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2015年07月02日

2015年6月の記録

ペースダウンなどと誰のどの口が言ったのでしょう。
我慢できたのは最初の1週間程度で、その後の反動の凄まじさたるや、
ほとんど餓鬼です。
栄養価の高いものを読まなければ。

積読本93冊。気になっている本415冊。

ブック

2015年6月の読書メーター
読んだ本の数:13冊

日本幻想文学集成 (7)日本幻想文学集成 (7)感想
石川淳初読。幻想小説選だが、超常現象というより、主人公の気の持ちようと迷うようなものが多い。冒頭の一文がなんとも人を惹きこむ。狐の豊年おどりの「二人権兵衛」、隣人の心底を窺いながら歌を応酬する「しぐれ歌仙」が好きだった。他の巻の顔ぶれをみると、この作家が幻想文学?と思う著名な名もあり、おもしろそうだ。石川直樹氏の祖父と知り驚く。
読了日:6月28日 著者:石川淳

生き方―人間として一番大切なこと生き方―人間として一番大切なこと感想
人類が目覚めたとき「利他」の文明が花開く。道徳や思想、仏教のことばがたくさん引用されるが、言わんとするところは一つ。人の正しい「生き方」、全てにおいて最もコアな部分だ。働くこと、生きることを徹底的に考え、また実践してきた氏の言葉だからこそ実感を持って受け取れることば。『まことの商人は、先も立ち、我も立つことを思うなり』である。四の五の言わず、正しく生きるべし。本田宗一郎氏のエピソードが忘れ難い。
読了日:6月26日 著者:稲盛和夫 ファイル

トリスタン・イズー物語 (岩波文庫)トリスタン・イズー物語 (岩波文庫)感想
章ごと目まぐるしい展開を見せ、主人公は最後まで生きとんのか?と残りのページ厚を確かめずにいられない。好奇心を煽られつつ、結末をなんとなく感じ取ってはいる。つまり、そのままテレビドラマの脚本にできそうなほど現代と変わらない要素や手法に驚く。そもそもはブランジァンがヘマしてばっくれたせいなのだ。罪があるとすれば奴の不注意と、保身のための嘘だろう。周りの者の欺瞞も謀略も罪ならば、オセロ―のように讒言に心乱してゆく気高い王とて転々心を変える弱さは国を乱す罪だろう。トリスタンとふたりのイズーが不憫でならない。
読了日:6月24日 著者:

体の知性を取り戻す (講談社現代新書)体の知性を取り戻す (講談社現代新書)感想
迷い、再読。套路に自分の身体を合わせる無理を重ねて、身体も気持ちも辛くなっていた。だから、ただ型に自分を合わせるのは無意味、の言葉に目が吸い寄せられた。そうだ。先生といえど他人の期待にかなう動きは、窮屈な発想と固い動きを生み、身体のバランスを崩す。それは外見からの類推、自分の身体を外から見る行為だからだ。『結果を求めるのではなく原因を尋ねる』ことが目的ならば、その型の意図を他ならない自分の感覚で探ることが稽古なのだ。できるだけ滞らないように。自分のことをやる。すっかりやる気を取り戻して元気になりました。
読了日:6月22日 著者:尹雄大

心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」  角川SSC新書心がフッと軽くなる「瞬間の心理学」 角川SSC新書感想
つまりは自分自身の心の処し方の問題。『少なくとも自分が今、今と充実していれば、人生の好循環が起こってくる可能性は高くなるだろう』。私もそれを信じる。『自分の心を丸まま操作する感覚』、『小さな開き直り』。心を強くする心がけが大切だ。今の今すら苦しい人のための、導くような、諭すような、小さな実践の積み重ねがいつか光へつながること。それが著者のメッセージ。
読了日:6月21日 著者:名越康文 ファイル

里山資本主義  日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)感想
うまくいった事例の紹介。GDPや2050年の予測などのたまうから胡散臭い。震災で私が痛感したのは自助>共助>公助の重要性だった。例えば自分で野菜をつくる>近所で分け合う>皆で食べる仕組づくりという、物事の順序。それはボトムアップで出た芽であり、新しい仕組を住民が謙虚に喜び合うから輝く。もし流入資本に依存したり、行政がやって当然の空気ができれば持続可能ではなくなるだろう。細心の均衡を要する各々の「里山」は、容易くはない。あと、スマートシティの根本は全き資本主義。ツールでしかない。CLTパネルが面白そうだ。
読了日:6月20日 著者:藻谷浩介,NHK広島取材班

知的生活習慣 (ちくま新書)知的生活習慣 (ちくま新書)感想
健康かつ知的に生活するためになにが必要か。忘れて頭を整理する、仲間をつくる、脚力をつける等、生活に付随した易しいタイトルは、人が知るために生きるのではなく生きるために知ることの表れだ。細かい点では合理的でないし、頑迷な年寄りめいた論も少なくないのだが、不思議に結論は至極納得だったりする。いずれにせよ、これは著者の知的活動の一環であり、それは本当かと筋道を考え巡らせるのは読者である私の知的活動の一環なのだ。専門の違う者同士が定期に集まって雑談や意見しあう会合は、今でいう異業種交流会ほど下心がなくていいな。
読了日:6月19日 著者:外山滋比古 ファイル

ドクター・スリープ 下ドクター・スリープ 下感想
ダニーは覚えていた。父が持てる限りの魂で闘ったことを。そして今、ダン自身が守りたい者を守るため、彼の地へ戻る。のだが、、、失礼ながら血迷ったかと思った。あれらがミステリ張りの伏線だったのか。仮にその展開がなくてもダンはアブラを精一杯守ろうとしたと思うが、必要だったのか。ジャックの存在感を強めるための要素なのかと散々首をひねる。諸々を総合すると、やはりこれは、ダンの物語だ。だからダンの意志が強く表れ、場や絶対悪の禍々しさがキングにしては薄い。中表紙が凝っている。下巻で気づき、期待感でぞっとした。
読了日:6月18日 著者:スティーヴン・キング

ドクター・スリープ 上ドクター・スリープ 上感想
私のかわいいダニー、なんてドツボにはまってしまったんだ。とシャイニング読者の誰もが胸を痛める、あるいは顔をしかめる時期を経て、ダニーは出会う。昔、守ってもらったように、今、友人の助けを借りて、幼き“かがやき”を守る。そして滅亡することのない絶対悪と戦うようだ。絶対悪には人を惹きつけるなにかがあり、善き者だってひとつやふたつ持っている弱さや引け目が、下巻では心を挫けさせようとするだろう。トニーの存在が素敵な一方、アジーの存在感は控えめの印象。
読了日:6月14日 著者:スティーヴン・キング

整形前夜 (講談社文庫)整形前夜 (講談社文庫)感想
中年男の日常に絡む、情けなくもあるようなエッセイ。緩い気分で読んでいると、その繊細さ故の鋭い着眼に感嘆させられる箇所がいくつもあった。驚異(ワンダー)と共感(シンパシー)の章が面白い。世に溢れる本は「共感できる」ことが価値になっている。驚異は「わからない」故に不安を与えるから、読者に忌避されるのかもしれない。驚異を求める読者には若者が多く、歳を取るにつれ共感へと回帰していくとある。ここに引用される詩歌は私でも面白いと思うものが多かった。わからなくていいのか。詩歌集、読んでみようかな。
読了日:6月13日 著者:穂村弘 ファイル

稲盛和夫の実学―経営と会計稲盛和夫の実学―経営と会計感想
会社経営の原理原則。会計を経営者自身が理解し、運用することの大切さを説いている。これらは軸だ。軸がぶれずにあれば、経験と照らし合わせ、如何にすべきか揺るぎなく結論できるものだ。経営者が自ら自戒し、社員に見せて恥じない公正で明朗な会計が、経営の指針となるとともに、社内の不正を防ぎ、社員の信頼を保つ土台となること、必ず覚えておきたい。導入したい道具が、既存の道具に比べどれだけ効率を向上するか、投資額との釣り合いを計算するという考え方が新鮮だった。新しければ社員が喜ぶから効率が良くなる、は無根拠で甘かったわ。
読了日:6月9日 著者:稲盛和夫 ファイル

賢者の戦略 (新潮新書)賢者の戦略 (新潮新書)感想
今回はだいぶタイムリーに読めた。イスラム国、東アジア、ウクライナなど進行形の火種や、ドイツやロシアなど諸大国の考え方、特に角度を変えて見る日本の姿が最も私を考え込ませる。リベラルであることが身辺に迫った危機を遠ざけ得ないことは、ようやく私も納得した。だからといって安倍総理の思想、安保法案は全く了承できない。「新・帝国主義」の危うさ、同盟が戦争を招く危うさに、日本がなんとか巻き込まれない施策が他にないのか。歴史を踏まえ今を今とし、見定めたい。一点、「反知性主義」がどこを指していたのか明確でなく、意味深長だ。
読了日:6月8日 著者:手嶋龍一,佐藤優 ファイル

鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐感想
獣が縄張りや伴侶をかけて争うことが自然であるように、人が国を争うことも自然の摂理なのだろう。自分からより遠い遺伝子の敵を排除する。そのためには使えるものは何でも使う。これも自然。しかし人間の意識は、その自然を捻じ曲げ、傲慢にも不自然にしてしまったのではないか。結果、完全制御できるかのように放ったものたちが思わぬ痛みとなり、たくさんの人々を苦しめる。自然はどこまでも真っ直ぐだ。人も、できることならひね曲げずに生きていきたい。それに気づくから、ヴァンと暁の駆け抜ける姿がこんなに胸を締めつけるのだろう。
読了日:6月7日 著者:上橋菜穂子


注:ファイルはKindleで読んだ本。

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