している。ほんわかした余韻を許さない珍しい短編集である。猫好きにとって猫は平穏な生活の象徴であり、そうでない者には別の生活を模索させる契機である。猫好きにとって猫は尊厳に満ちた生きものであり、そうでない者には予測不能な厄介物である。猫と猫好きが濃密な関係にあるがゆえに、人間の伴侶との関係に影響を及ぼす可能性は限りなく大きいのだ。猫がどれだけ人と人の生活を破壊しうるか、警告せんばかりの不穏さがあった。猫好き及び、猫好きと結婚したいと思っている人にお薦め。
読了日:9月17日 著者:ロアルドダール,ロズチャスト,パメラペインター,フィリップロペイト,アリスアダムズ,M.J.ローゼン,MichaelJ.Rosen,岩元巌,斎藤英治,大社淑子,鈴木和子,亀井よし子,武藤脩二,岸本佐知子,RoaldDahl
富士山にのぼるの感想
著者は富士山によく登る。ただし、冬の富士だ。誰の足跡もない雪山を、自分の力だけで登っていく。登頂のご褒美は、ただひとり自分だけで光景を味わう贅沢以上にない。その美学までも、子供達になんとなく伝わるといいな。
読了日:9月14日 著者:石川直樹
真夏の方程式の感想
子供を物語に取りいれつつ、結局は事件を論理で鮮やかに解明してみせるんでしょ? なんて斜に読んでいても、いつのまにか引き込まれるのよね。上手いな。海底資源開発というネタを取り上げつつ、環境破壊だとやたらめったら揚げ足を取って批判するのではなく、相手が持っている、進化しつつある科学技術のことを「知る」姿勢が大事だとガリレオが説く場面が印象的。あの一言は彼女を変えたよ。たくさんの読者に思惑が届くといいね。
読了日:9月14日 著者:東野圭吾
ジキル博士とハイド氏 (創元推理文庫)の感想
幼い頃に読んだときは、人格の二重性のスリルと謎にわくわくしたものだった。社会人になってから読むと、社会の規範に収めようとするほど強烈に吹出した衝動との葛藤が主軸に感じられる。ラニオン氏を死ぬほど怖がらせたほんとうの原因は何だったか。子どもならば平明に答えるだろうけれど、大人ならちょっと語り合えるくらいの奥行きがある。
読了日:9月12日 著者:ロバート・ルイススティーヴンスン
自分のアタマで考えようの感想
情報を集めること、整理することは、考える素材集めであって考えることそのものとは違う。他の人間の考えを感じ取ることも考えることとは違う。当たり前のことだが、それを除けばどれだけの時間、自分は「考えて」きただろうか。考える習慣はつけてきたし、あえて考える以外のことも大切にしてきた。一方で、そのつもりだっただけでは?と疑うとこわいね。大学生になる前に読んでおきたかった1冊。
読了日:9月10日 著者:ちきりん
ONE PIECE 総集編 THE 19TH LOG (集英社マンガ総集編シリーズ)の感想
ひとつの時代の終わり。現実の世界にもたくさんの「時代」がパラレルに存在していて、移り変わり続けていることを思う。強くあれ。
読了日:9月9日 著者:尾田栄一郎
海からの贈物 (新潮文庫)の感想
きれいな表紙に、波打ち際で始まり終わる描写。各章のはじまりの、貝の素朴なかたちに対して、そこから導かれる哲学は複雑な主題をはらんでいる。1955年にアメリカの女を念頭に書かれた随想は、いま女の生き方に悩んでいる私にも全く古くない。ひとりの時間に満たす。ひとに与えてこぼす。ついにはその繰りかえしなのだと知る。満たしかた、こぼしかたなのだ。
読了日:9月2日 著者:アン・モロウ・リンドバーグ
注:
はKindleで読んだ本。
角川グループのKindle本すべて半額セールです。
Wishlistに入れていた本+α、締めて11冊、計3,065円お買い上げ。
いつ終了するかわからないと注意書きする辺り、これはもうテロですよ。
(今日一日だと、その後判明。)
積読本122冊。気になっている本397冊。

2013年9月の読書メーター
読んだ本の数:10冊

あの山に登りたい。限界に挑戦したい。美しい景色を見た。遭難した。どれも想像できるようで、決定的に想像を超えている。先日、野口健と平野啓一郎の対談番組を観た。体験したことと想像したことの歴然とした差が対話から感じ取れた。言葉にすると似た言葉になってしまったとしても、そこには絶対的な差がある。体験し得ない以上、結局は想像するしかないのだけれど、それを忘れてはいけない。さらには凍傷で指を失った今も、著者は一般人には手の出せない山や大岩壁を登り続けているという。同じく指を失った夫人も共に。感嘆の、ため息。
読了日:9月29日 著者:山野井泰史


キング作品には短編も多い。時折、まとまった量が分冊で刊行される。しかしこの本の序でキングが語った短編小説への思いは初めて聞いたのではないかな。いつもどおりばらばらなテイストの作品を、くじ引きで決めた順に並べているので、どの短編が好みかは実に人それぞれ。私はジャック・ハミルトンの死。ならず者のひとり語りの形でありつつ、ひとかけらの真実がしんみりさせる。それから、エルーリアの修道女。孤高のローランド! ダークタワーシリーズが私を呼んでいる。
読了日:9月23日 著者:スティーヴンキング

私にとって稲作は風物詩である。私が見る稲田は時期こそずれ、同じ工程を経ているように見える。それは戦後、化学肥料や農薬が普及し、ほとんど画一化されているからだ。しかし地域が違えば気候も土質も変わる。古い感覚と新しい道具が混在して、不合理な、無駄の多い状況になっているという。人は土を育て、稲は自分の力で強く育つ。その道筋を示してくれる本。いつか稲作の重要性がはね上がる時代が来るように感じ、手に取った。
読了日:9月22日 著者:松下明弘

猫がただの愛玩物でないと熟知している。ほんわかした余韻を許さない珍しい短編集である。猫好きにとって猫は平穏な生活の象徴であり、そうでない者には別の生活を模索させる契機である。猫好きにとって猫は尊厳に満ちた生きものであり、そうでない者には予測不能な厄介物である。猫と猫好きが濃密な関係にあるがゆえに、人間の伴侶との関係に影響を及ぼす可能性は限りなく大きいのだ。猫がどれだけ人と人の生活を破壊しうるか、警告せんばかりの不穏さがあった。猫好き及び、猫好きと結婚したいと思っている人にお薦め。
読了日:9月17日 著者:ロアルドダール,ロズチャスト,パメラペインター,フィリップロペイト,アリスアダムズ,M.J.ローゼン,MichaelJ.Rosen,岩元巌,斎藤英治,大社淑子,鈴木和子,亀井よし子,武藤脩二,岸本佐知子,RoaldDahl

著者は富士山によく登る。ただし、冬の富士だ。誰の足跡もない雪山を、自分の力だけで登っていく。登頂のご褒美は、ただひとり自分だけで光景を味わう贅沢以上にない。その美学までも、子供達になんとなく伝わるといいな。
読了日:9月14日 著者:石川直樹

子供を物語に取りいれつつ、結局は事件を論理で鮮やかに解明してみせるんでしょ? なんて斜に読んでいても、いつのまにか引き込まれるのよね。上手いな。海底資源開発というネタを取り上げつつ、環境破壊だとやたらめったら揚げ足を取って批判するのではなく、相手が持っている、進化しつつある科学技術のことを「知る」姿勢が大事だとガリレオが説く場面が印象的。あの一言は彼女を変えたよ。たくさんの読者に思惑が届くといいね。
読了日:9月14日 著者:東野圭吾

幼い頃に読んだときは、人格の二重性のスリルと謎にわくわくしたものだった。社会人になってから読むと、社会の規範に収めようとするほど強烈に吹出した衝動との葛藤が主軸に感じられる。ラニオン氏を死ぬほど怖がらせたほんとうの原因は何だったか。子どもならば平明に答えるだろうけれど、大人ならちょっと語り合えるくらいの奥行きがある。
読了日:9月12日 著者:ロバート・ルイススティーヴンスン


情報を集めること、整理することは、考える素材集めであって考えることそのものとは違う。他の人間の考えを感じ取ることも考えることとは違う。当たり前のことだが、それを除けばどれだけの時間、自分は「考えて」きただろうか。考える習慣はつけてきたし、あえて考える以外のことも大切にしてきた。一方で、そのつもりだっただけでは?と疑うとこわいね。大学生になる前に読んでおきたかった1冊。
読了日:9月10日 著者:ちきりん


ひとつの時代の終わり。現実の世界にもたくさんの「時代」がパラレルに存在していて、移り変わり続けていることを思う。強くあれ。
読了日:9月9日 著者:尾田栄一郎

きれいな表紙に、波打ち際で始まり終わる描写。各章のはじまりの、貝の素朴なかたちに対して、そこから導かれる哲学は複雑な主題をはらんでいる。1955年にアメリカの女を念頭に書かれた随想は、いま女の生き方に悩んでいる私にも全く古くない。ひとりの時間に満たす。ひとに与えてこぼす。ついにはその繰りかえしなのだと知る。満たしかた、こぼしかたなのだ。
読了日:9月2日 著者:アン・モロウ・リンドバーグ
注:

Posted by nekoneko at 22:52│Comments(0)
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