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2015年09月01日

2015年8月の記録

瓦町FLAGのオープンが10月23日と決まり、
爆買い@ジュンク堂のカウントダウンが始まりました。
最近は積読も減ったし、と未読の本だけを置いた本棚を振り返れば、
本の山がさほど減っていません。
もしやKindleの中ばかりを減らしてしまったのか!?
今月はリアル本を重点的にこなしていきたいと思います。
そういえば、8月は小説を全く読まない、稀な月でした。

2015年8月の記録

積読本81冊。気になっている本439冊。

ブック

2015年8月の読書メーター
読んだ本の数:9冊(青空文庫は全部で1冊に換算)

凍 (新潮文庫)凍 (新潮文庫)感想
本人による記録「垂直の記憶」の7章部分、ギャチュンカン登攀・帰還をメインに、綿密に取材、組み上げたノンフィクションである。この細かさはお二人からの信頼の証だろう。心理描写や互いへの思いに加え、用語や地理の説明、風土の描写で臨場感がいや増し、読む手を止められなかった。「垂直の記憶」の読後感より際立って感じられたのは妙子さんの才能と心情だ。46歳でギャチュンカンに挑み、手の指10本全てを失ってなお喜んで家事をこなし、世界の壁を共に登り続ける姿に、情熱の前には、何ものも人を束縛することはできないのだと震えた。
読了日:8月30日 著者:沢木耕太郎

別冊NHK100分de名著 老子×孫子 「水」のように生きる (教養・文化シリーズ)別冊NHK100分de名著 老子×孫子 「水」のように生きる (教養・文化シリーズ)感想
太極拳など中国武術内家拳の根底と言われる思想、老子の入門としては不適当だったか。なぜ孫子との対比なのか、よくわからなかった。さて、老子から挙げられた言葉たちは、既に私の血管に流れているようだ。老子は禅に通じ、日本の思想や文化に浸透している部分も多い。一方、武術を学ぶ中で頻出する「上善如水」、「無為自然」は日本における捉えられ方より強い、秘めた力の源、人間本来の勁さの意味で用いられているとわかる。『自ら見ず、故に明らかなり。自ら是とせず、故に彰わる。自ら伐らず、故に功有り。自ら矜らず、故に長し。』深い。
読了日:8月28日 著者:蜂屋邦夫,湯浅邦弘

日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)感想
そういえばお茶も「茶の道」なのだった。全ての作法、所作に理由があり、何一つ無駄がない。その中で感覚の拡がりを覚えていくことの愉しみを知り、13年経ったある日、森下さんは「自分は向いていない」と悟る。その情けなさは私にも馴染みのもので、一緒になって落涙した。今だって優れた素質の人を見つけると、つい我が身に引き比べ、自分の余りの不出来に心折れそうになる。森下さんの結論は『やめるまで、やめないでいる』だった。そうしているうち、いずれどこかへ辿り着けるだろうか? 森下さんの本は2冊目。益々好きになりました。
読了日:8月27日 著者:森下典子

空手と禅 身体心理学で武道を解明!  マインドフルネスが導く“全方位的意識"へ空手と禅 身体心理学で武道を解明! マインドフルネスが導く“全方位的意識"へ感想
武術の道、武道。スポーツでもストリートファイティングでも健康体操でもなく、他者との比較や勝利を求めない武道は、禅そのものだ。身体心理学、禅の概念を絡め、武道の意義を明らかにする本。武道はなんの為でもない。なのにこれ程、人を惹きつける。『3年かけて良師を探せ』。勝敗や資格制度を持たない武道はわかりにくく、普及しづらいだろう。それこそを後世に残したいのに。ならば、道に気づいた者は同じ道の先を行く師につき、盛り立てるのが義務かもしれん。空手の由来や武術的特質、武道の要素を備え得る武術の種類など、得る知識も多い。
読了日:8月23日 著者:湯川進太郎

あの戦争と日本人 (文春文庫)あの戦争と日本人 (文春文庫)感想
著者は歴史探偵として膨大な資料をあたり、日本の近代史を俯瞰する。この視点は、私が初めて持つものだ。教育を受けた覚えがない。日露戦争の辛勝を隠した為に、国民丸ごと夜郎自大となり、八紘一宇などとあり得べからざる野望を持ったこと、自国の狡さを棚に上げて欧米を逆恨みし、敵視し、煽った国民の反感を勢いに開戦したこと、天皇陛下のご覚悟…。折しも終戦記念日。テレビでは個々の悲しみを取り上げ戦争はいけないと繰り返すが、学ぶべきはどのように国民が戦争に向け進まされるかではないか。知ってこそ私たちは回避できると思う。
読了日:8月17日 著者:半藤一利 ファイル

物語ること、生きること物語ること、生きること感想
上橋さんの伝えたいことがやさしい言葉で語られている。幼い頃から読んできた本、今へ至る道、自らの書く物語に込める想い。人生を折り返した年齢になったからこそ、自らが読んできた児童文学、物語の持つ意味を言葉にすることができる。含蓄が深い。残念ながら私はその人生の段階のほとんどを通り過ぎてしまったけれど、守り人や獣の奏者、鹿の王を読んだ若い人には、ぜひ今、読んでほしいと願う。もちろん大人にも新しい発見があって楽しいです。
読了日:8月14日 著者:上橋菜穂子,瀧晴巳 ファイル

最後の晩餐 (光文社文庫)最後の晩餐 (光文社文庫)感想
食に関するエッセイ。英国人に憂慮されるまでもなく、30年以上前にだって開高さんも料理家も、日本人の味覚の鈍化や食材そのものの変化、日本料理の衰退を危惧しているのである。豊かな食を知る者は貧しい食をまず熟知しているという。「トトチャブ」の原風景を知ると、開高さんの食への意識、その深さの意味に愕然とする。真面目な話から馬鹿話へと振れ幅自在の筆致は健在、小松左京氏と開高さんの訛りシャンソンエピソードには爆笑せざるを得ない。中国において龍虎鍋とは蛇と猫の鍋のこと。忘れて食すべからず。
読了日:8月12日 著者:開高健 ファイル

英国一家、ますます日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)英国一家、ますます日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)感想
MSG、醤油、塩、鰹など味の根幹となる素材も取材する。普通の家庭で簡単につくるメニューや西洋のものを日本流にアレンジした料理はお気に召さなかったようだ。著者が興味を持っているのは日本料理の本質、伝統であって、日本食の網羅ではないようだ。現代、生命を維持するために日々家庭でつくる料理は、どうしても利便性や現代人の嗜好が優先されやすいからか。日本の食の伝統の衰退を、軽口を混ぜながら憂慮する。
読了日:8月8日 著者:マイケル・ブース ファイル

巴里より巴里より感想
主に鉄幹。同じ紀行で、なぜこちらはこんなに読んで退屈なのか。思うに、想像を巡らせる余地が薄く、博識であっても膨らみがない。晶子さんは心身を弱らせて先に帰国する。子供のこともあるし、見聞の旅は長く居れば有意というものでもない。それを「晶子はパリを見捨てた」と言い、さっさと見送りを切り上げる鉄幹に幻滅。なのに晶子さんは船中から長い手紙を夫に書く。その思慕の強さも、私の想像を超えている。
読了日:8月6日 著者:与謝野晶子,与謝野寛 ファイル

巴里の独立祭巴里の独立祭感想
パリの二人きりの食事は寂しいが、祭は楽しみな晶子さん。ルーブル宮の横の橋、荷揚げ場の石畳から花火を見る。東京と似た風情ねと軽口を言いつつ、下宿へ帰宅してからも思い返して楽しんでいる。普通の観光のような情景だが、率直でいてこなれた文章はいつまでも読んでいたい美文。
読了日:8月3日 著者:与謝野晶子 ファイル

巴里の旅窓より巴里の旅窓より感想
与謝野晶子、パリに着く。晶子さんはパリの女性を見てその流行や色彩へのセンスに興奮している。しかし日本の女はパリをの女性に負けていないと断じる。日本に「表情と肉附の生生とした活動の美を備えた女が殖え」ることを望むのだ。日本の男はフランス男に比べ「随分粗末」とばっさり。夫とロダンのアトリエを訪ねる。制作中の作品と夫人に感激する。楽しそうだ。
読了日:8月2日 著者:与謝野晶子 ファイル

巴里にて巴里にて感想
晶子さんは夫が恋しいからパリへ追って来ただけで、今度は日本に残してきた7人の子供が気掛かりで一向に楽しめない。その心、察しろよ鉄幹。下宿の庭などを描写して気を紛らわせている様子。
読了日:8月1日 著者:与謝野晶子 ファイル

巴里まで巴里まで感想
与謝野晶子、夫を追ってパリへ向けての列車旅行。珍しい景色でも眺めるうちに慣れて東海道のように感じるとか、毎日子供に葉書を書くとか、余裕だったのはウラルを越えるまで。その後ややこしいヨーロッパに入ると、国境毎に乗車賃を追加追加と催促され、晶子さんは途方に暮れる。英語で意思疎通しているようだが、その時代に独りでどんなに不安だったろう。健気だ。夫は呑気にパリの駅で出迎える。
読了日:8月1日 著者:与謝野晶子 ファイル


注:ファイルはKindleで読んだ本。

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