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2019年02月01日

2019年1月の記録

今日の晩ごはんは私ひとり! ということはゆっくり本が読める!
この思考の短絡がすでに病的。
たくさん本を読んでいるのね、という言葉には苦笑いしか出ない。

<今月のデータ>
購入14冊、購入費用18,662円。
読了12冊。
積読本149冊(うちKindle本46冊)。


ブック

1月の読書メーター

ジョイランド (文春文庫)ジョイランド (文春文庫)感想
キングにしては薄味な小説。主人公が二十歳そこそこの男の子だから同調できないんだろうか。それを言うならキングは還暦を越えているのだ。薄味な小説ができたことに気づいていたから、ハードカバーじゃなくペーパーバックで出したんじゃないかなんて勘ぐった。ジョイランド、お楽しみを売る場所。場としては申し分ないのだし、いくらでもホラーにできるのに。いたいけな子供に楽しませるのに、あんまり俗悪でおどろおどろしい過ぎる場所にはしたくなかったのかもね。短くても、「ドロレス・クレイボーン」みたいな濃密なやつ読みたい。
読了日:01月27日 著者:スティーヴン キング

八甲田山 消された真実八甲田山 消された真実感想
ヤマケイだから登山家による検証と思いきや、著者は元自衛官だ。生存者の証言と報告書の齟齬、自衛官の知識から事実を綿密に断定していく。驚愕の連続だった。明治後期、日本陸軍は雪中行軍の訓練が急務だった。しかし経験も準備もなく雪山越えを命じたら、遭難は必至だ。さらに責任逃れの為、報告書は嘘だらけ。著者は津川聯隊長の無能を最たる遭難原因とした。だが私は組織の危うさを挙げたい。階層の硬直的な組織は、過ちを犯しやすい。判断ミスや事実の歪曲、見栄、讒言。死人さえ出なければ、発表されず隠ぺいされる事故も多いと察せられる。
遭難して部隊の形を成さなくなれば、一人でも多く生き残ることが最重要命題だろう。パニックで部隊から離れた隊員は、生き延びるという人間の本能に最も忠実だ。個の利己を殺して多数が生き延びる可能性があるなら離反も責められようが、どう考えても全滅の様相だった。現に、早々に炭焼小屋に潜伏した隊員が生存者の多数を占める。ここで指揮系統や離反などを問題視する著者の筆致に激しい違和を感じた。
読了日:01月26日 著者:伊藤 薫 ファイル

ドキュメント 道迷い遭難 (ヤマケイ文庫)ドキュメント 道迷い遭難 (ヤマケイ文庫)感想
悪夢を見そうだ。登山中に道に迷い遭難した幾多の実例。その中に自分の姿を見る思いがする。山歩きの最中に迷っても、戻れる場合は多々ある。しかし自力で下山できない、さらに生還できない場合との差は僅かだ。「迷ったら引き返す」「迷ったら沢を下るな。尾根に上がれ」の鉄則の他、「踏み跡は絶対ではない」「冷静になれ」を加えたい。焦ると私はよく転んだ。怪我をすると戻れるものも戻れない。遭難して彷徨う範囲がほんの数kmのケースもあってぞっとした。本能が発する危険信号と、楽に危機を逃れたい願望の相克とは著者の指摘。肝に銘ずる。
ライター、発煙筒、テープ(赤以外)を装備に追加のこと。
読了日:01月20日 著者:羽根田 治 ファイル

武術 1990年冬号 (武術)武術 1990年冬号 (武術)感想
教わっている老架式陳氏太極拳の資料に"銭源澤老師"とあったので検索してみたところ、八卦掌特集の著者として掲載されていたので入手した。高松市太極拳協会の招聘で来日されたとあるから、この頃、先生は銭源澤氏に太極拳や八卦掌を教わっていたのだろう。八卦掌もどこまで進めるかわからないが、そのうち先生にも聞いてみよう。さて1990年といえば日本において中国武術はまだ新しく、模索する時期だった。武術太極拳全日本大会も第6回とある。審判や点数付けの検証記事に熱が入っている。動きを写真と文章で説明する工夫に時代を感じた。
頭頂、舌頂、身正、足平、胸涵、肩鬆、肘垂、気沈。走圏は直径3m程度を趟泥歩で歩く。
読了日:01月20日 著者:福昌堂

消えゆく沖縄 移住生活20年の光と影 (光文社新書)消えゆく沖縄 移住生活20年の光と影 (光文社新書)感想
沖縄県民の84.1%が沖縄に誇りを感じるという。一方で沖縄を破壊しているのも沖縄県民自身だ。よき沖縄が失われることへの焦り。沖縄が好きだ。申し訳ないと思っている。沖縄のためになにかしたい。しかし外から見ているだけの本土人が何をと拒まれれば、途方に暮れるしかないのか。首里王府が八重山諸島を接収、薩摩藩、日本政府が琉球を接収、米軍が沖縄を接収。沖縄の歴史は、搾取の入れ子構造だ。多層化した被害者意識。誰もがそれぞれの立場で沖縄に幻影を抱いている。こじれすぎて、著者にも解決の光は見えていない。殺伐とした読後感だ。
読了日:01月18日 著者:仲村 清司 ファイル

図解 中国武術 (F-Files No.022) (F‐Files)図解 中国武術 (F-Files No.022) (F‐Files)感想
本書で中国武術全体を把握するのは難しい。用語解説と分類程度で、思想はまず無理。それも致し方ない。古来中国において武術は各村単位で存在したし、異能の人が出て門派をまとめたところで、弟子たちがまた分派していく。整理する類のものでもないから、伝説、異説も多い。拳形など用語や用法が似たり、武器が共通なのも、区別しづらい要因だ。日本に"中国武術"が入ってきたのは1980年代、国交正常化後と日は浅い。元々野外で練習するものであり、演武服もごく新しい。だからペラペラなのね。伝統拳を名乗れど、真価は注意深く見定めるべし。
現在日本で教室を開いて教えている人たちは、だいたい日本における第一期生で、中国人の先生から教わっているだろう。しかし年数からすると、日本人から教わった人も増えているだろう。元々、見えない部分が大事な類のものである。最終的には思想あっての強さだから、昨今のお手軽化、西洋化により、中国武術の精神や思想の部分は、少なくとも日本ではみるみる失われていると予想する。情報に踊らされず、自分から動いていかないと、やってるつもりで求めるものから遠ざかっている事態もありそうだ。
なにげに、中国武術に対する見方が改まった感がある。一つには、「中国武術」の「何々流何々門派」ときっちり体系化、概念化する必要はどこにもない、自分が強さを求めて修練する門派、流派が唯一のものでよいと気づいたこと。あるいは、日本における中国武術の歴史が浅い以上、教わっている先生の中には本物に対する認識と、これからへの危惧があるはずで、それをも私たちに伝える方法を探っている様子があると気づいたこと。だから台湾へ連れて行きたいのだ。先生との何気ない会話の、実は裏にあったものに気づく事もあって、意外に為になった。
読了日:01月17日 著者:小佐野 淳

月刊 秘伝 2015年 09月号月刊 秘伝 2015年 09月号感想
八卦掌の概略を知りたくて、特集号を探し当てた。太極拳と同じ内家拳ではあるものの、だいぶ違う気配がする。今やっているのは「走圏」という八卦掌独特の修練法であると知る。「平起平落」という要訣、『足を上げるときに吸って、下ろしながら吐く』を軽く覚えておくこと。筋肉の螺旋構造に沿い、龍のように『捻ることで全身を繋げる』とある。流派により多少違う可能性があるので、キーワード「捻り」と覚えておく。湯川さんのエッセイは謙虚で好きだ。今号は鏡の功罪について。肝心は内観。視覚的フィードバックに惑わされ過ぎないよう自戒した。
読了日:01月15日 著者:

日本沈没 第二部〈下〉 (小学館文庫)日本沈没 第二部〈下〉 (小学館文庫)感想
これで小松左京が納得したのなら、読者が四の五の言うことは無いのだが。いかに小松左京の文章が簡潔で切れ味が良かったかを、痛感させられた。たぶん、構成はいい。しかしくどくどしく説明を連ねることで速度とキレを失い、架空を読者に飲み込ませられなくなった感が強い。その贅肉を除いてみれば、筋肉が発達不足。もっと物語を深めることができたはずだ。さて、国家を失った日本人については、ウチとソトという感覚が秩序になりうると思った。ウチだと思えるコミュニティがあれば、枠はなくとも日本人であれるのではないかと思えてきた。
読了日:01月15日 著者:小松 左京,谷 甲州 ファイル

犬に名前をつける日犬に名前をつける日感想
ほんとは映画も観たかったのだけれど。愛犬を亡くしたことから、著者はイギリスを訪れ、日本でも動物愛護に関わる活動家と会い、犬たちの置かれた状況を多くの人に訴えるべく映像を撮り始める。だから、内容は動物愛護の初歩であり、著者の感情が文章に強く出すぎて苛々させられる部分もある。いずれにせよ、たくさんの人に知ってもらうことが大事。ペットショップで犬猫を買う人がどんどん減りますように。私は活動の方向性を整理する時期にきている。したいこと、できることを読みながらあれこれ考えた。私もこれからは「動物保護活動」と言おう。
読了日:01月14日 著者:山田あかね

図解 99%の人がしていない たった1%のリーダーのコツ図解 99%の人がしていない たった1%のリーダーのコツ感想
自分が会社で古株になり、自然とリーダー的立場に立たされることに社員が戸惑っているように見えるので、いつものように文字の少ない図解版を会社の本棚へ。Tipsのように見開きワンテーマになっているので、どれからでも気に留めてもらえれば嬉しい。それにしても、私もいつの間にか成長したらしい。社員に期待するとか依頼するとか、はたまた気持ちに訴えるとか自尊心をくすぐるとか、だいぶ上手くなったのは年の功か。そのうち、「あのすっとぼけ婆あめ!」と裏で毒づかれるようになるのだろう(笑)。社員が成長してくれるなら、それもよし。
読了日:01月13日 著者:河野 英太郎

日本沈没 第二部〈上〉 (小学館文庫)日本沈没 第二部〈上〉 (小学館文庫)感想
「日本沈没」で小松左京は、数多の日本人を死なせた結末、その後さらに日本人が苦境に陥る展開の必然性に苦しみ、続編を書けなかったという。共著者の力を得た続編で書きたかったもの。国土を亡くすということの意味。国土が無いとは、安住できる家が持てないということ。いつまでも余所者と憎まれていなければならないということ。ユダヤ人の建国の願いは当然で、国を失った難民の流浪はどこまでも悲しい。上巻はこれ以上なく悲惨な事態で終わるが、これも世界全体を見渡せば決して稀ではない。だからこそ今ある国の断片を守ろうと彼らは奔走する。
読了日:01月12日 著者:小松 左京,谷 甲州 ファイル

間違う力 (角川新書)間違う力 (角川新書)感想
なにより驚いたのは、これが8年前に書かれたものの新書化だということ。高野さんは8年前には既に、自分が間違っていることを自覚していたらしい。考えは今も変わりないそうなので、若い頃に間違ってしまっておけば、人間は大人になっても概ね修正が利かないということがわかる。私は今年は大いに間違えようと思ってこの本を年初1冊目に選んだのだが、遅かろうとも頑張りたい。キーワードは『暴走や迷走と紙一重』。これまでの遍歴と指向の基となる考え方がまとめて書かれている。高野さんの頭の良さが如実に表れてしまっている、為になる本。
読了日:01月03日 著者:高野 秀行 ファイル


注:ファイルはKindleで読んだ本。


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