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2016年09月01日

2016年8月の記録

夫が試験勉強をしている間、読む、読む、読む。
思いがけず時間が取れて、うはうは。癖になりそう。
買う方も調子に乗って、やや積読増加気味。

積読本92冊。

ブック

2016年8月の読書メーター
読んだ本の数:10冊

佐治敬三と開高健 最強のふたり佐治敬三と開高健 最強のふたり感想
著者は当初、佐治氏の伝記を書くつもりが、開高氏の存在感の大きさに感じ、ふたりの伝記としたと言う。佐治氏の経営者人生は感嘆すべきものであり、ふたりの親密な関係もさることながら、私の目を引くのは開高健の人生の激烈さだ。開高氏の人生には暗い影がある。健啖美食の裏にある飢餓の記憶、悪妻から逃れるため始めた釣り趣味、失った愛と引き換えの文学界の名声。私はなぜこの本を手に取ったのだったか。私の本棚に鎮座する箱入りの「夏の闇」はいつ買ったのだったか。どんな心持ちで私は「夏の闇」を読み始めればよいのかと逡巡している。
読了日:8月27日 著者:北康利

動きが心をつくる──身体心理学への招待 (講談社現代新書)動きが心をつくる──身体心理学への招待 (講談社現代新書)感想
人間は脳や心が先にあったのではなく『始めに身体ありき』だ。知覚ののちに情動が生まれ、心の状態と身体は相関関係にある。そんな経験的に自明のことが、科学的に証明するとなると複雑怪奇な理論モデルとして示される。反射であり、意図的にもできる身体反応=「レスペラント反応」と気分・情動の相関を、呼吸、筋弛緩、表情、発声、姿勢、歩行、対人距離の項目に分けて説明している。著者は太極拳の経験もあるので、動くことと心について直感はおありなのだが、行動心理学畑であるために、その乖離を埋めきれていない様子。興味深いぶん、残念。
読了日:8月17日 著者:春木豊 ファイル

輝ける闇 (新潮文庫)輝ける闇 (新潮文庫)感想
じっとりした夏の日に汗をだらだら流して読もうと思い早や5年。開高健といえば嗅覚と味覚の表現が突出した作家だ。暑さと湿度でむんと増幅されるような嗅覚を疑似知覚し息が詰まる。『匂いのなかに本質がある』と言う主人公の台詞の真意を考える。太平洋戦争敗戦の少年時代から20年経たヴェトナムの前線。ヴェトナムの湿度は触覚をも増幅するのか。混沌の中、異状に侵される自分を観察している。言葉にすれば全景を失う「戦争」を、氏は手あたり次第描く。「戦争はいけない」、言葉は薄っぺらだ。氏が伝えたいものを探ってのたうつ。介入こそ悪。
読了日:8月16日 著者:開高健

だいたい四国八十八ヶ所 (集英社文庫)だいたい四国八十八ヶ所 (集英社文庫)感想
くだらなさより、真摯さを強く感じるお遍路エッセイ。宮田氏のエッセイで真摯さを感じるなんて、余程これをやりたくて、楽しかったのかと嬉しくなった。我が家からすぐのところに宮田氏の言う「いい道」があって、近々登る予定にしている。宮田氏の言うとおり、歩きよく眺めの良い道だろうか。カメラも持って、いっぱい道草しよう。そう、四国を楽しんでくれたところが、やっぱり嬉しいな。
読了日:8月12日 著者:宮田珠己 ファイル

東京防災東京防災感想
東京都が作成した防災冊子が秀逸と聞き、Amazonで無料ダウンロードした。なるほど、地震はもちろん、台風やテロなど考え得る限りの災害とその備え、情報、対処がまとめられている。香川県はどうしても重大な災害被災が予想しづらいので、切迫して備える気が起こりにくい。積極的な備えはともかく、日常備蓄や、どのようなことに気をつけておけばよいかという心構えはしておきたい。体温維持のためには、カイロは尾てい骨の上に貼るのが良い。
読了日:8月12日 著者:東京都生活文化局広報広聴部都民の声課 ファイル

365日、おいしい手作り!「魔法のびん詰め」: とっておきの保存食レシピが満載! (王様文庫)365日、おいしい手作り!「魔法のびん詰め」: とっておきの保存食レシピが満載! (王様文庫)感想
楽しい! 日々のごはんづくりを楽にし、かつ食材を無駄にしない、万能レパートリーを増やしたいと思っていたところ、目に留まった本。和洋中、酒の肴から甘味までバランスよく紹介されるうち、まずは我が家で常備している調味料の範囲で可能な保存食や調味料から挑戦すべく、計画を練るのに忙しい。びんの殺菌が若干面倒。せめて隅々まで洗いやすいびんを探さなくちゃ。
読了日:8月10日 著者:こてらみや

スマイルズの世界的名著 自助論 知的生きかた文庫スマイルズの世界的名著 自助論 知的生きかた文庫感想
『天は自ら助くる者を助く』。自助、つまり自分自身の力でなにかを成すことについて。偉人のエピソードや金言を織り込みながら、外から強制されない意志を語る。偉大な功績は数多いけれど、ひとりの人がなにもかもをできるわけじゃない。なにかひとつ、前向きになれる言葉を見つけられたら、めっけものだと思います。私は少々食傷気味でした。
読了日:8月9日 著者:サミュエルスマイルズ ファイル

日本会議の正体 (平凡社新書)日本会議の正体 (平凡社新書)感想
現総理と与党の舵取りにより日本は危うい方向へ進んでいる。その陰に日本会議ありと聞いた。大雑把には、明治神宮を中核とした神社本庁と、谷口雅春の思想信奉者の集合体で、天皇中心の国家体制への回帰願望、国民主権や政教分離の否定を、歴史錯誤と反知性主義の中に主張する。日本のあるべき姿と心底信じ、持てる手腕全て注ぎ込んで実現させんとしている。一方、平和に慣れた日本人は政治に興味を失い、異端の主張を許している。安倍政権と日本会議が車の両輪なら、憲法改正に必要な国民の過半数の賛成、達成され得ぬと誰が言えるか。背筋が寒い。
読了日:8月8日 著者:青木理 ファイル

転がる香港に苔は生えない (文春文庫)転がる香港に苔は生えない (文春文庫)感想
中学の教科書にある以上関心を持たなかった香港は、ルポで読むとなんとも異様で混沌としている。粗い日本語で、各所に感傷や乙女心が交じる辺り余分だが、面白い。描かれるエピソードが多様雑多で、では香港がどういう土地か、言い表せないまま心に残る。42歳になったときもう一度訪れて書いてほしい。祖国愛と多様性を考える。例えばこれからを生きる日本人にどうあってほしいか。多様性とは懐の深さ。今の日本の懐は浅くなる一方だ。ならば誰でも受け入れ、なんでもありにするのか。私たちが大切にしたい、日本を守りたい気持ちは、邪なのか。
読了日:8月2日 著者:星野博美 ファイル

ヘンゼルとグレーテルヘンゼルとグレーテル感想
うろ覚えだったので。ヘンゼルとグレーテルを森に捨てようと迫ったのは実母である。自分と夫ふたりだけ生き延びるために。その意味で魔女より邪悪な実母は、子供たちが戻ったときには死んでおり、良心の呵責に苦しんでいた父と3人でめでたし。日本での出版は昭和24年、日本の子らはどう捉えたか。『わたくしの話もこれで市がさかえました。ほら、あすこに、小ねずみがちょろちょろかけていますね。たれでもつかまえた人は、あれで、大きな毛皮のずきんを、ごじぶんでこしらえてごらんなさい。』の締めは、どういう意味づけを持ったものだろう?
読了日:8月2日 著者:ヤーコプ・ルードヴィッヒ・カールグリム,ヴィルヘルム・カールグリム ファイル


注:ファイルはKindleで読んだ本。

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