2016年07月01日
2016年6月の記録
新しい生活始まる。
大切なのは、本を読む時間の捻出より新しい生活習慣の定着。
読みたい本は増え続け、書店には立ち入らないようにしている。
禁断症状はまだ出ていない。
積読本90冊。

2016年6月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
捨てる女の感想
小気味好く且つ豪快に所有物を手放して気分良く締めると思いきや、読後の印象は異なる。時代に流行る断捨離をやりすぎた故に、内澤さんは強烈な空しさを捉えたのだ。想像以上に捨てられる自身への疑心も。でもそれも間を置いて喪失感として押し寄せた。捨ててはいけない物はある。捨てても断ち切ることのできないものを自覚するなら、意味はあった。内澤さんは執着していた自分の姿を『かっこ悪くて、最高』と、高らかに笑う。これは人生の転機となる。喪失のうちに新しい愛着への欲求が生まれ、都会の暮らしから小豆島とカヨちゃんへと続くのだ。
読了日:6月22日 著者:内澤旬子
多縁社会の感想
地元一辺倒の生活から、転勤を是とする会社員の妻になり、転勤の都合故に血縁や物への考え方が違うと気づいた。鉄壁の住まいには当面不要の物は置かず、人のしがらみも薄い。いつか何の縁もない土地で、私はどう暮らすのか。孤立が怖い。この本では、近年までの家族偏重主義への反動のような、人が住まいの壁に遮断されない事例が紹介される。私にはコレクティブハウスという形態が興味深かった。血縁、地縁、社縁でない相互扶助の関係は、借家縁と呼ぶべきか。向き不向きはあれど、生きる場所を選ぶこと、縁を選んで結ぶことに、意識的になろう。
読了日:6月20日 著者:篠原聡子,空間研究所,アサツーディ・ケイ
なぜ、この人と話をすると楽になるのかの感想
『コミュニケーションは相手を味方につける営み』。主に知人友人との雑談に難を感じる人向けの、ラジオアナウンサーによる励ましの1冊。言わずもがなの内容でも、自称コミュ障の性格を考えるに、全員参加協力型ゲームになぞらえるのは上手い方法だろう。さて、自己顕示や善く見られたい、みたいな「欲」を手放すのはひとつ、会話のハードルを下げる手段だ。しかし欲を手放し過ぎて、最近は若干、相手にどう思われようと構わなくなり、会話の途中で集中力が切れたのが丸わかりの節がある。そこで冒頭の言葉なのだ。私よ、無駄話にこそ価値がある。
読了日:6月18日 著者:吉田尚記
トランプがローリングストーンズでやってきた 言霊USA2016の感想
以前よりアメリカの深刻な問題を扱う回が増えたと感じるのは気のせいか。トランプの旬ネタにしても、国の歴史や国是が見えれば実に深刻だ。いや、このシリーズエッセイによってアメリカへの理解が深まっているからこそ、深刻さを感じ取るのかもしれない。んでバービー人形で終わる(笑)。「バナナは体に良い」は、アメリカ企業が謳ったプロパガンダだった。元祖スーパーフードである。それを日本も真に受けた。現在日本にも吹き荒れるスーパーフード旋風はまたも原産地の農業と食の体系を歪めている。日本は依然、アメリカの影響が濃い国である。
読了日:6月10日 著者:町山智浩
乱読のセレンディピティの感想
『もっともおもしろい読書法は乱読』。身銭を切って買った本を雑多に読み、忘却に任せる、違うと思えば途中で放棄する。専門から遠く離れた分野のものを選ぶ。だから手当たり次第とは違うのだ。速読肯定でもなく、文章の持つ自然のリズムを尊重して『風のごとく』読むと、言葉の残像に助けられる。いずれも、解釈の正誤に拘わらず、既知の知識に照らして新しい閃きを生むことに価値を見る、著者の読書法である。「ガリバー旅行記は誤読の結果児童書となった」など、シンクロニシティも私は面白いと思う。後半は「知的生活習慣」に重複してくる。
読了日:6月6日 著者:外山滋比古
ラスト・ワルツ (角川文庫)の感想
短編それぞれの世界には奥行きが出、豊潤になっているように感じる。タイトルにロスト、ラストとつくので、終幕に向けて物語が進展するのかと思いきや、うーむ、まだのようだ。短気な中年はそろそろ展開を見たいぞよ。あやしげな余韻が醸されている。
読了日:6月4日 著者:柳広司
牛を飼う球団の感想
高知ドリーム。四国の反対側でこんなことが起きていたとは、以前勤めた会社の社長まで出てきて私は椅子から転がり落ちる思いがした。高知という地の土着感、人間味を思い出す。鈴太郎氏の引力や勘、感度の良さもさることながら、その特性を知り尽し、自覚もあるからこそこの発想と実績が生まれた。同様に地域密着と称しても他所では無理だ。香川も、中途半端な都会気分と県民性がこの路線を許さないだろう。ああ、いいな。高知FDの試合を見に行きとうなったちや。もちろん足摺テルメ泊りがけ、酒呑みまくりの旅。この本もまた戦略のうちなのだ。
読了日:6月3日 著者:喜瀬雅則
注:
はKindleで読んだ本。
大切なのは、本を読む時間の捻出より新しい生活習慣の定着。
読みたい本は増え続け、書店には立ち入らないようにしている。
禁断症状はまだ出ていない。
積読本90冊。

2016年6月の読書メーター
読んだ本の数:7冊

小気味好く且つ豪快に所有物を手放して気分良く締めると思いきや、読後の印象は異なる。時代に流行る断捨離をやりすぎた故に、内澤さんは強烈な空しさを捉えたのだ。想像以上に捨てられる自身への疑心も。でもそれも間を置いて喪失感として押し寄せた。捨ててはいけない物はある。捨てても断ち切ることのできないものを自覚するなら、意味はあった。内澤さんは執着していた自分の姿を『かっこ悪くて、最高』と、高らかに笑う。これは人生の転機となる。喪失のうちに新しい愛着への欲求が生まれ、都会の暮らしから小豆島とカヨちゃんへと続くのだ。
読了日:6月22日 著者:内澤旬子

地元一辺倒の生活から、転勤を是とする会社員の妻になり、転勤の都合故に血縁や物への考え方が違うと気づいた。鉄壁の住まいには当面不要の物は置かず、人のしがらみも薄い。いつか何の縁もない土地で、私はどう暮らすのか。孤立が怖い。この本では、近年までの家族偏重主義への反動のような、人が住まいの壁に遮断されない事例が紹介される。私にはコレクティブハウスという形態が興味深かった。血縁、地縁、社縁でない相互扶助の関係は、借家縁と呼ぶべきか。向き不向きはあれど、生きる場所を選ぶこと、縁を選んで結ぶことに、意識的になろう。
読了日:6月20日 著者:篠原聡子,空間研究所,アサツーディ・ケイ


『コミュニケーションは相手を味方につける営み』。主に知人友人との雑談に難を感じる人向けの、ラジオアナウンサーによる励ましの1冊。言わずもがなの内容でも、自称コミュ障の性格を考えるに、全員参加協力型ゲームになぞらえるのは上手い方法だろう。さて、自己顕示や善く見られたい、みたいな「欲」を手放すのはひとつ、会話のハードルを下げる手段だ。しかし欲を手放し過ぎて、最近は若干、相手にどう思われようと構わなくなり、会話の途中で集中力が切れたのが丸わかりの節がある。そこで冒頭の言葉なのだ。私よ、無駄話にこそ価値がある。
読了日:6月18日 著者:吉田尚記


以前よりアメリカの深刻な問題を扱う回が増えたと感じるのは気のせいか。トランプの旬ネタにしても、国の歴史や国是が見えれば実に深刻だ。いや、このシリーズエッセイによってアメリカへの理解が深まっているからこそ、深刻さを感じ取るのかもしれない。んでバービー人形で終わる(笑)。「バナナは体に良い」は、アメリカ企業が謳ったプロパガンダだった。元祖スーパーフードである。それを日本も真に受けた。現在日本にも吹き荒れるスーパーフード旋風はまたも原産地の農業と食の体系を歪めている。日本は依然、アメリカの影響が濃い国である。
読了日:6月10日 著者:町山智浩


『もっともおもしろい読書法は乱読』。身銭を切って買った本を雑多に読み、忘却に任せる、違うと思えば途中で放棄する。専門から遠く離れた分野のものを選ぶ。だから手当たり次第とは違うのだ。速読肯定でもなく、文章の持つ自然のリズムを尊重して『風のごとく』読むと、言葉の残像に助けられる。いずれも、解釈の正誤に拘わらず、既知の知識に照らして新しい閃きを生むことに価値を見る、著者の読書法である。「ガリバー旅行記は誤読の結果児童書となった」など、シンクロニシティも私は面白いと思う。後半は「知的生活習慣」に重複してくる。
読了日:6月6日 著者:外山滋比古


短編それぞれの世界には奥行きが出、豊潤になっているように感じる。タイトルにロスト、ラストとつくので、終幕に向けて物語が進展するのかと思いきや、うーむ、まだのようだ。短気な中年はそろそろ展開を見たいぞよ。あやしげな余韻が醸されている。
読了日:6月4日 著者:柳広司

高知ドリーム。四国の反対側でこんなことが起きていたとは、以前勤めた会社の社長まで出てきて私は椅子から転がり落ちる思いがした。高知という地の土着感、人間味を思い出す。鈴太郎氏の引力や勘、感度の良さもさることながら、その特性を知り尽し、自覚もあるからこそこの発想と実績が生まれた。同様に地域密着と称しても他所では無理だ。香川も、中途半端な都会気分と県民性がこの路線を許さないだろう。ああ、いいな。高知FDの試合を見に行きとうなったちや。もちろん足摺テルメ泊りがけ、酒呑みまくりの旅。この本もまた戦略のうちなのだ。
読了日:6月3日 著者:喜瀬雅則

注:

Posted by nekoneko at 14:18│Comments(0)
│読書