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2018年06月01日

2018年5月の記録

忙しい実感があるわりに、読んでいるものだと感慨。
だたし細切れの時間で読むので、それなりにしか読めていない。
長編小説を、朝から晩までかけて、一気呵成に読むような贅沢がしたい。
あ、「金色機械」はそんな感じで読んだのだったか…。

<今月のデータ>
購入12冊、購入費用13,550円。
読了10冊。
積読本107冊(うちKindle本18冊)。

ブック

5月の読書メーター
読んだ本の数:10

ダークタワー IV‐1/2 鍵穴を吹き抜ける風 (角川文庫)ダークタワー IV‐1/2 鍵穴を吹き抜ける風 (角川文庫)感想
キングがこれを書いたのはシリーズ完結の何年も後だ。ということは、キングはこの物語を書き足す必要を感じていた訳で、それは何だったか。懐かしい我らがカ・テットの描写はわずかで、彼らにローランドが語った話こそが肝。これは少年がガンスリンガーになる物語であり、ローランドの両親との物語である。ローランドの母の姿が浮かび上がる他方で、私は物語の持つ力のことを思っていた。鍵穴を吹き抜ける風。鍵穴は語り手や本で、風が物語。この物語が幼いローランドに与えたものは大きかった。『老若男女、だれもがお伽噺のために生きている』。
読了日:05月31日 著者:スティーヴン・キング

この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかたこの世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた感想
人間社会がなんらかの大打撃を受け、休みなく動き続けるシステムが崩壊した世界は、多くの小説に描かれてきた。著者は一つの思考実験として、人間が深化させた科学知識をもって、ただし専門家や特異な道具は用いずに社会を再建する方法を辿ってみせる。これは現在享受する生活を顧みさせる点で、かのトースター自作挑戦の裏返しだ。現代人が自力で、今と同等の生活を送ることは不可能である。一方で凄まじく細分化かつ専門化される前の英知は気高くも感じた。環境持続可能性や資源リサイクルの観点から、新しい気づきも多く生まれる知的アプローチ。
読了日:05月30日 著者:ルイス ダートネル ファイル

ナムル100 (講談社のお料理BOOK)ナムル100 (講談社のお料理BOOK)感想
つくり置きできる重宝な副菜、ナムル。調味だれは基本として4種類紹介されており、これは携帯に画像保存。野菜は何でもよくて、茹でる、炒める、蒸す、または生でもよいという。なんとなく野菜は1種類と思っているけれど、2種類だってOK。焼き海苔やわかめ、さきいかを一緒に和えるのは美味しそう。とりあえず、ほうれんそう、小松菜、ブロッコリー、キャベツ、もやし、アスパラ、絹さや、オクラ、人参、きゅうり、ジャガイモ、エリンギ、ズッキーニ、茄子、大根、ゴボウ、レンコン、かぶ、長芋あたりを4つの味で使い回すことにする。
読了日:05月28日 著者:チョン・テキョン ファイル

ようこそ地球さん (新潮文庫)ようこそ地球さん (新潮文庫)感想
昭和36年までの初期短編集。文章は平易で、漫画や演劇のようなドラマチックさが全面に出て、気軽な読み物として支持されただろう。努めて時事物は扱わないようにしたとのことだが、時代の空気や思想は漂うものである。未来に対して、また人間に対して、シニカルなものが主だ。当然のことながら、短編より短いのでとにかく数が多い。作家が発想したアイデアは、中長編小説ならば卵の時点で吟味厳選されるのだろうが、ショートショートの場合はわりに多くが作品になっていそうだ。などと言うと、軽く見ていると言われるのだろう。私は、読み疲れた。
読了日:05月23日 著者:星 新一 ファイル

金色機械金色機械感想
恒川さんの長編は嬉しく、のめるように読んだ。金色様の存在を軸に、数多の人の生が描かれる。時代と視点を行き来しつつ、様々の不思議が解かれる趣向だ。保たれるべく周到に図られた遺産やシステムも、人の世が移ろえばいずれ滅びることを免れない。その代り『敵も味方も、いずれは交じりあい、その子らは睦みあい、新たな世を創るでしょう』。金色様、否、「彼女」にはわかっていたのだろう。人の胸の内、人と人の間、ひいては社会の在り方。善悪より、清濁という人間の持つ自然の性質を思った。各章のタイトルに恒川さんらしい色気があって好い。
読了日:05月20日 著者:恒川 光太郎

ダチョウの卵で、人類を救います! : アトピー、新型インフルエンザ、HIVも撃墜する夢の抗体発見秘ダチョウの卵で、人類を救います! : アトピー、新型インフルエンザ、HIVも撃墜する夢の抗体発見秘感想
何の分野においても「好き」は破格の推進力を発揮する。ダチョウが好きで、ずっと眺めていて、ダチョウが怪我や病気に強いことに気づき、抗体をつくる能力が高いと推測したのが端緒。大学で研究予算が削られる中、文部科学省の助成を受けて研究成果を挙げ、大学発ベンチャーとして産業に結びつけた事例でもある。ダチョウを殺さなくても、卵から抗体を採れるところが秀逸。『生命力を借りる』。生き物への敬意を持ちつつ、研究に取り組む姿勢が好感大だ。応援したいので、まずはダチョウ力マスクを花粉症の父にプレゼントする。タイトルに偽りなし。
読了日:05月18日 著者:塚本 康浩 ファイル

薬石としての本たち薬石としての本たち感想
やく‐せき【薬石】いろいろの薬や治療法。書評ではなく、ご自身の人生において鍵となる本と、それにまつわる随想から成る。それぞれが長めでなので、ほとんど半生記だ。南木佳士の文章に「何がないか」はわからないものだが、ご本人は身に実感できない言葉、さらに「心」という言葉は使わないとここに書いている。だからこそ、浮つかない、人そのものの有り様が、静かに自分を整える助けになるのだなと納得した。『人の真実は水深ゼロメートルにある』。歩くこと、山を望むこと、身体(からだ)と心。これらを結びつける穏やかな生活のお手本。
読了日:05月17日 著者:南木 佳士 ファイル

ひとりでは生きられない ある女医の95年 (集英社文庫)ひとりでは生きられない ある女医の95年 (集英社文庫)感想
養老先生の母堂による随想録。真剣に好きなことをするのが人生との主義から、その人生は自由奔放でロマンチックで、気風は子供達に受け継がれているようだ。だが一方、二人目の夫つまり養老先生の尊父は昭和17年、33歳の若さで粟粒結核により亡くなっているので、苦労がない訳がない。本人はわがままに生きたと言うけれど、「八百屋の店先でリンゴをかじりながら買い物をする」姿も、傍からは真剣かつ鮮やかな生き方に見えたのではないだろうか。解説は養老先生。親は親であるので客観的な解説などできるかと、閉口した苦い顔が見えるようだ。
読了日:05月11日 著者:養老 静江

生き物はどのように土にかえるのか: 動植物の死骸をめぐる分解の生物学生き物はどのように土にかえるのか: 動植物の死骸をめぐる分解の生物学感想
分解の生態学。動物や植物の分解過程、理論を易しく説明しており、より深く知るための導入としても良さそう。遺体分解帯など知らない事は多い。さて私の関心事はいつか来る愛猫の埋葬。炉での火葬より、土に還してやりたいと思うようになった。土に還る速度は気温や土地の性質に大きく左右される。埋めるより置く、つまり鳥葬が最も早く土に還るようだが、日本人としては忌避感が半端ない。「棺に入れて土葬」が最も土に還るのが遅い埋葬法との指摘が興味深い。『土に「還る」のではなく、生物と無生物の間、大気と大海と土の中の「循環」』。
読了日:05月07日 著者:大園 享司

歴史に「何を」学ぶのか (ちくまプリマー新書)歴史に「何を」学ぶのか (ちくまプリマー新書)感想
半藤さんは歴史の”本当”を発見した者の責任であるかのように発言と著作を重ねてきた。DVD監修や、このプリマー新書も、少しでも多くに事実を届けたい思いからだろう。義務教育の「歴史」は勝者の論理、官修戦史の色を残す。『あの戦争をよく知らずにいたら、日本人はまた間違いを犯しかねない』。関東軍のような謀略や、政治家による権謀術数、民衆操縦を許してはならないし、その余地を憲法や法律に残してはならないのだ。戦争の悲惨さが忘れられるのに40年、為政者が替わり、自国中心主義から新たな戦争に向かうのに40年との史観怖し。
読了日:05月06日 著者:半藤 一利


注:ファイルはKindleで読んだ本。


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