2015年06月01日
2015年5月の記録
思い立って勉強を始めました。
会社員である以上、削られる時間は本を読む時間であるわけで。
ペースはスローダウンしています。
合わせて、3か月後のイベントに向けて本の購入をぎりぎりまで絞ります。
そう決めてたった数日で、既に煩悶している有り様(笑)。
秋になにが起こるか? それはお楽しみ。
積読本101冊。気になっている本403冊。

2015年5月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐の感想
病を得た命に相対するとき、3つの対処があると思った。医療、宗教、自然だ。死にかけた者に対し、医療に頼りすぎることや、宗教に頼りすぎることが、なにかを損なうこともあるのではないかと感じたのだ。『身体とは何か。生命とは何か。』身体とは自然。生命とは自然と、私はまだ答えられない。一方、鳥が種を運び、新しい地に植物が根付くように、人が移り住み、植物や動物の交雑から毒や病を生む根源となることもまた自然なのか。ヴァンたちにその答えがあるのか。さあ下巻へ。上橋さんの答えは、きっとそこにある。
読了日:5月31日 著者:上橋菜穂子
勝手にふるえてろ (文春文庫)の感想
若い女の身体の中で膨らむ気持ち、あまりに内圧が高まり過ぎて滔々と溢れる言葉を書かせたら綿矢りさは第一級だと思う。外界、特に関心のない者への辛辣さは身勝手すぎて我が身を省みてしまう。ヒリヒリ感に身の置き所がなくそわそわしてきて、だから最後の、すこんと抜けていく抜け間がとても気持ちいい。勝手にふるえてろと殻を一枚脱ぎ捨てた彼女に置き去りにされるのは幼かった彼女であり、幻想であり、私だ。
読了日:5月30日 著者:綿矢りさ
レスポンシブル・カンパニーの感想
今も「沈黙の春」は終わっていないのだ。綿を栽培する為の土壌汚染、布を染める為の水質汚染、生産者の健康被害と搾取。より安い商品を求める程、環境への配慮を省いたぶんの膨大なツケを地球に払わせている。パタゴニアは自然や動物、生産者への配慮が世界に先進する企業だ。アウトドア派創業者のトップダウン方式だが、雰囲気を社内から社外へと醸成していく様子がわかる。自社の環境負荷を知る。改善を心がける。特に得た知識を社内外の人と共有することを強調している。企業の可能性の証明であり、企業が責任を果たすための道筋を示してくれる。
読了日:5月20日 著者:イヴォン・シュイナード,ヴィンセント・スタンリー
阿弥陀堂だより (文春文庫)の感想
自身が経験された苦しさを伴侶となる人物に映して物語は進む。私は今は感じないけれど、生命力をなにかによって損なったときには、同様の事物が疎ましく心を苛むようになるだろう。そして自然に近い住処を渇望するだろう。そこでの生活は生命力を回復してくれるだろうし、文章を書けないことは、まず生命力が満ち足りたことの証左だと思う。しかし、書きたい。生命力が満ちても精神が飢えるから、人間は文筆による解放を求めるのか。なぜ精神の飢えを知らぬ古老の言葉は重く響くのか。その不安定な逡巡が心に残る。
読了日:5月18日 著者:南木佳士
迷わない。 (文春新書)の感想
テレビで発言する右寄りの政治見解が気になり、その過程を知りたいと思った。ジャーナリストとして現実から目を逸らさず取材する中で培った自らの考え方を、国際社会から見ると中道と感じておられることはわかった。が、同意はできない。一人の女性の生き方として見ると、勁さに感じ入る。ぶれないために健康管理は大切のようだ。ご自分でも心がけていると言う、「一つの文に一つの意味」が効果的に響く。
読了日:5月14日 著者:櫻井よしこ
サラリーマン山崎シゲル (ポニーキャニオン)の感想
一コマで笑わせる発想と画力。肩を震わせつつ、少しずつ楽しみにページをめくった。規格外の部下につきあってやる部長、とてもいい人。
読了日:5月12日 著者:田中光
韓氏意拳―拳の学としての意味の感想
深すぎて今の私には到底理解できない。という事実を自分に叩き込む。『体認とは未知の物を未知のまま身体を通して理解すること』。「あ、わかった」と思うことがすぐさま次の障壁になるなら、「わからない」を平常としながら繰り返し身体に向き合う方が良いのだ。大切なのは動くことのできる自分の身体を確認したら、身体への信頼へつなげること。それがきっと道だ。さあ、考えるんはもう止め。実践あるのみやで。
読了日:5月7日 著者:
杏のふむふむの感想
のびやかで素直で、若い杏さんそのものの文章。一編一編がエッセイとしてしっかりありつつ、収まりも良く、オチをひねり過ぎてもいなくて、読んでいて気持ちよかった。
読了日:5月5日 著者:杏
旅行者の朝食 (文春文庫)の感想
世界各地の食べ物にまつわる壮大な物語が楽しい。ハルヴァは食べてみたい。米原家の食欲事情は、楽しそうだがまあそれだけのもの。
読了日:5月2日 著者:米原万里
「後継者」という生き方の感想
後継者や経営者という人種がなにをすべきか。肯く点は多かったが、最も確信を得たのは、感性を磨き、幅広くアンテナを立て、本業以外の人脈や知識を本業に結びつけるべく考え抜き、実行する素地を育てることの大切さだ。ただその為に先代を否定してはならない。話し合い、すり合わせ、根気よく説得する。そして『社員に「希望の光」を見せられるか』だな。商売柄、事業発展計画書に多く頁が割かれている。
読了日:5月1日 著者:牟田太陽
注:
はKindleで読んだ本。
会社員である以上、削られる時間は本を読む時間であるわけで。
ペースはスローダウンしています。
合わせて、3か月後のイベントに向けて本の購入をぎりぎりまで絞ります。
そう決めてたった数日で、既に煩悶している有り様(笑)。
秋になにが起こるか? それはお楽しみ。
積読本101冊。気になっている本403冊。

2015年5月の読書メーター
読んだ本の数:10冊

病を得た命に相対するとき、3つの対処があると思った。医療、宗教、自然だ。死にかけた者に対し、医療に頼りすぎることや、宗教に頼りすぎることが、なにかを損なうこともあるのではないかと感じたのだ。『身体とは何か。生命とは何か。』身体とは自然。生命とは自然と、私はまだ答えられない。一方、鳥が種を運び、新しい地に植物が根付くように、人が移り住み、植物や動物の交雑から毒や病を生む根源となることもまた自然なのか。ヴァンたちにその答えがあるのか。さあ下巻へ。上橋さんの答えは、きっとそこにある。
読了日:5月31日 著者:上橋菜穂子

若い女の身体の中で膨らむ気持ち、あまりに内圧が高まり過ぎて滔々と溢れる言葉を書かせたら綿矢りさは第一級だと思う。外界、特に関心のない者への辛辣さは身勝手すぎて我が身を省みてしまう。ヒリヒリ感に身の置き所がなくそわそわしてきて、だから最後の、すこんと抜けていく抜け間がとても気持ちいい。勝手にふるえてろと殻を一枚脱ぎ捨てた彼女に置き去りにされるのは幼かった彼女であり、幻想であり、私だ。
読了日:5月30日 著者:綿矢りさ

今も「沈黙の春」は終わっていないのだ。綿を栽培する為の土壌汚染、布を染める為の水質汚染、生産者の健康被害と搾取。より安い商品を求める程、環境への配慮を省いたぶんの膨大なツケを地球に払わせている。パタゴニアは自然や動物、生産者への配慮が世界に先進する企業だ。アウトドア派創業者のトップダウン方式だが、雰囲気を社内から社外へと醸成していく様子がわかる。自社の環境負荷を知る。改善を心がける。特に得た知識を社内外の人と共有することを強調している。企業の可能性の証明であり、企業が責任を果たすための道筋を示してくれる。
読了日:5月20日 著者:イヴォン・シュイナード,ヴィンセント・スタンリー


自身が経験された苦しさを伴侶となる人物に映して物語は進む。私は今は感じないけれど、生命力をなにかによって損なったときには、同様の事物が疎ましく心を苛むようになるだろう。そして自然に近い住処を渇望するだろう。そこでの生活は生命力を回復してくれるだろうし、文章を書けないことは、まず生命力が満ち足りたことの証左だと思う。しかし、書きたい。生命力が満ちても精神が飢えるから、人間は文筆による解放を求めるのか。なぜ精神の飢えを知らぬ古老の言葉は重く響くのか。その不安定な逡巡が心に残る。
読了日:5月18日 著者:南木佳士

テレビで発言する右寄りの政治見解が気になり、その過程を知りたいと思った。ジャーナリストとして現実から目を逸らさず取材する中で培った自らの考え方を、国際社会から見ると中道と感じておられることはわかった。が、同意はできない。一人の女性の生き方として見ると、勁さに感じ入る。ぶれないために健康管理は大切のようだ。ご自分でも心がけていると言う、「一つの文に一つの意味」が効果的に響く。
読了日:5月14日 著者:櫻井よしこ


一コマで笑わせる発想と画力。肩を震わせつつ、少しずつ楽しみにページをめくった。規格外の部下につきあってやる部長、とてもいい人。
読了日:5月12日 著者:田中光

深すぎて今の私には到底理解できない。という事実を自分に叩き込む。『体認とは未知の物を未知のまま身体を通して理解すること』。「あ、わかった」と思うことがすぐさま次の障壁になるなら、「わからない」を平常としながら繰り返し身体に向き合う方が良いのだ。大切なのは動くことのできる自分の身体を確認したら、身体への信頼へつなげること。それがきっと道だ。さあ、考えるんはもう止め。実践あるのみやで。
読了日:5月7日 著者:

のびやかで素直で、若い杏さんそのものの文章。一編一編がエッセイとしてしっかりありつつ、収まりも良く、オチをひねり過ぎてもいなくて、読んでいて気持ちよかった。
読了日:5月5日 著者:杏

世界各地の食べ物にまつわる壮大な物語が楽しい。ハルヴァは食べてみたい。米原家の食欲事情は、楽しそうだがまあそれだけのもの。
読了日:5月2日 著者:米原万里


後継者や経営者という人種がなにをすべきか。肯く点は多かったが、最も確信を得たのは、感性を磨き、幅広くアンテナを立て、本業以外の人脈や知識を本業に結びつけるべく考え抜き、実行する素地を育てることの大切さだ。ただその為に先代を否定してはならない。話し合い、すり合わせ、根気よく説得する。そして『社員に「希望の光」を見せられるか』だな。商売柄、事業発展計画書に多く頁が割かれている。
読了日:5月1日 著者:牟田太陽

注:

Posted by nekoneko at 17:19│Comments(0)
│読書