2011年11月01日
10月の読書
10月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:2980ページ
ナイス数:51ナイス

ふつうがえらい (新潮文庫)
短いエッセイがたくさん。家族のこと、友人のこと、どれも著者の暮らしにまつわるエピソード。地に足の着いたたくましさ。身の丈の幸せ。身体で感じる世界を生きていく強さ。人間が発散できる限りのエネルギーを発散しているような勢いのある文章。このまんまの人なのだろうな、と読みながら思う。 "人生そのものが、少しずつわかって来るものだからで、少しずつわかって来た時、やっぱ何にもわかんないんだという事がしみじみわかって謙虚になれる"。上品でも美しくもない文章だけど、なんだか魂がいい食事をしたような読後感がした。
読了日:10月30日 著者:佐野 洋子
ちょんまげぷりん 2 (小学館文庫)
1の続き。速度も雰囲気も同じ。肩入れしにくかったのは、身体的痛みを伴う場面が多く、それすらも同じ速度で進んでしまったからか。
読了日:10月28日 著者:荒木 源
ちょんまげぷりん (小学館文庫)
いかにもメディア受けする派手な要素で、くるりくるりと展開する物語。しかしひとつひとつの展開に一定して混ざりこむ、女性の心の願望、綾、澱が響いてきて、真剣に考えこむところまではいかなくとも、楽しんで読める。
読了日:10月27日 著者:荒木 源
電子書籍の時代は本当に来るのか (ちくま新書)
日米における電子書籍への試みを各々述べた後、アマゾンとアップルの動向を書いている。日本の出版社が合同して電子書籍の普及を試みたことから、書籍の電子化自体はさほどのハードルでないようだ。以上が1章。厳密に「本」のことだけ書いている本ではない。 2章は全世界の書籍を電子化し公開しようとしたグーグルの試み、3章はウェブ上に公開されたニュース記事と課金収入、電子新聞についての新聞業界の試みが書かれている。 出版後1年、電子メディアはさらに進んでいる。業界の存続を賭け、新旧含めた大企業が新しい試みを続けている。
読了日:10月23日 著者:歌田 明弘
自分と子どもを放射能から守るには(日本語版特別編集)
1986年のチェルノブイリ原発事故以降ベラルーシに住む住民の身体は汚染され続け、放射能汚染から身体を守るための研究が続けられた。2003年、得られた研究結果を健康に生きる知識とするために一般住民向けに出版されたのがこの本。身をもって検証し、得た知恵を分けていただく。 ベラルーシ人を被曝させ続けたのは、食物に含まれた放射性物質。いちばんは放射能物質を体内に入れないこと。放射性物質をたくさん含む食物を避けること。食品放射能を減らして摂取すること。体内からはやく排出させること。その実践方法は大いに役立ちそうだ。
読了日:10月21日 著者:ウラジーミル・バベンコ,ベラルーシ・ベルラド放射能安全研究所
夜明けの街で (角川文庫)
ミステリとしては、最後30ページを読めば満足かな。
読了日:10月16日 著者:東野 圭吾
青い雨傘 (文春文庫)
学生の頃、「樹影譚」の文章に感銘を受けた記憶があって、手に取ったエッセイ。日本語への関心と博学ぶりは相変わらず、しかしなんともくだけた雰囲気で、気安く読める。 例えば近所に住む教養の高いおじさんと偶々地区の寄り合いで隣同士になって、なにか会話の弾んだような、まぁそれにしては、話好きなおじさんやわ、と少なからず思うような感じ。
読了日:10月15日 著者:丸谷 才一
音もなく少女は (文春文庫)
詩的叙情的な表現が多く、意図のわからない文章が多くあった。この翻訳はよいのだろうか? ブロンクスという土地、アメリカの底辺層、人種の混在、その歴史を背景とする。いずれも日本に生きる私には肌で捉えられない。言葉の選び方が難しいが、生まれながらになにか(聴覚や愛情、お金)を欠損した人間と、与えることのできる人間を核とする物語である。 原題"WOMAN"がよいのに変えるとはもったいない。強い女。不条理にも耐え抜くことのできる強さ。そして弱き者、理不尽を生む者は、貧困に住む少なからぬ男たちと逆らえない女たち。
読了日:10月11日 著者:ボストン テラン
ネコと暮らせば ―下町獣医の育猫手帳 (集英社新書)
猫の習性、食事、健康等、まんべんなく書かれている。なにかを知りたいときに、それについて書かれた箇所を見つけるのは難しいかもしれない。 ペットフードの危険を説きながら安いペットフードを与えていたり、外飼いの危険を説きながら、人間は猫を人間の生活に馴染ませようとしていると主張してみたり、日の浅い飼い主は混乱するのでは。おそらく一般通念と、長期に培われた価値観のダブルスタンダードが文章に混在している。さらに猫がお好きなため、饒舌に横道へそれる。読みにくかった。
読了日:10月09日 著者:野澤 延行
おおきな木
どうやら以前にも読んだことがあるようだ。と思うくらい、なぜか私には印象が薄い。かけらの話は好きなのに。
読了日:10月08日 著者:シェル・シルヴァスタイン
バックマン・ブックス〈4〉死のロングウォーク (扶桑社ミステリー)
何度目かの再読。 100通りの死。このありえない物語を読みながら切なくなる。歩くという行為は特別の不調がない限り身体だけのものだ。ただ歩き続ける間、時間のあるぶん人は哲学し、語り、悟る。生命が逼迫した状況下の思考には真実の欠片が光っている。 近年の本邦の授賞作を連想するが、"たくさんの若者が歩く"以外共通しない。
読了日:10月03日 著者:スティーヴン キング,リチャード・バックマン
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:2980ページ
ナイス数:51ナイス


短いエッセイがたくさん。家族のこと、友人のこと、どれも著者の暮らしにまつわるエピソード。地に足の着いたたくましさ。身の丈の幸せ。身体で感じる世界を生きていく強さ。人間が発散できる限りのエネルギーを発散しているような勢いのある文章。このまんまの人なのだろうな、と読みながら思う。 "人生そのものが、少しずつわかって来るものだからで、少しずつわかって来た時、やっぱ何にもわかんないんだという事がしみじみわかって謙虚になれる"。上品でも美しくもない文章だけど、なんだか魂がいい食事をしたような読後感がした。
読了日:10月30日 著者:佐野 洋子

1の続き。速度も雰囲気も同じ。肩入れしにくかったのは、身体的痛みを伴う場面が多く、それすらも同じ速度で進んでしまったからか。
読了日:10月28日 著者:荒木 源

いかにもメディア受けする派手な要素で、くるりくるりと展開する物語。しかしひとつひとつの展開に一定して混ざりこむ、女性の心の願望、綾、澱が響いてきて、真剣に考えこむところまではいかなくとも、楽しんで読める。
読了日:10月27日 著者:荒木 源

日米における電子書籍への試みを各々述べた後、アマゾンとアップルの動向を書いている。日本の出版社が合同して電子書籍の普及を試みたことから、書籍の電子化自体はさほどのハードルでないようだ。以上が1章。厳密に「本」のことだけ書いている本ではない。 2章は全世界の書籍を電子化し公開しようとしたグーグルの試み、3章はウェブ上に公開されたニュース記事と課金収入、電子新聞についての新聞業界の試みが書かれている。 出版後1年、電子メディアはさらに進んでいる。業界の存続を賭け、新旧含めた大企業が新しい試みを続けている。
読了日:10月23日 著者:歌田 明弘

1986年のチェルノブイリ原発事故以降ベラルーシに住む住民の身体は汚染され続け、放射能汚染から身体を守るための研究が続けられた。2003年、得られた研究結果を健康に生きる知識とするために一般住民向けに出版されたのがこの本。身をもって検証し、得た知恵を分けていただく。 ベラルーシ人を被曝させ続けたのは、食物に含まれた放射性物質。いちばんは放射能物質を体内に入れないこと。放射性物質をたくさん含む食物を避けること。食品放射能を減らして摂取すること。体内からはやく排出させること。その実践方法は大いに役立ちそうだ。
読了日:10月21日 著者:ウラジーミル・バベンコ,ベラルーシ・ベルラド放射能安全研究所

ミステリとしては、最後30ページを読めば満足かな。
読了日:10月16日 著者:東野 圭吾

学生の頃、「樹影譚」の文章に感銘を受けた記憶があって、手に取ったエッセイ。日本語への関心と博学ぶりは相変わらず、しかしなんともくだけた雰囲気で、気安く読める。 例えば近所に住む教養の高いおじさんと偶々地区の寄り合いで隣同士になって、なにか会話の弾んだような、まぁそれにしては、話好きなおじさんやわ、と少なからず思うような感じ。
読了日:10月15日 著者:丸谷 才一

詩的叙情的な表現が多く、意図のわからない文章が多くあった。この翻訳はよいのだろうか? ブロンクスという土地、アメリカの底辺層、人種の混在、その歴史を背景とする。いずれも日本に生きる私には肌で捉えられない。言葉の選び方が難しいが、生まれながらになにか(聴覚や愛情、お金)を欠損した人間と、与えることのできる人間を核とする物語である。 原題"WOMAN"がよいのに変えるとはもったいない。強い女。不条理にも耐え抜くことのできる強さ。そして弱き者、理不尽を生む者は、貧困に住む少なからぬ男たちと逆らえない女たち。
読了日:10月11日 著者:ボストン テラン

猫の習性、食事、健康等、まんべんなく書かれている。なにかを知りたいときに、それについて書かれた箇所を見つけるのは難しいかもしれない。 ペットフードの危険を説きながら安いペットフードを与えていたり、外飼いの危険を説きながら、人間は猫を人間の生活に馴染ませようとしていると主張してみたり、日の浅い飼い主は混乱するのでは。おそらく一般通念と、長期に培われた価値観のダブルスタンダードが文章に混在している。さらに猫がお好きなため、饒舌に横道へそれる。読みにくかった。
読了日:10月09日 著者:野澤 延行

どうやら以前にも読んだことがあるようだ。と思うくらい、なぜか私には印象が薄い。かけらの話は好きなのに。
読了日:10月08日 著者:シェル・シルヴァスタイン

何度目かの再読。 100通りの死。このありえない物語を読みながら切なくなる。歩くという行為は特別の不調がない限り身体だけのものだ。ただ歩き続ける間、時間のあるぶん人は哲学し、語り、悟る。生命が逼迫した状況下の思考には真実の欠片が光っている。 近年の本邦の授賞作を連想するが、"たくさんの若者が歩く"以外共通しない。
読了日:10月03日 著者:スティーヴン キング,リチャード・バックマン
Posted by nekoneko at 17:49│Comments(0)
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