2016年06月01日
2016年5月の記録
引越しまで2週間。
となれば、まず要らないのは読み切れない積読本である。
数冊残して箱に詰め、視界から消えた途端、そわそわし始める書物依存症者。
Kindleもあるのだから不自由しない、はずなのに、依存ってこわい。
Kindle本を4冊買いこむ。
積読本87冊。

2016年5月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
部下を持ったら必ず読む 「任せ方」の教科書 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない (ノンフィクション単行本)の感想
部下を持つ身分になったら、どう行動すべきか。そのような社員にどう助言すべきか。上司としての感覚は、日常業務の延長上にない。かといって直属の上司が上司の鑑とは限らない。出口さんだけの経歴を持った方が柔軟な語り口で説明してくれるとは、有難いことである。社員に権限を与えて任せ、責任を持たせる。それができる仕組みをつくる。部下の仕事は60点で我慢する。残り40点は見て見ぬ振りする。任されるからできるようになる。それを信じる。至極納得だが、では、活字を読まないうちの社員にどのように示せばよいか。
読了日:5月30日 著者:出口治明
ダーク・タワー〈4〉魔道師と水晶球〈上〉 (新潮文庫)の感想
場面はローランドの回想へ。スーザンとの運命の出会い。若いふたりの激しい恋と並走するように、キングは端役たちへの軽蔑、憎悪を煽り、読む私の内に町の破滅を願わせる。いざ迎え撃たん。我らがローランド、全てを潰して希薄へ沈めてしまえ。
読了日:5月26日 著者:スティーヴンキング
ガリバー旅行記 (角川文庫)の感想
幼い頃に児童書で読んだので子供向けの物語のように思っていたが、正しく読んでみると全く現代日本の子供には読ませたくない。昔の子供は早熟か耳年増か。時代の風刺といえば風刺、「そんなんないやろ!」と笑い飛ばさせておいて、実は現実を皮肉っている。それにしても、そのためにこれ程長々しい物語を書いたとは、作者の意図が計りかねる。作者が理想とした動物をフウイヌムとした点は興味深い。偶然にも先日読んだ「動物農場」と対を成す展開で、スウィフトは完全に逆転させてしまい、ガリバーが常軌を逸した結末が私には面白かった。
読了日:5月25日 著者:ジョナサン・スウィフト
すっきり暮らす、無印良品の収納 (扶桑社ムック)の感想
新居の収納を考えるにあたって、参考に。思うに、使い勝手は人それぞれなのだから、分けてみて、置いてみて、もう少しなんとかしたいと思うそのときに、見ればよい。無印良品の収納は、寸法に一貫性があって内寸がうまくはまるようになっているのだそうだ。それはさぞ気持ちが良いだろうなぁ。しかしまずは置いてみてから、だ。積み重なると何気に値の張る無印良品だから。
読了日:5月22日 著者:
果つる底なき (講談社文庫)の感想
果つる底なき。タイトルが秀逸だ。果てない空、と聞けば私は窓の外を見上げる。果つる底がないと言われれば、人の心の奥底、どれだけの闇をのぞきこませてくれるかと期待せずにいられなかった。その期待に比べると、度を越してしまった欲望は、人の道に背く所業ではあるのだけれど、エンターテイメントとして闇の深さが若干足りない印象に留まる。孤独の扱いも惜しい。物語としては文句なしに面白いです。
読了日:5月17日 著者:池井戸潤
人生を面白くする 本物の教養 (幻冬舎新書)の感想
幅広いテーマで語られるので走り走りの感はあるが、全体として著者の人柄や人生観を知るにはよい。若い頃、こういう人がメンターとして傍にいてくれたら、どんなにか自分を高められたことだろう。「すごい人」に直に接する。その意味で、いい学校に入ることは自分の為になるのだと得心がいった。野蛮=Wild and Wise。この分野が面白いと自分が思うこと、この人は面白そうだとアンテナを立てること。その動機が知識を深める原動力になり、いつかこの人といると面白そうだと思われる。さて、私が知識を深めたい分野はどこだろう?
読了日:5月16日 著者:出口治明
ひとさじのはちみつ 自然がくれた家庭医薬品の知恵の感想
手づくり石けんからのお付き合いだが、前田京子さんは、人のより自然でいたい気持ちを刺激するのがなんとも上手い。ハチミツを取り入れた暮らしの描写は魅力的で楽しそうだ。ハチミツは日本でそれほど安価なものではない。しかし、ハチミツの歯みがき、ハチミツ水、ハチミツの目薬と、一度にそれほど大量に使うでなし…と、やってみたい気持ちをすでに抑えきれない。できることなら、いつかミツバチを飼いたいな。
読了日:5月12日 著者:前田京子
動物農場 (角川文庫)の感想
搾取する人間を追い出した動物たちが、農場の自治を始める。人間社会を模していることはすぐに知れる。動物たちの行動はまさに人間のもので、その愚かな行為が筋道立てて運ばれる様に、人間が愚かな家畜になった倒錯さえ起こる。著者が投影したのはソビエトだが、私は北朝鮮、さらに現代日本を思い浮かべる。人間の社会腐敗の過程全てといってよい。金と権力を持たない者のうまく言葉に出せない痛みを、著者は代弁する。シュプレヒコールは言葉を塞ぐもの。嫌いだ。他の短編も社会の胸苦しい邪悪さ、醜悪さを描いている。開高健の評に納得と賛同。
読了日:5月12日 著者:ジョージ・オーウェル,GeorgeOrwell
働く君に伝えたい「お金」の教養: 人生を変える5つの特別講義の感想
お金のリテラシー本。著者の博識と良識を信頼する一方、保険会社を経営する著者が保険をどう説明するのか意地悪い期待があった。語り口穏やかに、いつもの「数字とファクト」主義でお金に関する誤解や不安を鮮やかに解いてみせる。保険業界の世界史日本史など、出口さんの面目躍如である。説明は経験と知識に深く裏付けされ、私は全力で自分の保険を見直したくなった。ビジネスモデルを考えるうえでもたかだか戦後ぽっと出の先入概念を払拭する良い刺激になる。いっそ鵜呑みにしたいが、自力で確認するよう著者自身が釘を刺す。むぅ。お勧めです。
読了日:5月11日 著者:出口治明
邪悪なものの鎮め方 (文春文庫)の感想
いつもどおりの編集本。考察それぞれが興味深い。後日この感想を見たとき、私は読んだことは憶えていても内容を覚えているかは怪しい。一方、これらの主題を考えようとするとき、そういえば内田さんがこう言っていたと閃くのだと思う。確かめようとも、もはやどの本に書かれていたか思い出せなそうだが。「邪悪なもの」「聖なるもの」の本態について気になる。昇華とは違うのか…。『もっとも安定的な家族とは、役割が固定している家族ではなく、むしろ「気づかう人間」と「気づかわれる人間」が局面ごとに絶えず入れ替わるような流動性のある家族』
読了日:5月9日 著者:内田樹
注:
はKindleで読んだ本。
となれば、まず要らないのは読み切れない積読本である。
数冊残して箱に詰め、視界から消えた途端、そわそわし始める書物依存症者。
Kindleもあるのだから不自由しない、はずなのに、依存ってこわい。
Kindle本を4冊買いこむ。
積読本87冊。

2016年5月の読書メーター
読んだ本の数:10冊

部下を持つ身分になったら、どう行動すべきか。そのような社員にどう助言すべきか。上司としての感覚は、日常業務の延長上にない。かといって直属の上司が上司の鑑とは限らない。出口さんだけの経歴を持った方が柔軟な語り口で説明してくれるとは、有難いことである。社員に権限を与えて任せ、責任を持たせる。それができる仕組みをつくる。部下の仕事は60点で我慢する。残り40点は見て見ぬ振りする。任されるからできるようになる。それを信じる。至極納得だが、では、活字を読まないうちの社員にどのように示せばよいか。
読了日:5月30日 著者:出口治明


場面はローランドの回想へ。スーザンとの運命の出会い。若いふたりの激しい恋と並走するように、キングは端役たちへの軽蔑、憎悪を煽り、読む私の内に町の破滅を願わせる。いざ迎え撃たん。我らがローランド、全てを潰して希薄へ沈めてしまえ。
読了日:5月26日 著者:スティーヴンキング

幼い頃に児童書で読んだので子供向けの物語のように思っていたが、正しく読んでみると全く現代日本の子供には読ませたくない。昔の子供は早熟か耳年増か。時代の風刺といえば風刺、「そんなんないやろ!」と笑い飛ばさせておいて、実は現実を皮肉っている。それにしても、そのためにこれ程長々しい物語を書いたとは、作者の意図が計りかねる。作者が理想とした動物をフウイヌムとした点は興味深い。偶然にも先日読んだ「動物農場」と対を成す展開で、スウィフトは完全に逆転させてしまい、ガリバーが常軌を逸した結末が私には面白かった。
読了日:5月25日 著者:ジョナサン・スウィフト


新居の収納を考えるにあたって、参考に。思うに、使い勝手は人それぞれなのだから、分けてみて、置いてみて、もう少しなんとかしたいと思うそのときに、見ればよい。無印良品の収納は、寸法に一貫性があって内寸がうまくはまるようになっているのだそうだ。それはさぞ気持ちが良いだろうなぁ。しかしまずは置いてみてから、だ。積み重なると何気に値の張る無印良品だから。
読了日:5月22日 著者:

果つる底なき。タイトルが秀逸だ。果てない空、と聞けば私は窓の外を見上げる。果つる底がないと言われれば、人の心の奥底、どれだけの闇をのぞきこませてくれるかと期待せずにいられなかった。その期待に比べると、度を越してしまった欲望は、人の道に背く所業ではあるのだけれど、エンターテイメントとして闇の深さが若干足りない印象に留まる。孤独の扱いも惜しい。物語としては文句なしに面白いです。
読了日:5月17日 著者:池井戸潤

幅広いテーマで語られるので走り走りの感はあるが、全体として著者の人柄や人生観を知るにはよい。若い頃、こういう人がメンターとして傍にいてくれたら、どんなにか自分を高められたことだろう。「すごい人」に直に接する。その意味で、いい学校に入ることは自分の為になるのだと得心がいった。野蛮=Wild and Wise。この分野が面白いと自分が思うこと、この人は面白そうだとアンテナを立てること。その動機が知識を深める原動力になり、いつかこの人といると面白そうだと思われる。さて、私が知識を深めたい分野はどこだろう?
読了日:5月16日 著者:出口治明


手づくり石けんからのお付き合いだが、前田京子さんは、人のより自然でいたい気持ちを刺激するのがなんとも上手い。ハチミツを取り入れた暮らしの描写は魅力的で楽しそうだ。ハチミツは日本でそれほど安価なものではない。しかし、ハチミツの歯みがき、ハチミツ水、ハチミツの目薬と、一度にそれほど大量に使うでなし…と、やってみたい気持ちをすでに抑えきれない。できることなら、いつかミツバチを飼いたいな。
読了日:5月12日 著者:前田京子

搾取する人間を追い出した動物たちが、農場の自治を始める。人間社会を模していることはすぐに知れる。動物たちの行動はまさに人間のもので、その愚かな行為が筋道立てて運ばれる様に、人間が愚かな家畜になった倒錯さえ起こる。著者が投影したのはソビエトだが、私は北朝鮮、さらに現代日本を思い浮かべる。人間の社会腐敗の過程全てといってよい。金と権力を持たない者のうまく言葉に出せない痛みを、著者は代弁する。シュプレヒコールは言葉を塞ぐもの。嫌いだ。他の短編も社会の胸苦しい邪悪さ、醜悪さを描いている。開高健の評に納得と賛同。
読了日:5月12日 著者:ジョージ・オーウェル,GeorgeOrwell


お金のリテラシー本。著者の博識と良識を信頼する一方、保険会社を経営する著者が保険をどう説明するのか意地悪い期待があった。語り口穏やかに、いつもの「数字とファクト」主義でお金に関する誤解や不安を鮮やかに解いてみせる。保険業界の世界史日本史など、出口さんの面目躍如である。説明は経験と知識に深く裏付けされ、私は全力で自分の保険を見直したくなった。ビジネスモデルを考えるうえでもたかだか戦後ぽっと出の先入概念を払拭する良い刺激になる。いっそ鵜呑みにしたいが、自力で確認するよう著者自身が釘を刺す。むぅ。お勧めです。
読了日:5月11日 著者:出口治明

いつもどおりの編集本。考察それぞれが興味深い。後日この感想を見たとき、私は読んだことは憶えていても内容を覚えているかは怪しい。一方、これらの主題を考えようとするとき、そういえば内田さんがこう言っていたと閃くのだと思う。確かめようとも、もはやどの本に書かれていたか思い出せなそうだが。「邪悪なもの」「聖なるもの」の本態について気になる。昇華とは違うのか…。『もっとも安定的な家族とは、役割が固定している家族ではなく、むしろ「気づかう人間」と「気づかわれる人間」が局面ごとに絶えず入れ替わるような流動性のある家族』
読了日:5月9日 著者:内田樹

注:

Posted by nekoneko at 08:49│Comments(0)
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