2014年07月02日
2014年6月の読書
枕にあごを乗っけて本を開いては、寝落ちする日々。
でも開かないと、気分がざわざわして寝る気にならない。
積読本117冊。気になっている本423冊。

2014年6月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕の感想
猟奇的殺人をめぐる二転三転のミステリ。事件は事件として激しく展開していくのだが、一方で主人公の書いた小説が入れ子になっていたり、「娯楽小説になんの意味があるのか」とか「芸術に対し貶められるべき存在なのか」とか絶えず問いかけられており、つい気を取られてしまう。このヴァンパイアネタは明らかにトワイライトをディスられているように思えるし、もっとばっさり持論を述べてほしい。私にはわからん。
読了日:6月29日 著者:デイヴィッド・ゴードン
私の家では何も起こらない (文庫ダ・ヴィンチ)の感想
たぶん、同じ家を舞台にした短編集。淡々とした主観で語られる物語。なにげなく発せられる言葉が不穏であり、徐々に事実を明らかにする展開が不気味。陽転の後、どう締めるのかと思ったら意外な方向で、置いて行かれた。恩田陸らしく、グロではない。
読了日:6月21日 著者:恩田陸
政治家の品格、有権者の品格の感想
ずばりタイトルのとおりである。政治家って何者だ。有権者ってどうすればいいんだ。わからないから読んでみた。いや、与えられた権利は行使してきたけれど、いつも疑問に思っていた。読んで良かった。メディアは余程注意深く選別しないと、無責任な毀誉褒貶に鼻づら引き回されて、愚かな有権者にされてしまう。祖国を奪われた経験を持つ金さんの言葉は重く、私を叱咤する。施政者は有権者が選ぶもの。政治家は成ってゆくもの。そして国家はずっと安寧とは限らない。台湾のことももっと知りたい。
読了日:6月19日 著者:金美齢
日本の名随筆 (11) 酒の感想
ぴんとこないもののほうが多かった。ばさばさ読み進める本ではない。だけどひとつひとつ丁寧に読むには、知識人でない私には知らないお名前が多すぎた。そして人柄を推し量るには文章が短すぎた。たぶんに開高健や高野秀行のような、凡人未踏世界のエッセイを望んでいた。だから坂口安吾ぐらい度外れるか、しみじみ感じ入らせる随筆でないと印象を持てないのだ。
読了日:6月18日 著者:
儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)の感想
シリーズものでない、つまり人物が市井の人でない米澤作品を、私は好きかもしれない。企みが野心的で、娯楽としてありえない異色の世界を楽しめる。今回は古風な趣の中で、とことん暗黒世界だ。各所に出てくる作家や本のタイトルも伏線のうちなのだが、これは教養の範囲内? いやいや相当マニアックでしょう!
読了日:6月13日 著者:米澤穂信
日の名残り (ハヤカワepi文庫)の感想
やっぱり…これは泣いてますよね。父の死さえ淡々と過ごしたあの日が浮かび、その差に心を鷲づかみにされる思いがしました。彼の思いは旅の景色に連れるように変わっていく。違った人生の可能性。実はもっと前から変化していたことに、彼自身は初めて気づき、打ちひしがれる…でも、どちらも間違っていないと思うのです。イギリス人の美学、高貴なる者の美学、執事の美学。それは尊く、失われたくないものだけれど、だからといって全てのことと上手く折り合えるものでもなかったとも思う。
読了日:6月8日 著者:カズオイシグロ
私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明の感想
うん。高城剛という人を知りたい人にはお勧めする。「クリエイティブ」に関心がある人にもお勧めする。私には、あまりになにかが違いすぎて、あるいはずれていて、とくに感じるところはなかった。あぁ、『メディアは恐怖を与えることで成り立っている』は面白かった。
読了日:6月6日 著者:高城剛
無人島に生きる十六人 (新潮文庫)の感想
明治の時代に南の遠洋で座礁した龍睡丸。16人の乗組員はたどりついた無人島で生き延びるべく奮闘する。実話に基づいているそうだが、冒険譚として素晴らしい物語になっている。昭和16年から少年誌で連載されたとのこと、少年たちはどんなにわくわくして続きを待っただろう。鍛錬すること。力を合わせること。朗らかであること。諦めないこと。先輩たちが必ず見守ってくれていること。面白くかつ英知が詰まっている物語、純真な少年たちに読ませたい。
読了日:6月4日 著者:須川邦彦
嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)の感想
プラハのソビエト学校で過ごした少女時代に得た3人の親友。その消息を訪ねたノンフィクション。親友たちはそれぞれ日本にあっては思いもかけない人生の只中にあり、それは共産圏であった当時の中東欧にあっては特別珍しいものではなかった。そして現代もその一続きの先にあることに気づくとき、私の中にも世界というものに対する違った認識が生まれ、なんともいえない読後感が残る。読んでよかった。『どの人にも(中略)母なる文化と言語が息づいている。母国の歴史が背後霊のように絡みついている。それから完全に自由になることは不可能よ。』
読了日:6月3日 著者:米原万里
肌断食 ---スキンケア、やめましたの感想
化粧品メーカーのスキンケア全否定。要点は生来持っている肌のバリア層を破壊すること。たまのメイクはさほど害でなく、メイク後は純石鹸の泡洗顔で落とし、必要があればワセリンを塗る。私も既に近いスタイルにあるので、今後の参考になる。しかしそれでも、スキンケア全てをやめてしまうことには抵抗がある。女性の常識と刷り込まれたものをあえて外すことの難しさ。持ってるけど使ってない化粧品、さて捨てられるか。
読了日:6月1日 著者:平野卿子
注:
はKindleで読んだ本。
でも開かないと、気分がざわざわして寝る気にならない。
積読本117冊。気になっている本423冊。

2014年6月の読書メーター
読んだ本の数:10冊

猟奇的殺人をめぐる二転三転のミステリ。事件は事件として激しく展開していくのだが、一方で主人公の書いた小説が入れ子になっていたり、「娯楽小説になんの意味があるのか」とか「芸術に対し貶められるべき存在なのか」とか絶えず問いかけられており、つい気を取られてしまう。このヴァンパイアネタは明らかにトワイライトをディスられているように思えるし、もっとばっさり持論を述べてほしい。私にはわからん。
読了日:6月29日 著者:デイヴィッド・ゴードン

たぶん、同じ家を舞台にした短編集。淡々とした主観で語られる物語。なにげなく発せられる言葉が不穏であり、徐々に事実を明らかにする展開が不気味。陽転の後、どう締めるのかと思ったら意外な方向で、置いて行かれた。恩田陸らしく、グロではない。
読了日:6月21日 著者:恩田陸


ずばりタイトルのとおりである。政治家って何者だ。有権者ってどうすればいいんだ。わからないから読んでみた。いや、与えられた権利は行使してきたけれど、いつも疑問に思っていた。読んで良かった。メディアは余程注意深く選別しないと、無責任な毀誉褒貶に鼻づら引き回されて、愚かな有権者にされてしまう。祖国を奪われた経験を持つ金さんの言葉は重く、私を叱咤する。施政者は有権者が選ぶもの。政治家は成ってゆくもの。そして国家はずっと安寧とは限らない。台湾のことももっと知りたい。
読了日:6月19日 著者:金美齢


ぴんとこないもののほうが多かった。ばさばさ読み進める本ではない。だけどひとつひとつ丁寧に読むには、知識人でない私には知らないお名前が多すぎた。そして人柄を推し量るには文章が短すぎた。たぶんに開高健や高野秀行のような、凡人未踏世界のエッセイを望んでいた。だから坂口安吾ぐらい度外れるか、しみじみ感じ入らせる随筆でないと印象を持てないのだ。
読了日:6月18日 著者:

シリーズものでない、つまり人物が市井の人でない米澤作品を、私は好きかもしれない。企みが野心的で、娯楽としてありえない異色の世界を楽しめる。今回は古風な趣の中で、とことん暗黒世界だ。各所に出てくる作家や本のタイトルも伏線のうちなのだが、これは教養の範囲内? いやいや相当マニアックでしょう!
読了日:6月13日 著者:米澤穂信

やっぱり…これは泣いてますよね。父の死さえ淡々と過ごしたあの日が浮かび、その差に心を鷲づかみにされる思いがしました。彼の思いは旅の景色に連れるように変わっていく。違った人生の可能性。実はもっと前から変化していたことに、彼自身は初めて気づき、打ちひしがれる…でも、どちらも間違っていないと思うのです。イギリス人の美学、高貴なる者の美学、執事の美学。それは尊く、失われたくないものだけれど、だからといって全てのことと上手く折り合えるものでもなかったとも思う。
読了日:6月8日 著者:カズオイシグロ

うん。高城剛という人を知りたい人にはお勧めする。「クリエイティブ」に関心がある人にもお勧めする。私には、あまりになにかが違いすぎて、あるいはずれていて、とくに感じるところはなかった。あぁ、『メディアは恐怖を与えることで成り立っている』は面白かった。
読了日:6月6日 著者:高城剛


明治の時代に南の遠洋で座礁した龍睡丸。16人の乗組員はたどりついた無人島で生き延びるべく奮闘する。実話に基づいているそうだが、冒険譚として素晴らしい物語になっている。昭和16年から少年誌で連載されたとのこと、少年たちはどんなにわくわくして続きを待っただろう。鍛錬すること。力を合わせること。朗らかであること。諦めないこと。先輩たちが必ず見守ってくれていること。面白くかつ英知が詰まっている物語、純真な少年たちに読ませたい。
読了日:6月4日 著者:須川邦彦

プラハのソビエト学校で過ごした少女時代に得た3人の親友。その消息を訪ねたノンフィクション。親友たちはそれぞれ日本にあっては思いもかけない人生の只中にあり、それは共産圏であった当時の中東欧にあっては特別珍しいものではなかった。そして現代もその一続きの先にあることに気づくとき、私の中にも世界というものに対する違った認識が生まれ、なんともいえない読後感が残る。読んでよかった。『どの人にも(中略)母なる文化と言語が息づいている。母国の歴史が背後霊のように絡みついている。それから完全に自由になることは不可能よ。』
読了日:6月3日 著者:米原万里


化粧品メーカーのスキンケア全否定。要点は生来持っている肌のバリア層を破壊すること。たまのメイクはさほど害でなく、メイク後は純石鹸の泡洗顔で落とし、必要があればワセリンを塗る。私も既に近いスタイルにあるので、今後の参考になる。しかしそれでも、スキンケア全てをやめてしまうことには抵抗がある。女性の常識と刷り込まれたものをあえて外すことの難しさ。持ってるけど使ってない化粧品、さて捨てられるか。
読了日:6月1日 著者:平野卿子

注:

Posted by nekoneko at 17:19│Comments(0)
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